「バレンタインデーの後には歯磨きを!」
昨日は2月14日のバレンタインデーでした。そう、あの一年に一度のバレンタインデーでした。(当たり前ですが。)
みなさん、意中の人にチョコレートを渡すことはできたでしょうか。あるいは、この人からもらいたい!なんて方からプレゼントをゲットできたでしょうか?
現代社会において、バレンタインチョコは、もはや、ほとんどが義理チョコかもしれません。
しかし、当世の中でも、小さな恋心のくすぶる一日だったりします。
もしかしたらあの人に渡してさらには・・・なんて、心がちょっと緊張する一日でありたいものです。
かくいう私も、遠い昔々、バレンタインデーにチョコをもらった思い出があります。何十年も前の昔の物語です。しかし、不思議なぐらい覚えています。
それぐらいバレンタインデーのプレゼントは人の気持ちを揺さぶるインパクトがあるのでしょう。恐るべし、バレンタインデーです。
当時、私は、中学3年生、男子はみな丸坊主の時代です。受験シーズンだったかと思います。もう入学試験は終わったのか、そのところはよく記憶にはありませんが、受験生で、もう部活動がなかったことは確かです。
今まで、誰からも、そんなもの、もらったこともなく、また自分の中でチョコがもらえるなんてことは考えたこともなかったです。期待もしていませんでした。
おそらく、当時は、今と違って中学生ごときが頻繁にチョコのやりとりもしていなかったと思います。ですので、その当日、部活もなく、何も気にせずに、さっさと帰りました。だから、何ももらえませんでした。
ではなく、家に帰ってから(たぶんこの日は土曜日で、まっすぐ家に帰っていなくて、どこかによってから帰ったようです。)、玄関先で突然、親から、元気な声で「チョコレートが届いたよ!」「え、もう何冗談いってんの。」「本当だよ、女の子が2人で届けにきたよ。」と言われました。
そして、茶色い紙袋を渡されました。中を開けてみると、白い小さなメモ帳のような紙が、入っていました。2つ折りにされた紙を広げると「○○○より」と手紙が書いてありました。
私はそれを見た瞬間、ジーンと目頭が熱くなりました。そして2、3秒動くことができませんでした。
私は、すぐにその2人というもう一人が、きっとあの子で、強く強く、家までついて行ってあげるからと引っぱってきたんだろうと想像できました。○○○の想いはすごくよくわかりました。今でいうところの好きとかなんてものではないけど、この先きっとみんなバラバラな高校へと進学していく直前の3年生。最後の3学期を同じ班でいつもいろいろみんなで頑張ってきて、様々なことがあった。
担任に結構、私が出すぎて、嫌われていたけれど、よくフォローしてもらった。
そんな大変なようでいて、とっても楽しかった日々。それら複雑な心をうまく形に表してくれたんだなと思いました。とても嬉しかったです。
一方、どうして、直接受け取ってあげられなかったんだろう、と悔しく思いました。2人してきっと心細い思いで、家まで来たのに。袋だけ置いて帰っていったなんて。
もし、私にあったらどんなことを言うつもりか考えていたろうに。彼女は、この日、どれだけの勇気を持ってして、このプレゼントを用意して中学校へ登校し、一日を過ごして、帰りを待っていたんだろう。
何にもわかっていない鈍感な私は冷たくもあっという間に帰ってしまって、きっと、とても困ったことだろう。
私は袋の中をよく落ち着いて確かめるために自分の部屋へ行きました。
階段下から親は、「もうすぐ帰ってくるからちょっと待ってて」と引き止めたんだよ。「ごめんね、まだ帰ってきてないんだ。」と告げると、「渡して下さい」と逃げるように帰っていったと、教えてくれました。
私は中身をまじまじと見ながら、顔は笑みを浮かべ、そして目からは涙がこぼれていました。うれ
しくて内面から喜んでいるのに、相手の気持ちに答えられず、直接受け取れなかったこの一度きりの2月14日という日。その悔しさなのか、情けなさなのか、涙は勝手に流れていました。
小さな恋にしろ、感謝の心にしても思いを形にして相手にうまく伝えることってとてもすばらしいことですネ。
そして、最後にチョコレートといえば、むし歯です。これを語らずしてこのコーナーは終われません。
チョコと一緒にブラシをプレゼントする、そんなエチケットある日本文化の創造をお願いしたいです。みなさん頑張って下さい。