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矯正治療の金具

矯正治療中に奥歯の金具が外れた

2024年9月29日

先日矯正治療中の患者様を治療しました。その際、この患者様は右下左下、奥歯に付けていた金具が外れてきたということで持ってきました。
このような器具が外れると言う事は、治療の初期段階ではよくあることです。
治療がスタートして、最初にどこに金具をつけるか、一般的には上下左右の奥にまずつけることが多いです。これは奥が重要な場所であり、力を受けるポイントでもあるからです。そしてこの際にすべての歯につけるのではなく、まず一部の奥歯だけにつけることが多いです。その理由としては最初からたくさんつけてしまうと結構痛いからです。最初のスタートの動き始めは少しずつ部分に分けて金具を増やしていきます。そうすることによって体を馴染ませ痛みを感じさせないと言う方法なのです。
今回この患者様は奥歯が外れてきたわけなのですが、このような外れてくる場合は10人に1人ほどはいます。特に下の奥が外れてくることが多いです。これはもう傾向としてわかっていることで、どうしても下の奥歯には斜めから直接力かかり、金具を破壊するような方向に力がかかってしまうわけです。ですが、あえてそこに金具をつけて、最初は慣れるための期間を設けているのです。そしてだんだんとこれは歯が動いたり慣れてくると外れにくくなりやがて安定します。
今回の患者さんの場合も、やはり奥歯にどうも強い力がかかっていたようでつけたばかりで、やはり特に気になるし、ついついそこに力がかかってしまっていたようです。その場所は、持ってきてもらった金具をもう一度再度調整してつけることとなりました。
矯正治療中に金具が当たったり外れたりするような事は様々な場所で起こりえます。このようなことが仕方なくて起こる場合もありますし、また本人がどうしても必要以上に触ったり刺激を与えたりと言うこともあります。無意識のうちにどうしても触ってしまったり、ついうっかり氷を噛んでしまったりなど、そのようなことで壊れてくることもあります。
特に子供の治療の場合、保護者の方はとても気になるかもしれません。治療の途中には様々な困難や壁が立ちはだかることがあります。それらを乗り越えていくことも1つ大切だと考えてください。理解してください。例えば、水泳を上手くなろうと思って、水泳の教室に通ったとします。その途中には練習でいろんなトラブルが待っています。足がつったり、腕がすごく痛くなったり、水を飲んでしまって苦しくなったり、熱が出たり様々な困難が訪れると思われます。変化して成長していくと言う事は様々な困難が起きる可能性があるのです。成長変化することが最大の目的であり、その過程の中では様々な成長痛もあるわけです。逆に全く苦しくない、苦労もない。そのような練習方法で上達するかと言うと、そのような事はないと思います。その階段を一歩一歩登って困難を乗り越えて、1つずつ上に上がっていくことが成長変化だと思い、単に子供自身の歯が良くなるだけではなく、矯正治療を通して人間としての成長がそこにあると言うことをぜひとも知っていて欲しいです。がんばってやり切ることに非常に価値があります。
ですので、私はいつもこのように思っています。何かあれば、とにかく誰かに文句を言えばいい、クレームを言えばいい、全て起きることを他人のせいにする。他人になんとかしろと言うような態度では、成長スピードはとても遅くなります。そうではなく、その状況を一緒に困難を乗り越えていくと言うあり方をあり方であって欲しいものです。共に頑張るということです。

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