「歯の中の土台」
こんにちは、11月です。寒くなりました。風邪などひかずお元気にお過ごしですか?
今回は、歯の中の土台の話をしたいと思います。
虫歯などで歯を治療して被せていくのですが、実は被せる蓋をする前に歯の中に土台を作っていることがあります。
歯の虫歯が大きい場合は、単に被せるだけでは強度が足りません。
その為に、歯の真ん中あたりに土台作りを行っています。
みなさんの目にはあまり見えないところなのですが、とても大事な部分です。
この土台作りの為に治療回数が増えることも多々あります。
土台部分は以前は金属で作るのが一般的でした。
土台の為の歯形をとり、歯科技工士が作ります。
出来たものを歯科医師が、お口の中で合わせて歯にくっつけていきます。
最近ではこの土台が材料的に変わりつつあります。
①プラスチックと金属ピンの組合わせ ②プラスチックとファイバーピンの組み合わせ
①は今までの金属だけで作られていたものから、金属ピンだけにすることにより、金属の量を減らしています。
②のものは金属が全てなくなりました。
この様な変化には様々な理由があります。
今まで使われてきた金属の土台はとてもよいものなのですが、金属の材料費が高騰している為に保険診療ではあまり好まれなくなってきています。
そして、②のファイバーピンとは何でしょうか?
ファイバーとは日本語に訳すると繊維という意味です。
それは例えば、洋服やロープなどで、とても強度を求める場合に材質としてファイバー繊維が使われています。
これと同等のものです。
ファイバーの良さは、弾性があり折れにくいことです。
この利点を活かして、歯を長持ちさせる為に、ファイバーピンが使われ始めています。
ファイバーピンの現状の問題点としては、やや費用が高い場合があります。
ファイバーピンをどのような状況で使うかにもよりますが約500円~一万円くらいの差が出る可能性があります。
また、まだ新しい材料、システムということもあって、ファイバーの切断方法によるテクニカルエラーが起きやすいです。
歯科技工作業や治療の際のファイバー切断の甘さにより、ファイバーがうまく力を発揮出来ない為に治療して歯が取れてしまうことがあります。