こんにちは今回は少し趣向を変えた話をします。
日本社会が様々な局面において成長戦略、未来像に対して不安を抱えるようなニュースが飛び交う昨今です。特に人口減少においては、様々な不安が議論されています。人口の減少、今、年間6万5000人人口が減っていくと言われています。
これはよく例えに使われることなのですが、65,000人というのは鳥取県の人口が約10年でなくなる、などそのようなことなのです。その一方で、少子化対策など様々な政策、政治的にも社会的にも、経済的にも、あらゆるレベルで次なる世代へ良き日本を作るために多くの方々が努力をされているのではないでしょうか。
これらは以前の団塊世代やベビーブームなどといった人口が増え、工業化社会が進み、社会がどんどん成熟していく中で、日本経済が高度成長したような時代がマックスになり、人口が減っていくという深刻な問題が日々私たちの生活の中でも見えてきている部分もあるのではないでしょうか。
そういう中で特に中小企業においては特に零細企業においては、働き手が少なくせっかくの技術はあるのだが、せっかくの良い商品はあるのだが、それをサービスとして価値として提供するのが難しいという状況が起きているように思います。
医療現場においても日本中どこのクリニックにおいても人が足りないためにもっと良い医療サービスを提供したい、もう少ししっかりと患者さんと向き合いたいと思っても、なかなかそれだけの体制がない、作れない。そしてその物事の本質としては、働き手が少ないということがよく取り出さされています。
今、日本社会において労働者はほとんどの場合、中小企業に勤めています。そしてその中小企業の割合は、全労働者のうちの7割と言われています。大企業に勤める人は3割を切る位でとても少ないのです。この7割の中小企業が実は日本社会を支えていると言っても過言ではないと私は思います。
そしてこの小さなクリニックこそ、地域地域、様々な場所にあり、それが日本の医療を支えている事は、1医療人としてとても強く痛感していることであり、この現状をいかに良くしていくかということは重要な課題です。例えば歯科衛生士のリクルート問題、学校を卒業した歯科衛生士が、大きな企業の医療営業職についたり、大きな病院へと就職したりということも少なからずあります。
一方で、自分の家の近くのクリニックに勤めていると言う方も多いのです。歯科衛生士に限らず、若い学生、新卒の方などと話をする機会がありますが、そのような中でどうしてあなたはそのような進路を決めたのですか?あるいはなぜそのような進路を探しているのですかと聞くと、いろいろな答えが返ってきます。歯科衛生士の場合、よくある返答は、家から近いところが良い。帰りに時間が遅くなったりする日もあるので通勤時間が長いところはちょっと心配だとか言う話があったりします。他にも当然給料面であるとか、福利厚生等の社会的保障が安定しているかどうかなど様々な要素があります。
そのような中で、一方で1年2年スパンで場合によって、1ヶ月とかで転職してしまう人を時折出会ったりします。
このような複雑な現代社会において、物心ともに豊かな日本社会を目指していくためには、私は中小企業こそがどのように生き残っていけるかだと感じることが多々あるのです。これは私の個人的な意見です。企業が大きくなったから生き残れるとなると、やはりそれは椅子取りゲームとなり、市場から去っていかなければいけないクリニックだらけという非常に不安定な社会になってしまいます。日本全国津々浦々にある小さなクリニックこそ安心安定して生き残っていける社会であってほしいと願っています。
そのためにどうしたら良いかと言う方策は様々にあると思いますが、その1つとして日本古来の思いやりや優しさを持って、人と人が生きていく社会であるのではないかと思っています。都会に行けば行くほど人はつながらず、ビジネスライクに生きていくことが可能です。
しかし医療はそのようなわけにもいきません。人対人で成り立っています。どれだけAIが進んでいったところで、今のところ最後は人が人に対して何らかの対応をしなければ成立しないのが医療だと思われます。そういう意味において院長である私や医療従事者であるスタッフたち、そして患者様たち、取引先の企業たち、歯科技工士等、人が安心して関われる生活の中の医療でありたいものです。
社会は激しいスピードで変化していきますが、人の心がそれについていけず、人は疲弊しているかもしれません。だからこそ、心の通う地域医療であり、地域社会でありたいと願うばかりです。小さな歯車が頑張る日本社会をみんなで守っていきたいものです。