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インプラント手術治療の直後における注意点について

2023年8月13日

こんにちは、先日インプラント治療を終えてその直後に、患者さんにいつも治療後に説明しているのですが、その時、様々な質問があり患者様から、とても重要な内容を含んでいるかと思いますので皆さんと共有したいです。

私は、インプラントの埋入手術が終わった直後に患者さんに直接、プリントを用いて、術後の注意事項に関して説明しています。

その中でタバコを吸わないようにと言うことが書いてあります。ちなみにこのタバコを吸わないと言うことに関しては、術前のインプラントをやるかやらないかと言う段階から既にタバコを吸っていますか?タバコを吸っているとインプラントには影響が出ますよ、さらに自分の普通の歯にも影響が出ます、自分の歯自体を歯周病など進行させる可能性があり禁煙をしたほうがいいですよ。と言う話をもちろんしています。

さて話は戻りますが、普段その方はほとんどタバコを吸う事は無いのだが、お酒を飲むとその時に4.5本吸っていると言うことを話されたのです。本人の自覚としては普段ほとんど吸っていないのだからタバコを吸っていないと言うことで問題ないであろうと思っていたらしいのです。で、このお酒を飲む機会も週に2、3回ある時もあれば全く飲む機会がないと言うこともあり、かなりまちまちだと言うことなのです。

お酒を飲むこと自体はさほどインプラントに影響与えると言う事はありません。手術直後にお酒を飲んだらどうか?これはお酒自体がインプラントに何か影響を与えると言う事は無いのですが、一般的にお酒をたくさん飲めば血流が良くなり出血がしやすくなったり、人によっては痛みをより強く感じる、あるいは酔っ払ってしまいインプラントのところを知らない間に触っていた、などと言う不足のトラブルを避けるために、お酒は当日飲まないでください、と言うことを伝えてます。そして次の日はどうかといいますと、まぁほぼ同様で飲んだからといって悪い影響が出るわけではありません。ですが安全を期してたくさんは飲まないでねと言うことなのです。

そしてタバコに関しては、4本5本であったとしても禁煙をぜひともしてほしいです。せっかく入れたインプラントが長持ちするのか、早期に脱落してしまうかもしれない、と言う差があるのです。
ここで、どうしても患者さんにしてみれば気になることが、多少なら大丈夫なんじゃないか? 1日に3本なら大丈夫なんじゃないか? 1週間にいっぺんぐらいだったら大丈夫なんじゃないか?と言うような感覚を持っている方が多いようですが、もう今日から禁煙してください。全身の為にも良いですし、何より自分の大切な歯をもうこれ以上失うのは寂しいです。ぜひとも一緒に頑張りましょう。

またインプラントの治療をする直前には必ず禁煙してくださいと言う事は念押しして言っています。で、そうすると患者さんはやっぱり頑張るわけですね、皆さん。この機会にせっかくだから頑張って禁煙して自分の歯を守っていきたいし、内科の先生にもそうしろとずいぶん言われてきたから、この際頑張ろうと、なっている方が多いです。ですがインプラントの手術が終わると最初は痛かったり腫れたりするんじゃないかと心配して、禁煙をがんばっています。

ですがインプラントの手術が十分にうまくいくとほとんど痛くないのです、実は。そうすると患者さんは思ったよりも全然痛くないし腫れなかった、よかった。そして人によっては油断してしまい2週間ぐらい経って縫ったところの糸を取った日以降、タバコを知らない間に吸っていると言う方が過去にいました。そして確かに数本であればその時には一見、影響が出ているような感じにはならないのです。だからこそ怖いのです。影響がはっきりと目に見えない、また痛みも出ない、だからこそちょっとぐらいなら吸ってもまぁいいかとなり、リスが数年後例えば5年後被せたところがなんとなく緩くなったり、歯茎が腫れやすくなったりと、このようなことが起きている人を見ます。もったいないです。

ですので、どうか私たち一緒に頑張りましょう!

woman dentist take implant tooth and touch tooth on the blue background

インプラント手術直後の注意点、食事に関して

2023年8月10日

インプラント直後の食事をどうしたらいいのか?このような話はよくある気になる話題かと思います。

流動食にする、飲み物だけにする、柔らかいものを気をつけて食べる、反対側の安全な場所だけで噛む、などと言う話があります。確かにそうです。人それぞれ状況によって違いますのでもう少し話を進めていきたいです。

インプラントの手術の直後はそのインプラントを入れた場所は歯茎が完全に閉じて縫ってある場合もありますし、そうではなくキャップが少しだけ歯茎の上に飛び出ているような状態で縫ってある場合もあります。現在の手術では後者の方が割合は多いです。

当院でも多くの場合後者の状況になります。このキャップが飛び出ているところを、積極的に噛んで行くと、それはインプラントにとっては良くないことです。ただこのキャップと言うのはそんなに大きいものではなく歯茎の上にほんの少し2ミリ程度飛び出ている程度のものであり、食事をしてそのキャップの上でしっかり噛むと言うことはできなくなっています。

ですが無理矢理噛もうとすれば噛めない事は無いわけです。相手の歯に当たっているわけではないので、確実に噛むことはできないのですが、多少の咀嚼の補助の役割ができる程度は、当たっていく可能性があるわけです。ですがインプラント手術をやった直後に、安静に確実に落ち着くまでは出来る限りここでは噛まない方が良いのです。

ではその期間はどれぐらいかといいますと、以前では数ヶ月と言われていましたが、現在の最新の様々な技術等を勘案しますと2週間まずは安静状態が確保できればかなり安全であるといえます。

