こんにちは、お元気にお過ごしでしょうか。私はよく医院において矯正治療の相談を受けることがあります。
特に成人の方ではマウスピース矯正、例えばインビザラインの事ですが、このマウスピース矯正を受けたいと患者さんから相談を受け、そのための診断や計測をしていることがよくあります。このような患者さんと矯正について針金でやる場合や、それ以外の装置でやる場合、も一応説明をしています。そして、歯周病の問題点や既に治療の行われているかぶせ物を治すべきなのかとか、虫歯の治療などについてもアドバイスを行っています。
すなわち矯正治療とは言いますが、全体的な噛み合わせやお口の健康状態を総合的に判断する必要があります。親知らずを抜くのか抜かないのか、親知らずを抜くのがどの程度のものなのかなども含め。
そして成人の人の場合、特にインビザラインなどのマウスピース矯正を希望する人の場合は、針金までをつけてまで大掛かりなことをやるのはちょっとなんだか大変そう、だから、自分はちょっと不安だけども、マウスピースで治るんだったらやりたいなどと言う方も約半数います。
そして他の医院でも相談を受けた、もしくは自分が以前言ってた医院では、矯正についてあまりコメントをもらえなかったので相談に来た、などと言う人もちらほらいます。そして、このような質問をたまに受けることがあります、それは、矯正治療は矯正の専門の医院でやったほうが良いのでしょうか?
これに関して私は明確に1つ言えることがあります。それはインビザラインのようなマウスピース矯正の場合は、歯科治療を普通に行う一般歯科で矯正も行えるような医院でやることです。どうしてでしょうか?これには重要な理由があります。
インビザライン矯正マウスピース矯正で歯を動かす場合には、歯と歯の間を0.3ミリとか、0.5ミリほど角を丸めると言う作業があるのです。必ずしもすべての歯にやるわけではないのですが、成人の場合は多くの場合10本位の歯にはこれを行うことが結構多いです。
そうすると歯を歯科専用のタービンと言われる切削器具で0.3ミリほど削ると言うことになりますので、これはかなり微妙な量を正確に作業しなければいけません、普段歯の治療を行い、常に麻酔注射や歯を削る道具を使っている先生がやるべきです。
一方で、針金等のワイヤー矯正しかやっていない、もしくはインビザラインしかやっていないと言う矯正専門の医院では、歯を削る機会は極めて少ないです。ですから、正確に歯を削るのはかなり困難なことであると想像しています。例えば例を挙げると耳鼻科に行って目の検査をしてくれと言ってるようなものです。
耳鼻科の先生もドクターですから、目のことが全くわからないわけではないですが、それを専門にやってるわけでもないのでそこまで求められても困ってしまうと思います。できなくは無いでしょうが、それを正確にやれと言われるとちょっと困るのではないでしょうか。
またインビザラインではアタッチメントと言うプラスチックのような引っかかりをつける作業があります。これも一般歯科でよく行われるプラスチックを詰める治療の応用です。一般歯科では毎日何回もこのプラスチックを詰める作業は行われています。ですので、やはりその処置に慣れた先生がやるのが良いと私は思っています。
以上のようなことから総合的に言えることとしては、インビザラインのようなマウスピース矯正を行う場合は、一般歯科に行き、矯正治療をも行っている医院に行くべきであると言うことです。
一般歯科とは皆さんが普通に虫歯治療や歯周病の治療で行く歯科医院のことです。ここでは大抵の器具や材料があり、オールラウンドに治療が行われています。ただそこでさらに矯正治療も行っているかどうかはそれぞれの医院によって違います。ここでポイントとなってくるのが矯正治療も普通に行っているかどうかということです。
すなわち一般歯科で矯正治療は行っているのだが、それは月に1回だけ専門の先生が来てやっているとかではダメです。一般しかも矯正治療も両方常に行われていると言うような状態を意味しています。
子供のマウスピース矯正の場合には少ないですが、大人のマウスピース矯正の場合にはマウスピースで歯を動かした後に、歯の治療が必要になる場合が多々あります。それはもともと歯がいくつか治療してあるからです。そのもともと治療してある歯の形を新しく動かした場所で、もう一度形を変える必要があったり、かぶせものが古くなってきていて、かぶせ直す必要が起きたりするわけです。その状況の判断は一連の流れで行うべきですので、やはり虫歯の治療もインビザラインマウスピース矯正治療も両方できる医院に行くべきだと思います。