あなたは顎が小さいとか、顎が大きいなんてことを聞いたことがあるのではないでしょうか?あるいは前歯が出ている、上顎が大きくて出っ歯に見える。またその逆で下顎が出ていてかっこ悪いとか。
顎の位置とか大きさと言うのは生まれつき遺伝で大きかったり小さかったりするのでしょうか?実は遺伝の要素は昔は3分の1、30%ほどの影響があるのではないかと言われていましたが、現在では研究がさらに進み遺伝の要素が少なくて、むしろ生活習慣から、その顎が大きかったり、小さかったり様々なことが起きているのではないかと言われています。
さらに、顎の大きさや位置に関して、もう少し厳密に言うと、大きい小さいと言うのは、本当に大きい場合もあるかもしれませんが、むしろ相対的に大きく見えてしまう、相対的に小さく見えてしまうという位置の関係性が、実は要素としては大半を占めているかもしれません。すなわち例えば、下顎が別にそんなに大きいわけでは無いのだけれども、若干前のほうに出ていれば、下の顎が大きいと言う話にもなるでしょうし、逆に下顎が小さくて後ろに下がっているような位置にあれば、上顎が大きい出っ歯だと言われるかもしれません。ですので、単に大きい小さいとかと言うだけの問題で考えると、ちょっと話がおかしくなり、全体のバランスの位置関係で本当にそれが大きいのか小さいのかはたまた適正なのか位置がずれていないのかなどを総合的に見定めていく必要があるのです。
顎の位置といっても皆さんにはわかりにくいかもしれませんが、我々専門家からすると多くの場合、下顎が後ろに下がっている人がほとんどです。顎が前に出ている人もいると言う人もいるかもしれませんが、それは顎が前に出ていると言うよりは顎の骨の一部が前に突出しているだけで、顎の中心的な部分である歯の並んでいる部分は、極端に前に出ているというような人はかなり少ないです。1%もいないです。
話を元に戻しますが、大抵の場合は下顎が後ろに下がっていて、顎が小さいということがほとんどです。東洋人の場合は、この傾向がとても強いということがわかっています。
顎の位置のことを顎位と言いますが、この顎位がどのようにして決まっていくかの1つの大きな要素は、顎の周りの筋肉です、口の周りの筋肉です。このようなものを口腔周囲筋といいます。この筋肉の調和が取れていない人がとても多いです。この筋肉の調和を取るため、様々なことをわれわれはアドバイスしています。
例えば、タオル噛み、これは筋肉を鍛えるためです。現代人は噛むための筋肉が弱い人が多いのです。舌を上に挙げる運動、舌は筋肉でできていますので、動かして鍛えればよくなります。普段無意識のうちに、舌が上顎についていてほしいです。
これができれば、これをしっかりマスターしていただき、これが自然とできるようになれば、かなり幸せな人生であり、かなり健康度の高い安定した人生であると考えています。