これは初期固定と言う言葉があり、早期に骨や歯茎と安定した状態が確保できれば、その後はほぼ問題が起きない、その後は緩んでいかないと言う実験データがあり、それに基づいていくと、最初の2週間位を気をつけたいわけです。実際問題、多くの患者さんはやはり心配なのでそこで積極的に噛むようなことをする人はあまり見受けません。

ただやはりこれ治療がうまくいくと、多いことなのですが、あまり痛くないあまり腫れても来ないと言う状況で最初はおっかなびっくりしているのですが、だんだん安心して自分がインプラントの手術をしたことを忘れる位気楽になってしまうのです。そしてうっかり噛んでしまうということがあり得るわけです。そうすると余計な刺激が出てインプラントに無理な力の負荷がかかりインプラントのくっつきを壊してしまうことも可能性としてはあります。

またうっかりではなく無意識のうちに舌がその部分を押していると言うことをもあります。ただこれもやはり先ほど述べたように歯茎から飛び出ている部分は2ミリ程度ですのでいくらベロで押してもなかなか強い力はかからないのですが、その人のお口の中の状況によっては3ミリ4ミリと飛び出ているキャップになっている場合もあります。そのような状況になるとやはりを押されやすくなっているので充分な警戒が必要であることもあります。

またちなみにこのキャップを歯茎の上に2ミリほど出すような形でやる後者のパターンと言うことを書きましたが、前者の場合はキャップを出さずに全く食物と当たらないような状態にすることが可能なわけです。

ですがどうして後者のように出すような方法を選ぶのか?このどちらを選ぶのかと言うのは手術をするドクターが判断をしています。最初から予定で私は決めていますが、手術をしたときの骨の硬さや歯茎の状態様々な状況を鑑み最終決定を行っています。それで十分な安定感を得られると言う状況判断があれば、多くの場合はそうなのですが、歯茎の上に2ミリほどキャップを出すわけです。もしこれを当日にやらない場合は、もしくはやれない場合は、後日キャップだけのための治療が必要になるわけです。キャップを外に道を作って出すために麻酔をしてもう一度治療を行います。このキャップを出す治療はそんなに時間もかからず麻酔の量も少なく対して患者さんにとっては負荷のかからない治療ではありますが。2回やるということが回数が増えてしまうと言う点と、このステップをするために薬治療期間としては2週間から3週間ほど伸びると言うことが考えられるのです。

ですのでできる限り後者の方法を選べるような手術が出来るような戦略を最初から考えています。

最後にまとめますが、最初の二週間が大事です。

Young woman with implanted teeth on color background, closeup

インプラント手術直後の出血に関して

2023年8月6日

こんにちは、インプラント手術治療直後に出血はどの程度するのか?気になる方も多いと思います。先日多少出血したために問い合わせがあった人がありました。このことに関して少しお話をしたいと思います。

まず、手術直後に出血が全く止まらないと言う事はないです。十分に血が止まっているかを確認した上でその日の治療が終わりますので。でそうすると私が見ている範囲では、直後はほぼ完全に止まっている場合の人と、若干だけどにじんでいるかなと言うレベル位です。そして多くの患者さんはその多少にじんでいたとしても当日翌日ぐらいまでが違和感を感じる範囲です。それ以降はほぼ全く気にならないと言う方がほとんどです。

ですが先日、手術2日ほど経ってから血が止まらないような気がする、口から血の塊が出てきたと言う問い合わせの電話があり、患者さんに来てもらいました。そしてお口の中を見てみると、実際に血の塊が約1センチほどの円形上にあり、ここをうがいしたりすれば血がにじんできてとても気になるような状態でした。

これは実は、インプラント手術部位の周りを縫ってあるのですが、その糸をどうやら何らかの拍子に、歯磨きなどで強く引っ掛けてしまってちぎってしまったか、あるいは食事などで硬いものがたまたまそばに当たってしまったか、寝ている間に無意識に気になって触って引っ掻いてしまったか、と言うような状況が考えられました。そしてその血の塊、血餅と言いますが、それを除去していくと、歯茎の際から若干出血がにじんできます。ですのでガーゼで新たに歯茎を抑え止血を行いました。

この患者さんの場合はガーゼで抑えるだけで30分ほどでほぼ異常のない状態になりました。念のためさらに30分綿を待合室で噛んでもらい、もう一度確認しましたが、特に問題はなかったです。そして1週間後の治療の約束の時に状況をもう一度確認しましたが、その後は全く問題なかったとの事でした。本人曰く歯ブラシを強く当ててしまったかもしれないとの事でした。インプラントは壊れていませんか?と患者様から質問がありましたが、歯茎を何らかの形で傷つけて出血させただけでインプラントを壊して脱落してしまうようなつよい刺激を与えていると言うような状況はなく、当初の予定通りの場所にインプラントはあり安静状態であり歯茎や骨にくっついていくのを待つと言う状況でした。

または中にはなかなか血が止まらない人が稀ですがいます。このような場合には止血の薬を滲ませたガーゼを噛んでもらいます。親知らずを抜いた後に血がなかなか止まらないと言う方もたまにいます。そのような方にでも同じような止血効果のある薬をガーゼに含ませて噛んでもらうことがあります。そうすると一般的に10分から20分も噛んでいればほぼ止まる人が多いです。安全のため30分から1時間位噛んでもらうこともあります。そうするとほぼ正常な状態になっています。人によっては心配ですのでさらにご自身でおうちでも綿を噛んでもらったりすることもあります。

