電話する

地図

問い合わせ

メニュー
ヘッダーオファー

お口の中に使う接着剤

2024年12月29日

前回ダイレクトセラミックの話をしました。ダイレクトセラミックとはセラミックをお口の中で直接くっつけて治す治療です。この言葉を聞いてもよくわかりにくいと思います。多くの場合、セラミックの治療は歯型を取り、その型をもとに口の外で歯科技工士がセラミックの形の歯を作っているわけです。そしてそのできたものを歯科医師が口の中でくっつけていくと言う作業を行っているわけです。一方で、ダイレクトセラミックは羽型取りはあまり行わず、口の中でセラミックを直接つけると言う方法なのです。かなり特殊な方法と思われるかもしれませんが、これに近いような事は以前から行われていて、それはプラスチックで詰めると言う方法でした。ですが、プラスチックには様々な弱点があり問題も多かったのです。

ところがハイブリット型のセラミックができ、お口の中で直接くっつけると言う作業ができるようなものが開発されてきたのです。材料の進化です。そしてその材料の進化と同様、くっつけるときの接着剤の進化もかなり進んでいます。この接着剤の進化が実際にはかなり重要です。

セラミックをくっつける、ということなのですが、これが案外難しいのです。というか、かなり不可能に近い位難しかったのです。で、以前はどうしていたかと言うと、くっつけると言うよりは、物理的にしっかりめ込むと言うことをしていたわけです。はめ込んでしまえば簡単には取れない、物理的に引っかかっていると言う状態です。皆さんのお家にはコップがいくつかあると思いますが、同じ形のコップを3つ4つとどんどん上に重ねていくとどうでしょうか?ぎゅっと押して重ねておいて、それを今度バラバラに外そうとした時、しっかりぴたっとぎゅっとくっついていれば、なかなか1個ずつバラバラにしにくいですよねこのような状態が物理的に引っかかっていると言う状態です。そしてさらにこの引っ掛けるときに中にセメントの接着剤を入れると隙間がなくなるので、いよいよ陰圧になり、外そうにも外せなくなるわけです。これが今までの接着の仕方です。ですが、我々専門家としては、それを接着と言わず合着と言っていました。なんか同じような言葉に聞こえるかもしれませんが、これかなり専門家としては意味が違うのです。

接着に頼ると言う事は、物理的には完全に引っかかってないのです。例えばもしコップの裏側と裏側をつけてみてください。それは全くくっついてなく引っかかってないですよね。しかし、その裏側と裏側にアロンアルファなんかをつけてくっつくかもしれませんよね。このようなくっつき方が起きた場合のことを接着と言っています。

この接着ということができれば、歯をあまりたくさん削らなくても、すなわち歯をひっかけなくてもくっついてしまう、とても便利で都合の良いことが起きるのです。しかしこれは以前から大きな課題があり、なかなかうまくいかなかったことなのです。そして最近ようやく材料の進化によりかなりの精度でこの接着が可能となってきました。

この接着作業を行うために、私の場合、ダイレクトセラミックをお口の中で行う場合、大抵の場合3種類から6種類位の接着処理剤を使います。とても複雑な作業なんです。皆さんのイメージで言えば接着するのに接着剤は1つのものを使うと言うふうに思うのではないでしょうか?けど、それでは全く持ってくっつかないんです。いくつもの材料をその場で料理のように次から次へと入れていき、熱を加えたりレーザーを当てたり、様々なことをしてようやくその上にダイレクトセラミックを置き、それをまたさらにレーザーで固めてくっついてくれるのです。

このような何種類もの、例えば5種類位のものを使わなくてもオールインワンで1種類だけで接着すると言う商品も実は販売されています。しかしそれを私は使いません。どうしてか?それはやはり論文レベルでは、まだまだ複雑な工程をしてでもその方が接着力が高いと言うデータが出ているからです。そして少しでも接着力が高い方が長持ちするということがわかっているからです。

<< 前のページに戻る

診療スケジュール

当院へのお電話からの問い合わせは0526018001へ

受付時間
9:00〜12:00
14:30~17:30
▲土曜 9:00~13:30 【休診日】日・祝祭日・土曜午後
初診最終受付 17:00、土曜初診最終受付 13:00
ご予約・お問い合わせはこちら
小島歯科室の外観
初診の方限定、歯ブラシ・キシリトールガムをプレゼント

© 小島歯科室