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なるほど診療室~ペコロス02 2009年3・4月号掲載

2009年3月1日

 

「歯並びから来る歯周病や虫歯に気をつけましょう」

 

歯並びと虫歯

冷たい水が歯にしみる、固いものを噛んでも何だか歯に力が入らない、最近、歯と歯の間が開いてきたような気がする・・・。それってひょっとしたら、虫歯や歯周病かもしれません。そしてその原因は歯並びにあることが多いということをご存知でしょうか。

実は日本人の約2/3が、不正咬合と言われています。自分では気がつかないかもしれませんが、多くの人が、歯並び、噛み合わせに問題を持っており、その結果、虫歯や歯周病になりやすい口の中となっているのです。

そこで私たち歯科医は、小学校などの検診でも、虫歯、歯周病、歯並びの3点に特に気を配っているのですが、大人になると、ついつい気がつかないままにしてしまい、気がついた時には、もうずいぶん病気が進んでいるということも珍しくありません。また、歯並びが悪いと、歯の病気だけではなく、肩こりや頭痛になりやすかったり、言葉がはっきり喋れない、口をあけて笑うことに自信が持てない、消化が悪くなりやすい、といった問題も引き起こしやすくなります。

そこで今回は、まず自分の歯並びをセルフチェックするところからはじめてみましょう。

 

セルフチェックをしてみよう

不正咬合と言われる歯並び、噛み合わせのタイプは、大きく分けて次の4つになります。ご自分やご家族が、これらに該当していないか、ぜひ一度チェックしてみてください。

 

1.受け口(反対咬合)…下の歯が、上の歯より前に出ている状態です。

2.出っ歯(上顎前突)…上の前歯が突き出て、下の歯を深く覆っている状態です。

3.開咬…咬みあわせたときに、上下の前歯の間が大きく開いている状態です。

4.乱杭歯(叢歯)…前歯が曲がっていたり、八重歯が飛び出ているなど、歯が前後に乱れて生えている状態です。

 

いかがですか?ここまで極端ではなくても、“もしかしたら”と思う点があるようでしたら、一日も早く歯科医師に相談することをお勧めいたします。

不正咬合は、大人になってもしっかりと治すことが可能です。もちろん子どものうちなら、より治しやすいので、早期の治療が大切なのです。

 

楽しい笑顔で、豊かな人生を

一生、自分の歯で健康に暮らしたい・・・そんな思いから生まれた8020運動というものがあります。これは、平成元年から厚生労働省と日本歯科医師会が始めた“80歳になっても20本以上自分の歯を保とう”というもの。実際80歳を超えて、20本以上自分の歯がある人は元気で暮らしていることが広く知られるようになっています。

では、そのために何をすればいいかと言うと、まずが普段から歯の手入れをしっかり行い、虫歯予防、歯周病予防に努めることです。さらには、その原因となりやすい歯並びを見直してみることも歯を元気に保つためのポイントのひとつ。

気がつきにくいけれど、私たちの健康に何よりも大きな関わりを持つのが「歯」。楽しい笑顔で豊かな人生を送るためにも、ぜひ、あなたの歯や歯並びを見直していただけたらと思います。

 

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