「大人でも矯正治療できるのですか」
昔は歯並びがよかったのに、ここ数年で、歯並びが悪くなってきた。出っ歯になってきた。どうしてですか?ということを40代、50代の大人の方からよく聞かれます。
前はきれいな歯並びだったのに、そうして歯並びが悪くなるのか。それにはいくつかのことが考えられます。
特に大人の場合は、子供とは理由が違います。
一つは親知らずの影響について、顎の奥の方に親知らずが埋まっていて、普段は気づかないのですが、少しずつ知らず知らずのうちに、他の歯を押していて、結果、歯が動いてしまうことがあります。
具体的には下の前歯が歪んできた、重なってきたなどが多く見うけられます。
また、歯周病でも歯が動くことがあります。歯周病になると、歯
最初のうちは自覚症状はありません。かなり年月が経ち、進行して初めておかしいことに気づくことが多いです。
この歯周病の結果、歯が出っ歯になるような方向に動いてしまいます。
歯周病により一度前歯が前に出てしまうと、歯周病が良くなっても、元の内側にはなかなか戻ってくれません。
出っ歯の状態が続きます。さらに、今までとても多くの治療をした人の場合、歯の噛み合わせが変化していくことも考えられます。このような人の場合は、歯に多くのかぶせ物が入っていることが多いです。
では大人でも矯正治療は可能かということですが、実は、子供と同じように大人も矯正治療することは可能です。具体的には針金を歯につけて歯を動かしていきます。
期間は? 人によってまちまちです。またやる内容(どの程度まで動かすのか。どの範囲をやるのか)によっても差は大きいです。一般的に1年半から5年ぐらいです。
また、矯正を用いずに治す場合がたまにあります。
それは気になっている歯が例えば、前歯4本だとします。
それらの4本がすべて既に治療してあり、かぶせ物がしてある場合です。
このような場合はかぶせ物を作り直して、バランス、見た目を改善します。
これは矯正で歯を移動したのと同等の見た目が得られます。
この方法は、針金をつけることはありません。期間は2~3ヶ月ほどとかなり短くなります。
最後にこれらの治療(矯正、かぶせ物)を受けた場合、長持ちさせる秘訣としては歯周病の予防です。
定期的なクリーニングを受けることです。