なお、患者さんによっては内科等で血液の流れを良くする血液サラサラのお薬、例えばワーファリン等を飲んでいる方もいます。あるいは心臓等に既往があり血管がつまらないようにするために抗凝固剤を飲んでいる方もいます。このような場合、外科的な処置を行うと一般の方よりも血が止まりにくいと言う話もあります。

以前にはこのような方はその抗凝固剤等の薬を飲むことを1週間ほど中止した上で手術を行うと言うのが一般的でした。しかし現在ではほとんどの場合、この抗凝固剤を休薬する事はありません。それを飲んだまま外科処置が行われ、その際に十分な縫合糸で縫う処置がしっかりしているか、またワタをしっかり噛むなどで対応して充分であると言うことが言われています。実際当院でもそのように対応していますし、内科の先生などもそれを推奨していることが多いです。

ですが万が一出血の量が多い場合はその時に対応が可能ですので相談してください。

インプラント治療直後に顔に黄疸が出る人

2023年8月3日

こんにちは、先日インプラントの治療の直後に手術部位の側の顔の表面に若干黄色っぽい色が出る人がいました。この患者さん曰く、自分は以前から大きな治療を受けて歯を抜いたりインプラントをしたりするとこのような色が一時的に出るようですとおっしゃっていました。

このように治療直後に、あるいは大体次の日位から1週間ほどの間ですが顔や口の周り手術の近くあたりで黄色っぽい色だったり茶色っぽい色だったり様々な色のまだら模様が出る場合があります、そして特に痛みがあるわけでは無いです、腫れてもいません。自然と消えていきます。このようなことが起きることがあります。

これは治療の際に内出血をしていて、その血が周りに巡っていることが考えられます。そしてこのようなことが起きるのはその人の個体差によって傾向があるように見受けます。すなわち以前もなったと言う人は次も大きな治療をするとそのようなことが起きる可能性があると言うことです。

このようなことがあると患者さんによっては、インプラントをすると怖いから、親知らずを抜くと怖いから、と言って次回からはもうちょっとやめておきます。と言う方もいます。実際自分の顔にちょっと黄色っぽい色が肌の表面に出ていればびっくりしますよね。ただこれは一時的な内出血ですのでその血が引いてしまえばどって事は無いのです。ですからそれを十分に理解する必要があります。またこれは多くの場合に出ると言うよりはかなり少ないです。

では、インプラントにこれが影響与えているのか?といいますとそれは特段問題はありません。インプラントの場所で何か異常が起きたために起きていることではありませんので、インプラントの治療は通常通りに終わっており安静にしていればインプラントは着実に骨、歯茎にくっついていきます。ただご本人としてはこの色が消えていくのを1週間ほどは待っていただくと言うことです。

その際特につよい痛みが出るとか言う事は無いので通常の医院から処方する抗生剤を飲んでもらうこと、場合によっては痛み止めを飲むこととなりいつもの通常の対応をしています。また患者様に伝えていることとして、これはどの人にも全員に伝えていることなのですが、インプラントをやった箇所のそばを手で触ることのないように、大丈夫かなぁと思っていつまでも一生懸命触っていると言うような事は良くないことです。また氷で冷やしたりしたら早く治るんじゃないか?と言うような行為もしないでください。触らずに何もしないで放っておくのが1番早く安静状態になります。と言うことを伝えています。

一般的に薬局などで冷えピタなど湿布のようなものが売られています。これをいろんなとこに貼って利用するわけですが、インプラント治療に関して言えば、この湿布を治療直後に貼ると言うような事はする必要はありません。もっと言うとやめてくださいと言うことです。

多少話は変わるかもしれませんが、患者さんによってはとにかく丁寧にきれいに万全を期そうとしてやりすぎてしまうことがあるのです。その例として以前コロナが流行っていた時期、マスコミにてイソジンによるうがいをしっかりすると良いと言うようなことがなんとなく報道されていました。どのような使い方をするとかどのような場合にやることが良くて、逆にどのような場合にはやるとまずいと言う事まで正確に伝えているわけでは無いのです。ですがなんとなくテレビから流れるニュースで報道されているために、視聴者の皆さんは、それを見ると、あー、イソジンがいいんだとなり、濃い濃度もしかしたら原液の濃度で一生懸命うがいをしてしまい、むしろ体を痛めてしまうと言うことが起きていたように思います。

私がこのようにホームページやコラムで情報発信をし皆さんと一緒に考え共有していくのには大きな役割があります。どうしても映像等の情報と言うのはなんとなく見ていてその1部を切り取って理解してしまっていると言う危険性があるのです。文章のホームページでもやはり1部の行だけを切り取って理解してしまうと、大きな誤解になりかねません。ですから1つの意見としては理解して、自分の場合はどうなのかと言う事は落ち着いて考えてみる必要があります。

世の中で流行っているものが1番良いものであるかどうか、世の中で1番目立っているものが最も優れたものであるかどうか?これは何とも言えないと思います。また全く流行っていない、目立ってもいない、けどとても価値の高いもの、内容の濃いもの、素晴らしいものもあったりすると思います。

This cute girl is getting ready for her regular dental appointment at the dentist's office checkup.pediatric medical care concept.

