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マウスピースの素材は何か?歯科治療と素材

2023年10月26日

治療の成果結果を出すためには、その歯科治療が、どのような素材で治療をしているのかと言うことがとても重要です。

素材と言うのはもう少し違う言葉で言えば材料です。

例えば矯正治療をする上でマウスピース矯正と言うものがありますが、マウスピース矯正とは透明なプラスチックのものを歯にはめ込んでは動かしていくタイプの装置です。このマウスピースは、今、現在の時点では、海外で作られているものが最も素材としては優れていると思われます。一方で、日本国内なんかでこれに似たようなものが作られています。素材は違います。良い素材を使えば0.1ミリ単位で歯を動かす計画を立てられますが、現状日本で作られているものでは0.25ミリ位が限界で、この技術力は3年はまだ差は埋まらないといわれています。

もし皆さんがそねマウスピースを見た際、ほぼ同じものに見えると思います。
もっと言えば、我々歯科医師がそれを見てもはっきりと判別がつかないほどわかりにくいです。
その素材が何で作られているのかを歯科技工所の方より情報を入手しなければわからないでしょう

今これはとても重要なことを言っています。歯を正確に動かす、それは歯科医師の診断も大切です、歯科医師の手がどのようにうまく上手に動くかなどの技術力も大切です、そしてもちろんその時に使っている素材が何か?その素材は、どのようにして工場で加工されているのか?このようなことが総合的に関係しています。

ですが、今回は特にその素材についてだけ深掘りしていきたいのです。それは先にも述べましたように素材を見ただけで、皆さんはもちろん、その違いは全くわからないですし、私たち歯科医師、専門家が見てもよくわかりにくいのですですから、信用のおける取引先である歯科技工所等と確実に確認ができるかと言うことになるわけです。私は矯正治療において、本格的に歯を動かす場合は、費用が高くても海外のマウスピースを使います。それはやはりそれが現状最も優れた材料であり、それが2番手、3番手の材料ではまだ不十分であると感じるからです。もっと言えば明らかに差があると言うことです。多分、けどこれ患者さんにはわからないです。

この原材料問題や加工問題ですが、特許の関係もあり、特許が切れると、日本や韓国、中国など様々な国でもそれを利用したものが出てくると思われます。そうすると同程度の成果のあるものが多少安く手に入ることも考えられます。

このような事はよく私はその業者に何度となく質問しています。どうしてこちらの方が高いのか、その技術的な差は一体何なのか、材料にはどのような差があるのか、どのような工程で加工をしているのか、そういうことをとことん聞くと、自信のあるメーカーはやはり何がどのように違うかと言うことを正確に答えてきます。そして2番手以降の業者もよくよく聞いてみると、どこに多少誤差があると言うことを正直に言ってきます。そしてそれが実際に臨床的に問題になるのか、治療の結果に差になるのかを、歯科医師は十分に吟味するわけです、そして、そこに患者様の臨床的成果に置いて差があると判断した場合は、どちらを選択すべきかを冷静に決めていくわけです。すなわち、費用で決めているわけではないと言うことです。もちろん、安価でも成果が出るのであれば、それを選択するのはアリだと思います。

別の例でいいますと、ジェネリックの薬がありますが特許が切れて後から作られる薬品が安いのであれば、同じものであれば、それでも同程度の効果が得られると言うことであれば良いかと思います。しかし、一部の医師によれば、ジェネリックではなく、本家本元を使わないと差があるということを言われる方も何人か出会いました。ほんの少しの工程作業の違いそれでも臨床的には差があるから信用しないと言うことでした。それもその先生、その先生のこだわりだと思います。

歯並び、開口について

2023年10月22日

歯並びで、開口と言う状態はどのような状態でしょうか?

