インプラント直後の食事をどうしたらいいのか?このような話はよくある気になる話題かと思います。
流動食にする、飲み物だけにする、柔らかいものを気をつけて食べる、反対側の安全な場所だけで噛む、などと言う話があります。確かにそうです。人それぞれ状況によって違いますのでもう少し話を進めていきたいです。
インプラントの手術の直後はそのインプラントを入れた場所は歯茎が完全に閉じて縫ってある場合もありますし、そうではなくキャップが少しだけ歯茎の上に飛び出ているような状態で縫ってある場合もあります。現在の手術では後者の方が割合は多いです。
当院でも多くの場合後者の状況になります。このキャップが飛び出ているところを、積極的に噛んで行くと、それはインプラントにとっては良くないことです。ただこのキャップと言うのはそんなに大きいものではなく歯茎の上にほんの少し2ミリ程度飛び出ている程度のものであり、食事をしてそのキャップの上でしっかり噛むと言うことはできなくなっています。
ですが無理矢理噛もうとすれば噛めない事は無いわけです。相手の歯に当たっているわけではないので、確実に噛むことはできないのですが、多少の咀嚼の補助の役割ができる程度は、当たっていく可能性があるわけです。ですがインプラント手術をやった直後に、安静に確実に落ち着くまでは出来る限りここでは噛まない方が良いのです。
ではその期間はどれぐらいかといいますと、以前では数ヶ月と言われていましたが、現在の最新の様々な技術等を勘案しますと2週間まずは安静状態が確保できればかなり安全であるといえます。
これは初期固定と言う言葉があり、早期に骨や歯茎と安定した状態が確保できれば、その後はほぼ問題が起きない、その後は緩んでいかないと言う実験データがあり、それに基づいていくと、最初の2週間位を気をつけたいわけです。実際問題、多くの患者さんはやはり心配なのでそこで積極的に噛むようなことをする人はあまり見受けません。
ただやはりこれ治療がうまくいくと、多いことなのですが、あまり痛くないあまり腫れても来ないと言う状況で最初はおっかなびっくりしているのですが、だんだん安心して自分がインプラントの手術をしたことを忘れる位気楽になってしまうのです。そしてうっかり噛んでしまうということがあり得るわけです。そうすると余計な刺激が出てインプラントに無理な力の負荷がかかりインプラントのくっつきを壊してしまうことも可能性としてはあります。
またうっかりではなく無意識のうちに舌がその部分を押していると言うことをもあります。ただこれもやはり先ほど述べたように歯茎から飛び出ている部分は2ミリ程度ですのでいくらベロで押してもなかなか強い力はかからないのですが、その人のお口の中の状況によっては3ミリ4ミリと飛び出ているキャップになっている場合もあります。そのような状況になるとやはりを押されやすくなっているので充分な警戒が必要であることもあります。
またちなみにこのキャップを歯茎の上に2ミリほど出すような形でやる後者のパターンと言うことを書きましたが、前者の場合はキャップを出さずに全く食物と当たらないような状態にすることが可能なわけです。
ですがどうして後者のように出すような方法を選ぶのか?このどちらを選ぶのかと言うのは手術をするドクターが判断をしています。最初から予定で私は決めていますが、手術をしたときの骨の硬さや歯茎の状態様々な状況を鑑み最終決定を行っています。それで十分な安定感を得られると言う状況判断があれば、多くの場合はそうなのですが、歯茎の上に2ミリほどキャップを出すわけです。もしこれを当日にやらない場合は、もしくはやれない場合は、後日キャップだけのための治療が必要になるわけです。キャップを外に道を作って出すために麻酔をしてもう一度治療を行います。このキャップを出す治療はそんなに時間もかからず麻酔の量も少なく対して患者さんにとっては負荷のかからない治療ではありますが。2回やるということが回数が増えてしまうと言う点と、このステップをするために薬治療期間としては2週間から3週間ほど伸びると言うことが考えられるのです。
ですのでできる限り後者の方法を選べるような手術が出来るような戦略を最初から考えています。
最後にまとめますが、最初の二週間が大事です。