入れ歯を使っている方は、時々入れ歯が痛いということで、歯科医院を訪れたりします。
そして患者さんにどこが痛いかと聞くと、例えば左下の奥の所の内側が擦れて痛い、などと返答が返ってきます。
この痛くなっている原因は一体何なのか?
患者さんが左の下の内側が擦れていると言うので、そこに原因があると考えるかもしれません。
そうなるとその擦れている部分を多少削ることになります。
入れ歯の縁の部分を多少削って当たりを緩めるわけです。
そうすると確かに痛みは軽減されます。
ですが、多くの場合、本質的な原因は噛み合わせにある場合が多いです。
噛み合わせとは上下の歯が当たっている部分のことです。
患者さんが痛いと言っている擦れている部分とは全く離れた場所となります。
ですが、その離れた場所で噛み合わせに問題があり、問題はそこで発生しているのです。
そしてその噛み合わせ部分が痛くなると言う事はあまりなく、結果としては粘膜が腫れたりしていくわけです。
ですので、噛み合わせの問題をアプローチしていかないと、根本的には解決しないということなのです。
痛みの原因の初発となっている、噛み合わせの部分をいじっていないために噛み合わせのズレの問題は解決していないので、またどこかが擦れて痛くなってくる可能性が高いです。
そうするとこれを繰り返していくとどういうことが起きるでしょうか?
どんどん削っていきますので、入れ歯の縁が小さくなっていくわけです。
入れ歯のピンク色の部分の支える部分と言うものは、ある程度の大きさが必要です。
ある程度の大きさがあるので、力を受け止めて踏ん張れるのですが、これがどんどん小さくなっていくとしっかりと力を受け止められないわけです。
そのようなもので毎日使って噛んでいれば、歯茎、骨が早く減っていく可能性も出てきます。
事実、どうもたくさん削られたなぁと言う入れ歯を見ることがあります。
こんなに小さい入れ歯を入れていたら、噛めば噛むほど、骨や歯茎が減っていくなぁと思うわけです。
そのようなことから噛み合わせを評価し、噛み合わせの調整を必ずチェックしていくこと行うことが重要となってきます。