それは簡単に言うと本人は口を閉じているつもりなんだけれども、上下の歯があまり当たらず、前歯のところに隙間があると言うような状態です。前歯のところに空間があります。うどんやそばを前歯でかみ切ろうとしてもちょっと難しいです。

このような状態の患者様を治療をする際に、歯並びをきれいに揃えるのは、実は難しいと言うふうに矯正学的には言われていることがあります。

この状態を治すには何が大事か?それは、単に歯の位置の問題だけではなく、舌の位置、動きや、口の周りの筋肉が関係しています。

もし、あなたが毎日ずっと舌を前歯の間に挟んでいたとします。そうするといくら矯正で針金や様々な装置を使って歯を動かそうとしても、常に舌がそこにあるためにうまく歯は動きませんよね。舌の位置がおかしい限り、歯並びはきれいにならないのです。あるいは舌をいつも癖で常に間に挟んだりする動きをしていればうまくいきません。

ではその動きとはどんな時か?それは実は飲み込む時です。嚥下といいます。人はご飯を食べたり、水を飲んだりするときに飲み込みをしています。嚥下運動をしていると言うことです。ですが、それ以外にも1日に2000回唾を飲み込んでいると言われています。この無意識のうちに何度も飲んでいる唾の飲み込み運動、この運動では舌の動きは欠かせません。舌が上顎について陰圧になって、ご飯を飲み込んだり、お水を飲み込んだり、唾を飲み込んだりしているのです。無意識のうちに1日2000回も舌が、前歯と前歯の間に挟まれていたらどうでしょうか?2000回も突き上げを食っているんです。そうしたら端の位置はおかしい位置になるし、隙間もできてしまいますよね。そして一生懸命直そうとしても、なかなか針金の力に逆らってベロが押してしまうために良い位置にいまいち揃わないわけです。正しい嚥下運動を行っている場合、舌は前歯と前歯の間には入っていません。ですが、間違った嚥下運動をしている人は、前歯と前歯の間や奥歯の間に舌が入り込んでいています。

ですので、矯正治療を行う上で、舌の運動や舌の位置のトレーニング指導をしっかりやっていくことが重要であり不可欠なのです。

特に子供の場合、マイオブレースのようなマウスピースをしっかりやることです。すなわちお口の周りの口腔周囲筋のトレーニングです。6歳くらいから2年しっかり指導を受ければ、針金などしないで終わっている子もたくさんいます。

ちなみにですが、その結果をだすためにはオトナはそれを相当やる必要があります。しっかりとです。相当やる必要があります。

患者さんやその保護者の方はよく歯医者に行けば歯が良くなるのではないか、矯正治療を受けているのだから、金具をつけているのだから、装置をつけているのだから良くなるのであろうと思っている人もいますが、例えば塾に入れば必ず成績が上がるのか、習い事をすれば必ず身に付くのか。どうでしょうかそうではなくてそこにいて、かつコーチ何かのアドバイス、先生のアドバイスをしっかり聞いた上で当然、普段からの努力があり、そして成果がでると言うことだと思います。

大人の場合は、マイオブレースの治療だけでは、必ずしもそんなに良くはならないです。やはりどうしても針金やマウスピース等の歯を直接動かす器具を装着してやっていく必要があり、なおかつ、舌や口の周りの筋肉の運動のトレーニングをしていくと言うことなのです。

このように開口の場合は、単に装置が治していると言うよりも、トレーニングをしっかり本当に理解して、その必要性を感じてもらい、行動したかどうかが最終的な結果に大きく影響与えているため、歯科医師の単なる技術だけで治っているわけではないと言うことなのです。ですから難しいのです。

Teeth brace in the white background, 3d rendering. Computer digital drawing.