子供の矯正治療と費用

2023年7月23日

先日患者様から矯正の費用に関しての質問がありました。

子供の矯正費用に関して小学校1年生から3年生位の2年間で行う筋肉のトレーニングを用いたマイオブレース矯正、筋機能療法、シリコンのゴムのようなものを用いて筋肉の姿勢のバランスを直す方法のことです。この矯正方法は器具を使ってぐいぐいと歯を押すというよりは、自らの本来の持っている筋肉の動き、舌の筋肉の動きなどを正常化させて正しい生理的な自然な本来DNAの設計図通りの位置に歯が生え上がっていき動くようにとする、とても画期的な治療法で、小学校低学年のある一時期の成長期を利用すると成功すると言われているものです。

当院でもしこの治療を2年間行うと約400,000円弱の費用がかかります。このマイオブレースと言う筋機能療法は東京などの関東では特によく行われている治療法ですが、この正確な治療プログラムに基づいた指導療法を行っている医院はまだ少ないです。またこの治療を行うと費用としては当院よりも多少安いとこもあるかもしれませんが大抵の場合はこれよりもより総額的には高い場合が多いかと思われます。

ところがこの患者さんはこのマイオブレース・アクティビティーズの装置だけが売っている医院を近くで見つけそれが80,000円で売っているそうなのですが、それを買うそうなのです。子供のために。トレーニング法をこちらではかなり包み隠さず聞かれたら教えたりしているのでそれを子供に伝えて自分が指導すればうまくいくのではないかと言うことなのです。ちなみにこの方はご自身が針金を使って矯正をしていますが、当院では針金やインビザラインなどのマウスピース矯正を受けたとしてもすべての患者さんに治療終了後にいかに長持ちするかと言う重要な観点の上から筋機能療法、マイオブレース矯正の指導トレーニングをかなりの部分、サービスとして教えています。

先程の約2年間で行われる小学校低学年の矯正治療は約400,000円ほどと言いましたが相場でも大体それぐらいに近い額で、その治療費のほとんどはトレーニングの2年間のプログラムの費用と言っても過言ではなく、装置の費用と言うよりは指導料の部分です。ちなみに例えば塾で言えば塾の教科書代、テキスト代等が仮に2万円だとすると実際の塾に1年間行けば600,000円かかるとしまして、そのような費用負担になるのではないかと思いますが、テキストだけを買って母親が教えるから残りの600,000円を払わないでも成果が出るのではないだろうかと言う話になるかと思います。残念ながらこれは難しいと思います。というのも他院で治療している矯正中の患者さんがよく途中から医院を変わりたいと相談に来ることがあるのです。

そうすると、残念ながら装置を買っていくら、指導料は別途1回5000円と10,000円とかと言う請求を受けているようなのですが1回や2回位指導を受けたから、成果が出ると言うようなものではないのです。やはり成長期2年間と言う期間を経過を見ながらやっていくことがプログラム全体としてもう仕組みとなっているので、その部分だけを買ったりしてなんとかすると言う事は不可能なわけです。ですが入り口部分としての安さに魅力を感じてしまい、そのような行動をとっている保護者の方がたまに見受けられるようです。非常に残念でなりません。そして結局当院に再度受診をすることになるわけですが、そうするとやはりどうしてもプログラムとしての費用なので全体の費用がかかってしまいます。

よくよく考えて欲しいのですが、もし保護者の方が子供を塾に通わせる場合あるいはスポーツを本格的にやらせようと思っている場合、より安い塾に入れるでしょうか?それよりもその子に成果の出るところを選んだ方が良いのではないでしょうか。高ければ良いと言うわけでは無いですが、安いと言う事はかなり私は危険ではないかと思っています。なぜなら安いと言う事はそのもの自体をその金額で渡すことができるのですが、それ以上のサービス内容、使い方、今後やらなければいけないこと、困ったときにどうしたらいいかなどフォローは何もないと言うことです。これが日本の矯正と、世界の医療における差としての非常に重篤な問題点です。

診断や情報、指導にこそとても価値があり、かつそのことをするために実は下準備や研究教育などにとても費用がそもそもかかっているわけです。そういった形にはなっていない部分に対しての費用を払おうとしない文化が日本にはあるかと思います。一方矯正の先進国アメリカなどではむしろ診断であるとかアドバイスに対してとても高い費用がかかり、全体の総費用の分配の中でそちらに当てられています。スポーツで言えばコーチをしてアドバイスする人間に高いチャージを支払っている有名選手はいっぱいいます。

診査、診断、アドバイスにこそ、価値があります。

Young beautiful woman holding dental aligner orthodontic to teeth correction with happy face near mouth

ドクターから見たマウスピース矯正とワイヤー矯正どちらが良いか?

2023年7月16日

前回、患者様よりワイヤー矯正かマウスピース矯正かどちらが自分に合っているのかと言う話をしました。今回はさらに患者様自身のパーソナルな都合ではなく医学的に見てドクターがどのようにそれを判断していくのかと言う点をさらにお話ししていきたいと思います。

実はその患者様のお口の中の状況において、明らかにこれはワイヤーでやるしかない、もしくは明らかにこれはマウスピース、インビザラインなどでやった方が良いと言う2つに分かれる場合があります。またどちらでもほぼ同じの同等の結果が得られるであろう、という場合もあります。もっと特殊な例としてはワイヤー矯正とマウスピース矯正のコンビネーションをやったほうがいいと言うような場合もあります。ただほとんど多くの場合はワイヤーでもマウスピースでもどちらでもいけると言う診断になる患者さんが圧倒的に多いです。

