今最近のトレンドとして小児科の学会では、子供の無呼吸症に関しての話題があります。世界的に小児が夜寝ているときに、どのような状況になっているのかと言う研究が進んでいます。
さてあなたは無呼吸症候群と言う言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?これは一般的には大人、特に成人40代以上の男性に多いと言われたりしています。ですので、子供と一見関係がない話のように思うかもしれません。この無呼吸症候群の大変重要な問題はいくつかありまして、例えば有名なものでは、新幹線の運転手が突然寝ていて、大事故につながりかねないようなインシデントが起きたと言うことがありました。これは何もその運転手が前の日にお酒を飲んで、体調が悪いのにもかかわらず、出勤したと言うことでは無いのです、突然、呼吸が止まったりして意識がなくなってしまうような病気があるということが当時あまりよくわかっていなかったのです。
現在では無呼吸症候群という病気に関してはかなり有名になってきており、一般的な内科、整形外科、呼吸器内科などで対応が行われています。具体的にはその人の睡眠の質を測る簡易的な装置があり、それを体につけて夜一度寝てもらい計測すると言うものです。その機械をもう一度クリニックへ持っていき、それを分析するわけです。そうすると夜知らない間に呼吸を止まっている時間や回数がわかるわけです。それが一定以上ひどい場合には重度であると診断されます。
そのような場合には精密検査を行い、実際に入院施設のあるところでより精度の高い機械を体につけて、どのような睡眠になっているかを正確に測ります。その症状によって無呼吸症用のマウスピースを使ったり、場合によってはシーパップと言われる、酸素マスクのようなものを夜寝るときには常に毎日つけるようにと言うふうに主治医から指導があります。ちなみに無呼吸症のマウスピースは歯科医院で作るものです。当院でもいくつかいろんな方に作ってきていますが、これはこれで様々な問題が現状あります。
さて、話を戻しますが、子供の無呼吸症と言うものが、実はないと思われていたのですが、小児科学会では、そうではなく、それに近いことが子供たちの間でも、すでに小さい頃からその前駆体として起こっているということが警鐘されています。
すなわち、子供の睡眠の質が悪いということです。夜ぐっすり眠れていない。もう少し正確に言うと普段日中、口を開けて口で息をしている、鼻が詰まっている、夜寝るときに口を開けて寝る時間がとても多い、質の良い質問は睡眠は取れていない。ここで口を開けて寝ている事の問題点と無呼吸症の関係性に関して、子供でどのようなことが起きているのかをもう少し深掘りしていきたいと思います。
口を開けている子の場合、大抵の場合、舌の位置があまり良くない場所にあり、喉の奥のほうに下がっていると気道を狭くしてしまうのです。小さい頃から気道が狭いような状態になっている子が多いと言うことなのです。この舌の位置が良くないというのは、1つには母乳を飲んでいないまま人工乳で、哺乳瓶などで育ったために舌の正しい位置が習慣化されていない、また多くの大人が実際問題口呼吸しているシーンが多く、そのため子供もなんとなく口を開けて生活をしている。また周りの親も口を開けている、ぽかんとした姿がかわいいと言うふうにして賞賛して間違った状況が起きている。子供は、口を開けて口で息をしていて、舌の本来の位置にないため、気道がどんどん狭くなっている、気道が狭いために良質な睡眠は取れないと言うことです。
さらに実は気道と言うのは、子供の頃からよくそこに空気が通るような状況があれば、気道もそれなりに広がっていくのではないかと言うことが言われています。ですから、小さいうちから口を閉じる、舌が正しい位置にあると言うことができていれば、より良い気道の広さになり、将来において無呼吸症候群の予備軍にはならないで済むということなのです。
気道は拡大して成長していく可能性があるのです。子供の場合、命を落とすような無呼吸になる事は今のところ無いようですが、脳に充分な酸素がいってなく、それが発達障害の原因となり、脳の状態と密接な関係があると言う報告がなされています。すなわち、成長期において、どれだけしっかり酸素が脳にいっているかと言う事は重要です。