「予防矯正と空腹」
こんにちは、暑くなってきました。汗をかいていますか?いつも空調の効いた快適な部屋で過ごしていて、ほとんど汗をかくことなんてない!という人もいるかもしれません。しかし、実は人間の健康にとって汗をかくことはとても大切なことです。
人間は適度なストレスを受け、それに対して体が反応していくのが正常な機能です。特に子供が、まったく汗をかかないような生活をしているとなると、それは、正しい成長発育の上で問題です。寒い、暑いといった適度なストレスは必要なのです。
さて、朝ご飯をたべない子供がいますが、時々小学校では朝食を食べているかアンケート調査しています。その結果は残念ながら朝食を食べてない子供が結構な割合でいます。そして食べない理由をアンケートで聞いてみると、起きるのが遅い、時間がない、食欲がない、などとなっています。こういったアンケートを分析して分かったことは、「空腹感」の問題です。実は子供の食事で困っていることのほとんどは「空腹感」がないということによります。食事の問題とは、朝ご飯を食べないこともありますし、好き嫌いが多い、ダラダラ食べる、しっかり噛まないで飲み込んでいる、などです。
先ほど冒頭で、汗をかかないという話に触れましたが、現代の子供には、「空腹感」というストレスがないのです。お腹が空いて、食べたいという欲求がなければ、それを満たそうということにはなりません。食育という言葉が最近では保育園、小学校あたりではよく使われていますが、どんなに栄養のあるものを与えるか、歯ごたえを考えた給食メニューを考案するのも大事ですが、「空腹感」を感じてもらう生活をしているかがとても大切です。お腹を空かせることは、一番の調味料です。
マズローの欲求5段階説というものがあります。その5つの欲求は➀生理的欲求②安全の欲求③社会的欲求④承認の欲求⑤自己実現の欲求の順となっており、ヒトは➀から⑤の順でこの欲求をかなえていこうとするというものです。➀の生理的欲求とは、生命維持のために食べたい、飲みたい、眠りたい等の根源的な欲求を指しています。子供が「空腹感」というストレスを感じ、その結果食事をすることは、欲求5段階説の➀生理的欲求を実現することになります。が、お腹を空かせた経験のない子供は➀の生理的欲求の実現がないということになります。ですので、小学生などが工作をして⑤自己実現の欲求の表現、達成は薄いものになるということです。