ですが専門家として歯並び、噛み合わせを見ていく上で、この場合はマウスピースの方が有利であろう、この場合はワイヤーの方が有利であろうと言うことがありますのでそれをお伝えしなければならないシーンもあるのです。ですからもしあなたがマウスピースを希望していたとしても、私が歯科矯正的にどちらのほうが有利であると言うことがある場合には、例えばやはりワイヤーにしたほうがいいと思いますよと、お伝えしてお勧めします。逆にそんなに多くは無いのですがこれはマウスピースでやったほうが有利ですよと言う場合もあります。それはどんな場合かと言うと顎の関節に負荷がかかりすぎていて、顎関節症になっていたりもしくは顎関節症になりそうであったりと言うような場合が考えられます。このような場合は顎の関節に負荷を与える事を考えマウスピースの厚みが約1ミリから2ミリほどあり顎関節のクッションとなるマウスピース矯正を進めていることがあります。

またかなり専門的な話になりますが歯を抜いての矯正の場合には針金の方がワイヤーの方が良い場合が多いです。ですがこのようにここには書いてますがそれでも歯を抜いているにもかかわらずマウスピース矯正でも十分に成果が出る場合もこれまたなんとあるのです。ですのでせっかくやるなら目立たないマウスピースが良いと思っている人でもワイヤーではなくてマウスピースでも充分同等の結果が得られると言う場合もありますのでこれ本当に非常に微妙な話なのです。ですからいろいろなところであなたはどういう方法が良いかと言う情報を得ているのではないかと思いますが、一人一人ケースバイケースだと思ってください。またその矯正の先生がどちらが得意なのかと言うことにも影響がある場合があります。

すなわち例えば、インビザラインなどのマウスピース矯正が得意な人の場合はまず目もっててマウスピース矯正を全面的に進めてくる可能性が高いですし、マウスピース矯正しかやっていないと言う矯正歯科もある位ですから、そうなるとどちらが良いと言うよりはマウスピース矯正で何とかならないかと言うところからどのように歯を動かすべきかと言う治療計画になっていくわけです。一方で矯正の専門医でワイヤーを中心に行っている人たちはあまりインビザラインなどのマウスピース矯正をやろうとはしません。それは1つには大学病院などの矯正歯科ではマウスピース矯正は一般的に行われていなく針金を使ったワイヤー矯正が中心ですのでそのテクニックを駆使したやり方をすることになると言うことなのです。このようなことから非常に患者様にとっては紛らわしい情報が起きているということなのです。

ここから私の個人的な意見を言います。マウスピース矯正、ワイヤー矯正それぞれに得意な動かし方があると言うことがわかっています。ですのでどちらがより有利であるかと言う事は50/50で検討すべきです。その中で明らかにワイヤーの方が有利であるとか、明らかにマウスピースの方が有利であると言うことであればそちらの道に進んだほうがいいです。また4対6くらいの差であれば自分の好みの方を選ぶのも手だと思います。

このようなことからよく相談して話し合って、どの方法で行くのかを決めると言うことをしっかりやるべきです。自分がどのように思っているのか、自分がどのように考えているのかと言うことも重要なのですが、どちらが有利な動かし方となるのかということも検討する必要があるわけです。

そして私は患者さんの希望をよく聞いた上でその希望に沿ってやった方が良い場合はそれを後押しますし、希望に沿わない方法になる場合にはどのような違いがあるのかと言うことを今一度説明しますし、さらに明らかに希望と違う方法に行くしかないと言う状況であれば、もうこちらでやるしかないですよと言うことをきっぱりと伝えています。

そしてさらにこのように散々最初に治療計画を立てても実際には人間の体ですから思ったように全てが動くわけでもないです、そして途中で治療計画を変えてワイヤーからマウスピースに変わったりマウスピースからワイヤーに変わったりと言う患者さんも実際に何人も私も経験しています。

そういう意味において自分の意見を言う事、そしてドクターの意見を受け入れると言うこと、そして予定通りに必ずしも進行するわけでもなくそこから治療計画が大きく変わることもあり得ること、それを受け入れていくと言うことが自分の体にとって最善となると言うことなので、理解してください。

white smile with curvature tooth of young woman on background in studio

マウスピース矯正かワイヤー矯正か?

2023年7月13日

こんにちは先日患者様で、マウスピース矯正にしたいのだが自分の場合はワイヤーの方が合ってるのかマウスピースの方が合っているのかどちらがより適していると言う事はあるのでしょうか?と言う質問がありました。

そうですねよくある質問です。成人の方の場合多くの場合は、マウスピース矯正、インビザラインなどを希望される方が多いです。それはあなたも何となく想像がつくと思いますが、針金が目立たなく見た目的に良さそうと言うことです。後は歯磨きもそんなに大変そうじゃないし、とか、痛くなさそうだし。このような意見がよく聞かれます。一方で成人の方でも、私はワイヤー矯正の方がいいですと、希望される方もいます。

それでその人にどうしてあなたはワイヤーの方がいいと思われるのですか?と聞くと、食事の準備とかしたときに味見をするのだけれども味見をする際にいちいちマウスピースを外したりとか何か自分にはめんどくさい気がする。との事でした。マウスピース矯正の場合は、毎日24時間のうち少なくとも20時間以上は装着していることが必須です。そうするとマウスピースを外して良いのは4時間と言うことになるのですが、安全域を考えれば22時間は見ていたほうがいいと思います。

それでどんな時にマウスピースを外すのか、と言えば、まずは歯磨きをする時、です。毎日3回歯磨きすると思うのですが、その際は当然マウスピースを外して自分の歯を全て磨きます。これもし仮に1回歯磨き15分、ちょっと多めに言っていますが、かかったとして3回やったとして45分外していると言う計算になります。そして後、食事1日3回外したとして食事の時間が仮に1回20分だったとします。そうするとそれで1時間ですね。合計1時間45分と言うことになります。これなら確かに22時間以上入れていてとても安全なようにも思います。