ワイヤー矯正とマイオブレース併用

2023年10月19日

針金の矯正をする際に、+ αでマイオブレース・アクティビティーズを併用する方法があります。これは針金が付いているにもかかわらず、その針金がついた上から直接的にマウスピースが入るのです。

一般的に皆さんにはイメージがしにくいかと思います。そしてこの方法は、何もすべての患者さんに行う方法ではありません。どうしても問題がある場合にだけごく1部の患者さんに行われる方法だと思ってください。どのような人に行うのか?それは針金をつけているにもかかわらず、なかなか歯が動かず、成果が出ない人です。そしてその成果の出ない理由は大体わかっていて、舌が正しい位置にいない、顎の筋肉の使い方がおかしい、呼吸の方法が間違っている、腹式呼吸ができないなどです。

針金をつければ大抵の場合は、その針金の力によってある一定の位置までは動きます。しかし、より正しい位置に安定する、もしくは針金を外していてもより良い安定した位置でずっとキープできていると言うことが起きるかどうか?それはその人の口の周りの筋肉の使い方や呼吸の仕方、先ほど述べたような舌の位置などに実は大きく依存しています。これらの口の周りの筋肉や普段の呼吸の仕方がおかしい場合には、実はなかなか良い位置では安定せず、針金をつけていても結果が出ないのです。そのような特殊な場合としての対応策です。

小学校6年生以降で2期治療をしている場合に矯正で針金をつけていると言う事歯よくあります。これはインビザラインのような針金代替の治療を選択した場合も同様です。

この針金をつけている状態で、なかなか十分にはが並ばない成果が出ないと言う子供がいますが、実は大人でもそういう事はあります。むしろオトナの場合、特に厄介です、それは大抵の場合、お口の周りの口腔周囲、筋の動きが間違っているクセの期間が長い人が多いのです、特に舌の力、飲み込みが関係していることが多いです。舌が下の方を押している、舌が歯と歯の間に噛まれている、そのような状況で、舌は大きな筋肉であり、その筋肉が常に歯に対し、間違った方向に力を加えているためにどうしてもいまいち歯並びがきれいにならないのです。また、噛み合わせ、顎の位置も間違った位置になっていく原因です。

実際には多くの患者さんは針金をつけることによってある一定以上の、パーセンテージで言えば80%位それぐらいの、人がほぼほぼは正しい位置に歯が移動していきます。しかし何年たっても具体的には2年とかですが、歯がきちっと動かない、イマイチな場合を見受けます。そのような場合は、そこで針金をつけながらマイオブレースのマウスピースをつけながらの治療を行います。針金をつけてなおかつ、ボクシングのマウスピースのようなものを口の中に入れておうちでは過ごしていただき、夜寝るときにはそれを入れていると言うような状況になるわけです。なんだか装置だらけだと思いますが、それぐらいに2期治療、大人になってからの治療に関して、筋肉の力、動きが原因であり、様々なことが問題として起きてしまうと言うことなのです。

Beautiful smile and white teeth of a young woman.

矯正治療とマウスピース矯正

2023年6月29日

先日親子で矯正治療を受けたいと相談された方がいました。

娘さんはワイヤーをつけるのはどうしても嫌で自分は絶対にマウスピースがいいとおっしゃられていました。一方お母さんのほうは食事の準備などいろいろあるし取り外しよりも針金をつけていたほうが楽だと思うから私はそっちがいいと。

インビザライン矯正(マウスピース矯正)とは

インビザライン矯正と言うものがあります、あなたは聞いたことがあるでしょうか?

マウスピース矯正の1種で半透明色のマウスピースをはめて歯を動かしていく方法です。マウスピース矯正は様々なタイプがあり、そのうちの1つがインビザラインと言う名前です。

この矯正方法は今までの針金を用いる矯正方法と違い、基本的にはお口の中に針金をつけたりをしないで歯を移動させていきます。そうなると今まで針金をつけることがとても嫌だなぁと思ったり、針金が付いていて歯磨きがとても難しいと感じたり、あるいは歯磨きが不十分で金具や矯正器具のキワか何かが虫歯になってしまったり、歯周病になったりなど、そのような点を考えると、有利かもしれません。

そして何よりこのマウスピース矯正を選ばれる方の最大のポイントは半透明色でそれをはめてみても一見他人から見てあまり目立たない、すなわち見た目です。中学生など針金をつけていることを他人に見られたくない、自分はそんなにを気にしていないがもしかしたら人から見てどう思われるのかとても不安である、どうしても気になってしまう、など様々な心理的な理由で針金をつけずにできればマウスピースでできるならそうしたいと言う人が結構いたりするものです。

