前回子供の矯正をしていく上で、矯正治療を受けているのは子供自身であり、子供自身が変わらなきゃ、と思えるように持っていきたいと言うことをお伝えしました。今回はそれをさらに深掘りしていきたいと思います。
子供自身がこれもうちょっとやってみたいなー、もっと良くなってみたいなーと言うようなモチベーションにつながるような状態にしたいわけです。
具体的には装置を決められたように毎日家に帰ってから1時間入れてね、口を閉じて鼻で息してね、
舌はスポットに付けていてね、など指導するのですが、この時に子供のモチベーションが高いのか低いのか、これは治療の成果に大きく関わってきますよね。
ここで1つ我々が指導していく上で重要なことを皆さんにお伝えしたいです。これはかなり重要なことですが多くの方が残念ながらこのことを保護者の場合は理解していません。ここは子供の運命の分かれ道と言ってもいいです。それは何かといいますと、子供の矯正治療はいつからやるべきなのか?それはきっぱりといいますと小学校1年生4月です。ほぼこの時期から始めてください。その子の人生が大きく変わるといえます。いろんな保護者の方がいますが、4歳5歳位からあるいはもっと言えば1歳2歳から出来る限り子供の健康考えて通っている方もいます。当然このような場合、当院の予防クラブのプログラムで対応していてそこで予防矯正を6歳までは行っています。そして小学校1年生から矯正をスタートしようと言う計画を事前に何度も本人にもイメージさせています。
どうしてこの時期なのか?もっと小学校6年生や中学校2年生位でも大丈夫なんじゃないか?と言う保護者の方が結構いるのですが、今回話しているモチベーションのコントロールに関しては、小学校1年生が医療者側からすればベストなのです。私たちは子供自身が自律的なモチベーションを持ってやってくれる状況を出来る限り生み出したいのです。本人が自律的なモチベーションを持ったときには最強の結果が出ます。このモチベーションのコントロール、医療者側からすれば小学校1年生がベストなんです。これは様々な心理学的な背景の中から出ている結論です。
大人の言葉が理解でき、様々なアドバイスを実際にやる際にその行動を形にできる程度の理解力がある、かつ精神年齢がそこまで発達しておらず自我が強くないために大人のアドバイスを聞き入れやすい。と言うことなのです。と言う事はこれがだんだん学年が上がり3年生4年生そして5年生6年生と思春期に近づいていくと、どんどん賢くなり大人が言うことに対してそれって本当なの?と実は心の中で思っていたりします。そうするとモチベーションのコントロールはどんどん難しくなっていくのです。
今回はモチベーションのコントロールに対しての理想的な時期と言うことで話をしました。実は他にも様々な要因があるのでそれはまた後日伝えたいと思います。
またモチベーションには2種類あり、1つはこれをやったらゲームを30分やっていいよと言うようなタイプのモチベーション、これは短期的な効果しか得られません。もう一つは自律的なモチベーションで、自分から行動できるようになるよう仕向けますこれこそが最強のモチベーションです。
そのために私たちは毎回こうしてください、と、単に指示をするだけではなく、本人と対話します。本人と相談をします。すなわちどうしたら自分ができるのか自分なりにいつだったらやれると思うか、あるいはどうしてやれなかったのか、どうしたいのかなどを根気よく引き出していきます。