しかしどうでしょう?途中でお茶飲んだりちょっとコーヒー飲んでお菓子少し食べてなんて時間もあると思いますそうするとやっぱりそこにプラス30分ぐらいはなんだか外しそうに思いますよね。さらにですね、もし週末に今日は友達とレストランでご飯を食べるなどと言う状態になった場合、1時間は外してますよね、多分。もしかしたら豪華なディナーをあなたが食べるとなると2時間そこで外すことになるかもしれません。2時間コースです。そうすると1日あたり絶対に必須として入れていておいた方が良い時間20時間ギリギリと言う状況が生まれる可能性があります。

このようなことを様々検討していくと、24時間のうち20時間以上本当に入れてられるような生活スタイルなのか、そしてもっと言うと自分自身が20時間ちゃんと入れていられるような性格なのか?のようなことを検討していくことになります。そしてなおかつ一方でワイヤーでも色々と検討しなければならないことがあり、それは針金を入れた状態で食事をしますし、その針金を入れた状態でその上から歯磨きを丁寧にすると言うことです。すなわち歯磨きの時間はもし5分かかるとすれば、プラス5分かかって10分かかるよと言うことです。しっかり歯を磨いてなければ虫歯になるリスクもあるでしょうし歯周病になるリスクも出てくると言うことなのです。その両者をよく想像してみて自分にはどちらが良いのかと言うことを考えてみる必要があるわけです。

今ここで書いた事は患者さん目線からの自分がどちらに合っているのかと言う話です。すなわちドクターからどちらがあなたの場合は良いのかと言う話ではないです。

ここ重要です。

自分の生活やスタイルや、自分の性格、今まで自分がどんな行動してきたと思うか、また今後の自分の仕事や余暇においてどのような状況でいたいのか。そのような自分自身のパーソナルな見地からどうしたら良いかと言う話をしているのです。

そしてその自分の意見としてはどうだと言うことを一応踏まえて、次回医学的にドクターから見てどうなのかと言うことも考えなくてはいけないのでその点についてさらにお話をしていきたいと思います。

Beautiful smile and white teeth of a young woman.

矯正治療とマウスピース矯正

2023年6月29日

先日親子で矯正治療を受けたいと相談された方がいました。

娘さんはワイヤーをつけるのはどうしても嫌で自分は絶対にマウスピースがいいとおっしゃられていました。一方お母さんのほうは食事の準備などいろいろあるし取り外しよりも針金をつけていたほうが楽だと思うから私はそっちがいいと。

インビザライン矯正(マウスピース矯正)とは

インビザライン矯正と言うものがあります、あなたは聞いたことがあるでしょうか?

マウスピース矯正の1種で半透明色のマウスピースをはめて歯を動かしていく方法です。マウスピース矯正は様々なタイプがあり、そのうちの1つがインビザラインと言う名前です。

この矯正方法は今までの針金を用いる矯正方法と違い、基本的にはお口の中に針金をつけたりをしないで歯を移動させていきます。そうなると今まで針金をつけることがとても嫌だなぁと思ったり、針金が付いていて歯磨きがとても難しいと感じたり、あるいは歯磨きが不十分で金具や矯正器具のキワか何かが虫歯になってしまったり、歯周病になったりなど、そのような点を考えると、有利かもしれません。

そして何よりこのマウスピース矯正を選ばれる方の最大のポイントは半透明色でそれをはめてみても一見他人から見てあまり目立たない、すなわち見た目です。中学生など針金をつけていることを他人に見られたくない、自分はそんなにを気にしていないがもしかしたら人から見てどう思われるのかとても不安である、どうしても気になってしまう、など様々な心理的な理由で針金をつけずにできればマウスピースでできるならそうしたいと言う人が結構いたりするものです。

インビザライン矯正(マウスピース矯正)のデメリット

このマウスピース矯正の最大の特徴の1つは目立たないと言う事なのですが、もちろん弱点もあります。少しそれに触れたいと思います。

今から言う事はとても当たり前のことなのですが、その当たり前のことが実際想像がつかない方が結構いたりするので、よくそれを充分理解した上でマウスピース矯正を選ぶべきです。

毎日20時間以上、装着しなければならない

マウスピース矯正はマウスピースをはめていなければ歯は動きません。マウスピースは1日24時間のうち20時間以上は必ずはめている事ではじめて歯が動くとされるという矯正方法です。1日のうちほとんどでマウスピースをはめていると言うことです。仕事があれば会社に行ってもはめている、学校に行くのであれば学校でもずっとはめている。

逆にどんな時に外して良いのか、それは歯磨きをする時とご飯を食べる時です。そうすると1日のうちに歯磨きの時間とご飯の時間がどれぐらいあるかと言うことになりますが多分通常の生活を送っているのであればそれはせいぜい2時間の範囲内ではないでしょうか。そうすると24時間のうち22時間はマウスピースをはめていられるはずです。

そう考えると必ず20時間以上はめている事はできそうなのですが、それでも人間ですので、なんとなく外していたとか、油断してはめるのを忘れていたとかいろんなことが起きるわけです。そうすると歯は予定通りには動かなくてイマイチの結果になってしまいます。

