「かぶせ物を飲んだ?」
みなさん、こんにちは。暑い夏もようやく終わり、朝、夕は涼しく気持ちのよい日々かと思います。
夜外に出てみると、スズ虫の声も聴かれ、秋の訪れを感じます。
先日、ある日突然、夜遅くに高校時代の友人から携帯に電話がかかってきました。とても慌てた様子でした。
内容は友人の奥様が夕食中に、歯のかぶせ物がはずれてしまったようで、どうもそれを飲み込んだらしいというのです。
たぶん銀歯だと思う。大変なことになるのでは?と。
明日は日曜日だし、今から歯医者はやっていないし、どこか救急で病院に行った方がよいのか?
高校時代の友人は現在神奈川県に住んでおり、久しく会っていなかったのですが、こんな電話がかかってくるとは、昔ながらの彼らしい、奥様への優しさ、そして事にあたるにつけ迅速さを改めて思い出しました。
「奥さんは苦しがっていないか?」それを最初に友人に質問しました。
口の中に入っている銀のかぶせ物がはずれ、飲み込んでしまった場合、大抵は、食道を通って胃の中へ入っていくことが多いです。
しかし、たまに食道へいかず、気管の方へ入ってしまうことがあります。そうすると更には肺の方へ入ってしまって厄介なことになります。
気管、肺へ落ちこんでいくと、本人は苦しくて明らかにおかしいと感じます。
このような時は、早くに病院に行き、胸のレントゲン写真を撮ります。そして深くもぐり込んでいると、外科手術によって摘出することになります。
友人は、すぐに電話先で奥様に確認をして、
「全然そんなことはないよ。飲み込んだように思うけど、全く痛くもなかったそうだよ。」
「じゃあ多分、胃の中に入っていったんだと思うよ。胃の中に入っていく分には、まず問題ないと思うよ。
あと、一応念のため、どれぐらいの大きさの物がはずれたのかなあ?小さい一つぐらいのかぶせ物ならいいけど、3つ4つぐらいのつながった大きなかぶせ物だと、どこかに引っかかることもあるから。」
「口の中を見てみるよ。懐中電灯で照らしてみればいいよね。うーん、あー多分これだね。ここだけ段があってへこんでいるから。ここは一個だね。じゃあ一個です。どうですか?」
「そう、一個ね。まず大丈夫だと思うよ。普通に生活しててOKです。
けど、なんか調子悪いなと思ったら、油断しないで病院へ行ってね。その前に歯医者だけど。」
「この銀のかぶせ物ってやっぱ消化されるわけないし、いつか、便で、出てくるんだよね。」
「そうね、さがしてみる?まず見つからないと思うけど、君なら出来るかも。」
みなさんの中にも、こんな経験をしたことがある人いるのではないでしょうか?
普段飲食する際に、食べ物は気管に入ることがないように、食道を通っていくのが、人間の体の仕組みです。
ですので、食事中に起きたとしても大抵大丈夫なことが多いのですが、参考にしてみて下さい。
これから食の秋が待っています。楽しくおいしく食べたいものです。