矯正治療においては、針金を使って歯を動かしていくことがあります。歯の表面に四角いブラケットと言うものがつけられて、そのブラケットの表面にさらに針金が通るわけです。上下の歯に針金が通っています。主にこの針金を利用して歯を動かしていくわけです。矯正治療中に針金が痛いと言うことが起きることがあります。

これはどのような場合かについて少し話をしていきたいと思います。矯正治療において、針金を交換したり、針金を締めたりして治療を進めていくわけです。大体1ヵ月おきぐらいにそのような行為を行うことが多いです。その際、奥歯の先の方の針金が、歯茎やほっぺたに引っかかるようなことがあると思います。これはどうしてかといいますと、歯が動くと、同時に1番先のところに針金の余りが会って、位置関係が変わってくるということがあるのです。ちょっとわかりにくい話なのですが、歯が動けば、針金も多少位置が変わるわけです。そのため針金を調整した直後、その時は痛くなくても2 、3日すると針金がやっぱり引っかかってくると言うことがあります。これはなかなか防ぎようのない話です。ですが、注意点としては矯正治療を受けたその日にその場で治療が終わる際に、口の中で針金が引っかかっていないか、大丈夫かを充分唇などを動かしてチェックしてみることが良いかと思います。その際に若干でも引っかかるようであれば、その場所がさらに引っかかってくるかもしれないのです。歯が動くので、一緒に針金も動くためにどうしてもどこかが引っかかるかもしれません。これは仕方ないことなのかもしれないですが、それでも人によっても感じ方や唇の動き方も違うので口の中の粘膜の触り具合が感じが人それぞれ違います。気になるようであればそれを申し出た方が良いと思います。それによって多少なりとも強弱が変わることもあるからです。

次に針金がどうしても唇の内側に触ってしまい、痛いということがあります。このような場合にはそこをブロックして覆うようなゴムのようなものや半透明色の粘土のようなものがあります。このようなプロテクターとなるブロックをつけて防ぐと言う方法があります。そしてこの使い方としては、どうしても痛い時だけそのブロックの粘土などを針金部分にくっつけて埋めるのです。これは自分でやります。どうしてか？それはずっとそれをつけておくわけではないからです。しゃべっていればその粘土は動いてしまうかもしれないし、歯磨きをしたり、食事をすれば取れてきたりするわけです。そして24時間ずっとその部分が痛いわけでもなく、どうしても気になる時だけにそれを使うと言うものなのです。むしろブロックが多ければ多いほど、お口の中としては、不衛生になる可能性があるので、ずっとつけておくと言うわけにもいかないのです。どうしても痛い時にだけそのブロックを使いそれ以外の時はつけないものなのです。慣れてしまえば、歯茎の粘膜のほうもさほど気にならなくなってきますので、慣れと言うものもありますから、気になるときにだけつけると言うやり方なのです。

次に全体的になんとなく締められて痛いと言う感じがあります。これもかなり個人差が多いです。痛み止めを出すこともあります。針金を一度いじってつけると毎度ジーンと痛くなると言う方がいます。このような方に特にアドバイスしていることとしては、しっかり歯を磨くようにと言うことを言っています。歯茎の状態が良ければあまり痛みが出ない可能性があるからです。また逆に歯磨きがおろそかであれば簡単に歯茎が炎症してしまい痛くなることもあります。また口呼吸をしていないかと言うことも重要です。口を開けて常に口の中に余計な酸素が取り込まれていると、歯茎は腫れやすく痛みの原因となります。口の中の歯茎と言うのは本来常に外気、空気、すなわち正確に言えば酸素なのですが、常に過飽和にさらされていると言う状態は本来の状態では無いのです。そのようなたくさんの酸素の影響受けるような口を開いている状態では、歯茎が腫れやすく、炎症が出やすいということが起きていますので、基本的には口を閉じて鼻で息をすると言うことが大事です。

また金具が取れてくるということがあります。これも歯をが動くとどうしてもズレが大きくなり、引っかかったり相手の歯にぶつかったり、様々な状況が起きて金具が外れてくることがあります。残念ながらこれも多少仕方のないことです。全く取れないようにつけると言う事は現実的には難しいです。ずれているものに対して歯を動かしていくので、理想的な場所に必ずしも金具がつかなくてずれているところに金具をつけていきますので、順調に動いて外れないこともあれば、早期に金具が亀甲しあって取れてしまうと言うこともあります。そのようなことを多少は試行錯誤しながら進んでいくものです。

このようなことを理解した上で、治療中にアドバイスをよく聞いてください。