「入れ歯ははずすな」
夜寝る時には入れ歯をはずしておやすみになって下さい。こういった話を今まで多くの方が聞いたことがあると思います。
夜寝る時は、アゴの土手も休憩するので、入れ歯をはずして寝た方がよい。
入れ歯を入れっぱなしにしてはずさないと、土手が悪くなる。
だから夜は、はずして寝て下さい。
本当にそうでしょうか。
実は最新の研究では、そうではありません。
夜寝る時は入れ歯ははめたまま、寝た方がよいということが段々わかってきています。
現在、高齢者年齢に達している人達の実に80%以上の方が入れ歯を使用中、もしくは使用したことがあるそうです。
多くの方が入れ歯を使っているわけです。
そしてその実情として入れ歯をはずして寝ている人がとても多いということも分かっています。
では入れ歯をはずして寝る時にどんなデメリットがあるのでしょうか?とても大きな危険が隠れています。
1.歯が何本か残っている場合、その残っている歯に、無理な力がかかり、歯を失いやすくなる。
少ない本数で寝ながら無意識のうちにギュッと噛みしめるために、歯がどんどんやられていきます。
場合によっては、歯にヒビが入ったり、折れたりすることもあります。
無理な振動で歯を押してしまい、歯周病も進行しやすいです。
2.咬み合わせがずれていく。
寝ている時には無意識のうちに咬む動きをしていますが、入れ歯がない状態で咬み続けるため、咬み合わせがずれていきます。
人によっては咬み合わせが低くなっていき、顔の長さが短くなり、いよいよ老人顔貌が進んでしまいます。
3.気道が狭く、酸素の取り込み量が減る。
入れ歯を入れていないために十分なアゴの高さ、動きが確保できないため、気道が狭くなり、寝ている間、酸素が十分に取り込めない状態におちいります。
体全体に十分な休憩をしてあげることができません。
人によっては無呼吸症候群にもなります。
最後に入れ歯を入れたまま寝るにあたっての注意点を述べます。
入れ歯があっていない、不具合があると、土手が余計痛くなってしまいます。
またプラスチック型の入れ歯は菌をお口の中で繁殖させる可能性があります。
肺炎などの病気にかかりやすいです。
その安全対策としては、入れ歯を十分に歯科医院で調整する、金属タイプの入れ歯に変える、入れ歯を銀イオンコーティングする、インプラント、ブリッジなど、入れ歯を使わない治療法を選択する。