インビザライン矯正(マウスピース矯正)のデメリット

このマウスピース矯正の最大の特徴の1つは目立たないと言う事なのですが、もちろん弱点もあります。少しそれに触れたいと思います。

今から言う事はとても当たり前のことなのですが、その当たり前のことが実際想像がつかない方が結構いたりするので、よくそれを充分理解した上でマウスピース矯正を選ぶべきです。

毎日20時間以上、装着しなければならない

マウスピース矯正はマウスピースをはめていなければ歯は動きません。マウスピースは1日24時間のうち20時間以上は必ずはめている事ではじめて歯が動くとされるという矯正方法です。1日のうちほとんどでマウスピースをはめていると言うことです。仕事があれば会社に行ってもはめている、学校に行くのであれば学校でもずっとはめている。

逆にどんな時に外して良いのか、それは歯磨きをする時とご飯を食べる時です。そうすると1日のうちに歯磨きの時間とご飯の時間がどれぐらいあるかと言うことになりますが多分通常の生活を送っているのであればそれはせいぜい2時間の範囲内ではないでしょうか。そうすると24時間のうち22時間はマウスピースをはめていられるはずです。

そう考えると必ず20時間以上はめている事はできそうなのですが、それでも人間ですので、なんとなく外していたとか、油断してはめるのを忘れていたとかいろんなことが起きるわけです。そうすると歯は予定通りには動かなくてイマイチの結果になってしまいます。

細長い小さいスティックを1日5分程度噛む必要がある

マウスピースを馴染ませるために細長い小さいスティックを噛む、時間にして1日5分程度なのですが、毎日繰り返すと言う時間があります。これは夜とかに家で5分ほどそのスティックを噛んでもらいマウスピースを十分に馴染ませることを繰り返し行っていきます。

もしこれをやっていないとマウスピースのはまりがいまいちで、なんとなくずれていき、1ヵ月2ヶ月と経てばやがて大きなズレになっていくわけです。そうすると予定通りには動かず残念な結果になってしまいます。

このスティックを噛むと言う作業はそんなに難しいことでは無いのですが、逆に簡単だからこそサボってしまってはとても残念な結果になるのです。毎日5分、これを仮にまとめて1ヵ月分をまとめてある日24時間ずっと噛んでたよという日が1日あったとしても、それでは全く意味がありません。毎日コツコツと続ける事が大事なんです。

繰り返しいます、とても簡単なことです、誰でもできるでしょう。やれと言われれば、ほとんど誰でもできるのですが、簡単だからこそついつい「まぁいいか」と思って明日にまた伸ばし明日に伸ばし、そしてついに1週間やっていなかった、1週間も経つと0.2ミリほどマウスピースの入りが悪くなっていてちょっとずれているかもしれない、どうしようということがやがては大きな誤算になっていきます。

まとめ

このマウスピース矯正は大人の方が自分でお金を払って受ける場合には割合真面目に入れていることが多いですが、子供の場合は親にやれと言われてやっている子もいるので、そうなると成果がいまいちな場合もあったりもします。また少数ですが大人でも真面目に入れてなくてなんとなくで終わってしまったと言う人もいます。

矯正治療はアメリカやヨーロッパなどの製品や技術を利用していることが多く、とてもそもそもが高額なシステムです。ですので必ず自分のためにしっかりやるんだと言うことを充分決意の上受けることをお勧めします。

ホームニュース202012上旬

知多ホームニュース・令和2年12月上旬号掲載

2020年12月1日

「マウスピース矯正」

 

Mさん(13才)のお母さんより

「こんなに歯が出っ歯になってしまいました。

インビザライン矯正でマウスピースだけで治るのでしょうか?

後でやりなおしではり金を付けることになりますか?」

 

「装置をしっかりはめて使っていれば問題なく良くなっていきます。

それ以外に大切なことは鼻呼吸です。

口を開けていつも息をしていたり舌が下がった位置にあると、どの装置を使ってもよい結果とはなりません。」