細長い小さいスティックを1日5分程度噛む必要がある

マウスピースを馴染ませるために細長い小さいスティックを噛む、時間にして1日5分程度なのですが、毎日繰り返すと言う時間があります。これは夜とかに家で5分ほどそのスティックを噛んでもらいマウスピースを十分に馴染ませることを繰り返し行っていきます。

もしこれをやっていないとマウスピースのはまりがいまいちで、なんとなくずれていき、1ヵ月2ヶ月と経てばやがて大きなズレになっていくわけです。そうすると予定通りには動かず残念な結果になってしまいます。

このスティックを噛むと言う作業はそんなに難しいことでは無いのですが、逆に簡単だからこそサボってしまってはとても残念な結果になるのです。毎日5分、これを仮にまとめて1ヵ月分をまとめてある日24時間ずっと噛んでたよという日が1日あったとしても、それでは全く意味がありません。毎日コツコツと続ける事が大事なんです。

繰り返しいます、とても簡単なことです、誰でもできるでしょう。やれと言われれば、ほとんど誰でもできるのですが、簡単だからこそついつい「まぁいいか」と思って明日にまた伸ばし明日に伸ばし、そしてついに1週間やっていなかった、1週間も経つと0.2ミリほどマウスピースの入りが悪くなっていてちょっとずれているかもしれない、どうしようということがやがては大きな誤算になっていきます。

まとめ

このマウスピース矯正は大人の方が自分でお金を払って受ける場合には割合真面目に入れていることが多いですが、子供の場合は親にやれと言われてやっている子もいるので、そうなると成果がいまいちな場合もあったりもします。また少数ですが大人でも真面目に入れてなくてなんとなくで終わってしまったと言う人もいます。

矯正治療はアメリカやヨーロッパなどの製品や技術を利用していることが多く、とてもそもそもが高額なシステムです。ですので必ず自分のためにしっかりやるんだと言うことを充分決意の上受けることをお勧めします。

Little kid boy holding professional orthodontic denture with metal braces and removable invisible aligner. Comparation of two dental straighten treatments

矯正治療とお口の周りの筋肉

2023年6月25日

先日、小学校2年生のお母さんと矯正治療に関してお話をしていました。

よく口を開けているから口を閉じて鼻で息をするようにと言うことをお母さんと本人によく注意を促しました。そうするとお母さんは、「そうですよねいつも口開けてるからよく注意してるんですけどやっぱりそれって良くないですよね。」とおっしゃっていました。

なぜ矯正治療をするのか

矯正治療と言うと一般的には歯並びをきれいにしたい。と言うことがまずよく挙げられるのではないでしょうか?あるいは子供の場合で言えば保護者自身が子供の頃矯正をしなくて自分は歯並びが悪かったので、せめて子供はきれいにしてあげたい、などとよく聞きます。またさらに歯並びが悪いと健康には良くないんじゃないかとよく勉強されている保護者の方は言われます。

そうですね、まさに健康とは大きな関係があります。さらにはスポーツで差が出るんじゃないか、将来就職したりする時、社会に出るときに良くないんじゃないか、などと言う意見も聞いたりします。

今世界的に矯正の学会では歯並びをきれいにするると言う価値観から、お口の歯及びまわりの筋肉のバランス、機能を良くすると言う価値観、考え方にシフトしつつあります。こう言うとなんだか難しく聞こえてきますよね。

もうちょっと噛み砕いて言うとですね、確かに歯並びはきれいに越した事はないです。歯そのものがきれいなバランスのほうがいいと思いますよね。医学的にやっていることなので、ただ単に綺麗であればあるほど良いとか、流行の美しさであれば良いと言うような簡単な問題なわけでもなく、健康のために何が本当に必要かと言うことも当然あるわけです。

そうすると実は先に述べた、口ではなく鼻で呼吸しているかと言うことがとても重要であると言うことがわかってきています。そのことにもっとフォーカスして歯科矯正治療が行われるべきであるということが言われているのです。

最近のトレンドでは歯の位置を完璧にすることがゴールではない

すなわち歯の位置の完璧さをどこまでもゴールとして求めてはいかないと言うのが、最近のトレンドなのです。もし歯の位置をいつまでもキープしたいと言うことだけに着目した矯正治療になった場合には一生涯においてその良い場所を維持するための固定用の装置としてマウスピースを常にはめる、もしくは裏側に1部針金等を貼り付けたボンディングタイプの固定装置が必要となるでしょう。このような器具に頼っていつまでもずれて行かないように強固に固定していこうと言う補助器具が必要となります。

ですがこの固定器具がどうして必要なのか、もしくはどういう場合に必要ではないのか、と言うことになってきます。

それは口の周りの筋肉のバランスが良ければ必ずしも固定は必要がないと言うことなのです。矯正治療の動的期間すなわち歯を動かしたり顎が成長して大きくなったりあるいは曲がった顎を治したりなど、そのような動的な期間を経て矯正の動きがほぼこれで良いであろうと終わったときに、次にそれをずっと安定して長くキープするためには今までは保定装置を必ず入れると言う考え方でした。

確かにこの固定装置はとても良い役割を果たすのですが、それ以上に口の周りの筋肉の力が実は大きな影響緑地があると言うことがわかってきています。口を開けて鼻で息をしていなければ固定装置を使っていても歯並び噛み合わせはずれていくということがわかってきたのです。ですから1番にやらなければいけないのは口の周りの正しい筋肉のバランスを確保することなのです。

具体的に述べると、普段唇は閉じていて鼻で呼吸をしている、このような状態がほとんどの時間を占めている。舌の位置が正しい位置にあるか、舌の位置は実は上顎の裏側、口蓋に持ち上がってくっついているというのが正しい位置です、かつそれは生理的に安定した体の自然な位置です。

次に唾を飲み込んだりするような事は1日に何回も起きるのですが、その時に顔の周りの筋肉が余計に動いていない、正確にはもうほぼ動いていないそのような正しい筋肉バランスになっているか、です。

どうでしょうか?そんなこと言われると、えー、自分ではできてるわけないと思うかもしれませんよね。はいそうなんです、今言ったようなことをむしろしっかりとトレーニング指導することが矯正治療なのです。

最初の件に話したお母さんとの会話、口を閉じて鼻で息をしなさい、それを医学的に行ってフォローしていけるかどうかが矯正治療の本質です。

Man holding a glass containing old dentures.

