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深い虫歯、神経の治療

2024年12月8日

先日18歳の患者様の虫歯の治療を行いました。この患者様のこの歯は以前から経過を見ていたのですが、ある程度の虫歯があり、年齢も若いことから出来る限り削らないで経過を見ていました。虫歯をすべて取り、その歯の中に虫歯の進行を抑制する神経の症状が出ないための鎮静作用のある薬のセメントを詰めて様子を見ていたのです。そしてこの患者様は矯正治療が終わり、針金を外しました。そしてマウスピースの保定期間へ入りました。固定期間も2年が経ち充分歯が安定してきたのでこの虫歯の治療をもう一度状況を見ることとなりました。

矯正治療をしていると、歯の根が移動するので、若干歯の根の先に炎症が出ることがあります。レントゲンで見ても判断が難しいところです。矯正治療によって症状が出ているのか、そもそも虫歯によって影響が出ているのか。ですが、この患者様既にもう保定期間に入って2年ほど経ちましたので、レントゲン写真からも根のほうに若干炎症があると言う所見が見受けられました。また本人も時々症状があると言うことでした。あと本人が特に気になった事は、他の歯は白いのにこの歯だけちょっとどうしても色が暗いので何とかならないかと言うことでした。

そしてこの以前に詰めた薬の作用のあるセメントを一通り取り中を確認し、やはりどうしても神経がギリギリに見えるような状況でしたので、根の炎症も見受けられることから、神経への治療をすることとなりました。

神経の治療をする際には、基本的には麻酔の注射を行います。もし神経の処置をしないことが前提であれば、麻酔をしない場合が良い場合が多いです。どうしてでしょうか?それはギリギリまでを削ることができるからです。痛くないところをギリギリまで削り、痛いところは削らない。そうすることによって神経を残せる確率が増えるからです。今回はもう神経のエリアまで削ることが最初から決定していますので、麻酔をして治療を進めています。

上部の部分をある程度削るのですが、あまりたくさん削りすぎると、最終的なかぶせもの面積が広くなるので、不必要にはたくさんは削らないです。このような選択をするのは年齢が若いからと言うこともあります。逆に年齢が高い人であれば削るのをためらったためにかけてくると言うことがあり得ます。このような状況判断が大切です。

また、この治療がなぜすぐに行わずに、何年も待っていたのか、これは矯正治療をしていたからと言うだけではありません。神経を取るか取らないかと言う状況になった場合には、多少しみる、痛い位であれば急いで神経を取らない方が良い場合が多いということなのです。神経を残した状態で様子を見ることができるのであれば、しばらくはそのまま様子を見たほうが良いのです。

この判断はある意味微妙です。ドクターがそれを見てはっきりとこれはどっちだと言う判断がしにくい部分があります、すなわち患者様自身が結構しみるし、ちょっと普段の生活では辛いかもと感じる場合、あるいはこれぐらいだったら別に1回2回たまにしか水を飲んで染みたりしなかったからまぁいいんじゃない言われてみれば確かにしみるけどそうでなければそこまで気にならなかったです、などと言う人もいるのです。このような状況をよく聞いた上で日常生活に困らないのかというのが1つの指標になります。当然ドクターがレントゲン等を見てどうなのかと言うことも判断をしています。このような総合的な状況の中でどうすべきかを考慮して治療方針を決めています。

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