インプラントと入れ歯の手入れの違いについて

2023年5月28日

インプラントの治療を受けた場合、歯が最終的にお口の中に入ってその歯は自分の他の歯と同じように歯茎の上に自然とくっついたような状態になっているわけですね。一方入れ歯は取り外しがあるわけです。状況がかなり違うので手入れも違ってきます。この手入れの違いに関して1つぜひとも知っておいてほしいことがあるので皆さんこの記事を必ず読んで欲しいなと思っています。

インプラントの手入れ

さてインプラントの場合には自分の歯と同じように手入れをして歯磨きするわけです。そして多くの場合、歯間ブラシなども使う必要が起きることもあると思います。あるいは糸ようじのフロスなどです。大きく言えば歯磨き、歯ブラシを使うと言う事なのですが、歯磨きは、歯を虫歯にしないためにやる、歯周病にならないようにするためにある。確かにそれが大きな目的でしょう。お口の中に余計な細菌が残っているといろんな悪さをすると言うことです。

これは私が今まで何度も言ってることなのですが、インプラントやセラミックなどの人工物を治療で入れたのだからそこまで歯磨きしなくても虫歯や歯周病にならないだろうと油断している方がいます。それは必ずしもそのように思ってほしくないです。歯磨きをする行為はお口の中に歯ブラシを入れるわけで、その歯ブラシを入れて掃除をすることによって口の周りの筋肉もある程度活性化されますし、舌も筋肉でその舌も動いたりするわけです。アンチエイジングにもなっています。その時に唾液が出るということがとても意味があります。唾液が出ることによってお口の中の粘膜全てが消毒されたような状態になります。自浄作用が唾液にはあるのです。

入れ歯の手入れ

では入れ歯の場合はどうでしょうか?入れ歯の場合には自分の残っている歯を掃除することも当然大事です。また入れ歯が乗っかっている粘膜をある程度は清掃してやることが大事です。あまり強く粘膜をゴシゴシやってしまうと傷になるので軽くやる程度なのですが。

そして肝心なポイントとしては入れ歯自身を洗うことです。入れ歯はお口の外に出して専用のブラシを用いて洗うことをお勧めしています。入れ歯も自分の歯と一緒です。自分の歯と一緒なのでお口の外で歯磨きしててあげるわけです。この時に入れ歯の表側も裏側も細かい金具部分なんかも隅々まで掃除をしてあげることが良いことです。

そしてこの入れ歯の掃除に関してぜひとも知っておいてほしいことがあるのです。それは入れ歯はピンク色の部分なんかはプラスチックでできています。一方金属部分は当然金属ですし、人工歯の歯の部分は特殊なプラスチックでできている場合が多いです、もしくはプラスチックとセラミックのハイブリット型でできているものが最近では多いはずです。そのような材料が使われると思われます。それでこのピンク色の部分がとても問題なのです。ピンク色の部分はプラスチックですので、どうしても菌の繁殖の場となりやすいのです。ピンク色の部分は結構な体積を持っています。これだけの体積のものを口の中に入れて、このプラスチック部分が常に菌が繁殖するかもしれない場所です。プラスチックはどんどん水を吸っていき場合によっては水と菌がそこで腐ったように繁殖することもあるのです。これが入れ歯を使っている場合のとても心配な点です。入れ歯をあなたがどれだけきれいに掃除しているか、心配してます。

入れ歯の場合、市販の薬局などで売られている入れ歯洗浄剤を使われているかもしれませんね。確かに一定の効果はあります。しかし表面のプラスチック部分がだんだん吸水して腐り始めてくると市販の入れ歯洗浄剤の効果はさほど効いてはいません。そのような入れ歯を口の中に入れていると言う事は常に菌が繁殖しているものを口の中に入れていてその菌を肺のほうに飲み込んでいる可能性があるのです。そうすると体全身に菌が回り様々な全身疾患にかかる可能性が高いのです。とても心配しています。

そこで当院で勧めているのは、入れ歯の銀イオンコーティングです。これは医院で専用の機械を使ってコーティング作業を行います。時間にして5分程度の事なのですが、費用は3500円ほどです。この銀イオンコーティングをすると、約3ヶ月ほどほぼ菌は繁殖しません。一方で市販の入れ歯洗浄剤を入れてそのあとどれぐらいで菌が繁殖するかと言うと、入れ歯がもう吸水してしまい半分腐っているような状態では6時間程度ではかなり菌が増えています。すなわちコーティングする方法と洗浄剤では100倍以上効果のほどが違うのです。自分の命を守るためにもぜひとも安全のためにコーティングして欲しいなと思っています。

このようなことを様々な角度から考えると、もし治療法としてインプラントが選択できる場合はインプラントをした方が良いと私は考えています。それはやはりプラスチックの部分を口の中で対応しなくて済むからです。