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入れ歯の針金によって歯は締め付けられるのか?

2023年11月19日

先日入れ歯に関しての患者様から質問がありました。それについてとても重要なことなので、皆さんと共有したいと思います。その患者さんは、ノンクラスプタイプの入れ歯を作りたいと言うことを申し出ているのです。

まずそもそものノンクラスプの入れ歯とは何でしょうか?それを少しだけ先にお話ししたいと思います。ノンクラスプとは。入れ歯はその患者様の残っている歯のどこかに針金をかけて、引っかかりを作っています。この引っかかりの歯が、いればを安定させるために必要なわけです。ところが、この針金の引っかかり、前歯のあたりに針金が引っかかっていると見えてしまい、嫌だと言う人がいます。針金が見えてしまうと、いかにも私入れ歯入れてるんですと強調しているようなので、針金が金属ではなくピンク色のプラスチックで作られているものがあるのです。このピンク色のプラスチック部分は入れ歯と一体となってできて歯茎のそばにあるため入れ歯を入れているということが人から見たときにややわかりにくいです。少なくとも針金を入れて見えている場合のことを考えると、わかりにくいために好まれる患者様が多いのです。すなわち見た目の問題ということです。

そしてその患者様に、どうしてノンクラスプタイプにしたいのかと言うことをよく聞いてみますと、その理由は実は見た目と言うよりも針金を使うことが嫌だと言うことなのです。何故、針金を使うのが嫌かと聞くと、見た目を気にしているのかなとか、もしくはアレルギーになる金属アレルギーのことを気にしているのかな、ということが一般的には考えられます。しかしそうではなかったのです。それは針金を引っ掛けると自分の歯がだんだん弱っていって自分の歯が抜けてしまうのではないかということを心配されていたのです。一方のノンクラスプはピンク色のプラスチックなので、そっちの方が歯に強く押していないから、自分の歯が悪くなりにくいんじゃないかと思ったそうです。

さて皆さんどう思いますか?

自分の残っている歯のどこかに安定させるために何らかの方法で引っ掛ける必要があるわけですが、それが針金のほうがいいのかプラスチックのほうがいいのか?

これは実は答えは、精度の高い金属の針金を使うということです。
どのような針金をかけているのか、これは実はかなり複雑な話です。歯科技工士でなければわからないような話です。しかも入れ歯専門の人でなければわからないです。まず金属にはワイヤータイプと鋳造タイプというものに分かれます。この針金の作る作業の中において、強く閉めればしめるほどがっちりとつくような感じがしますよね。しかし強く締めれば当然歯が常に栓抜きのように引っ張られてだんだん弱くなってしまうと思いますよね。そうなんです。強すぎるのはダメなんです。でも弱すぎてもだめですよね。意味がなくなってしまうのです。

ですので、ちょうどいい頃合いと言うのを力学的に計算して作られています、これが非常に精度の高い微妙な話で、それなりの腕のある技術があり、理解力、知識もある歯科技工士が作らなければそのようなものはできないですし、また材料としても良い材料を使わなければそのような事は実現できません。もっと細かく言うと、その金属を鋳造するのですが、その製造過程において、それなりに高度な製造器具を持っている歯科技工所でなければ実現はしないのです。

先ほどワイヤータイプと鋳造タイプと言うことを言いましたが、精度が高いのは当然鋳造タイプです。ワイヤータイプでうまくいくと言うのは、もうまさに職人技で、正確には設計が測れないところをその人の腕1本でちょうどいい塩梅に作れるかどうかと言う事だけです。では、なぜワイヤータイプがあるのか、それはどうしても鋳造タイプだとうまくいかないようなことがあるのです。それは歯の形が、もともと湾曲が強かったりとか、様々なお口の中の諸事情があり、鋳造タイプではうまく作れないという判断がある場合です。

そうなると当然第一選択は鋳造タイプです。ほとんどの場合、これでいけます。しかし一部にワイヤータイプを併用しなければならない場合が存在しているのです。

何度ももう一度強調しますが、この鋳造タイプで精度の高い針金のひっかけを作ることなのです。これにはそれなりに費用がかかり、結果、入れ歯の金額も高くなります。
このお話しで言える事は、どうしてノンクラスプを選びたいのかという理由が、よくドクター側と患者様側でコミュニケーションが取れているかと言うことになっているのです。

ドクターからしてみれば一般的に知識はありますので、鋳造タイプが1番良いであろうとなんとなくは思っているわけです。そもそも。ところが患者様がノンクラスプがいいかなぁと言うような傾向を示されると、つい見た目を気にしているのかなというふうに思ってしまうわけです。しかし、見た目とは別にイメージで、針金は歯が抜けそうで、怖いと錯覚していたということです。

これかなり大変な錯覚なんです。確かに患者さんからしてみれば金具だから大丈夫かなぁと栓抜きのようなもので、毎日何度も何度も出し入れしていてとなるはずです。
ところが、ドクター側から見ればより精度の高い特殊な機械で良い金具を作ることが、最も歯に力を無駄にかけないで安定すると言うことを知っていますので、それを選んであげたいわけです。
入れ歯は奥が深いのです。

dentist implantologist showing dental bridge implant technology on human tooth jaw model

歯のかぶせ物の長持ち度について

2023年11月12日

歯のかぶせ物には様々な材料が使われています。従来から多く使われているのは金属です。最近多いのはセラミックの材料です。金属は大変優れた材料ですが、若干問題があるのでそれについてお伝えしたいと思います。

ブリッジのかぶせ物についてです。ブリッジとはそもそもどういう状態のこと言うのかわかるでしょうか?例えば歯が1本ない人がいたとして、その両隣の歯を利用して、3本分のかぶせ物を最初から連続して作ります。そうするとないところの1本をうまくカバーできるわけです。そのようにして1本ない程度であれば、ブリッジと言う治療を選択するわけです。橋のような状態の治療法です。

ちなみにこのブリッジと言う治療法を選択しなかった場合には、どのような治療法があるのかと言うことを少しだけ先に説明しておきます。それは1本だけの部分入れ歯を入れる方法、それともう一つは1本のインプラントを入れると言う方法になります。

そうなると、ある意味ブリッジと言うのは簡便的であり、昔はよく選択肢として使われた方法です。ただし、ブリッジができない場合もあり、そのような場合には部分入れ歯などが使われることが多かったです。最近では第一選択にインプラントが使われることも多々ありますので、ブリッジの出番がそんなに多いわけではありません。が、保険による治療であるので、まだまだ使われている治療法です。

さて、話をもとに戻しますが、ブリッジの治療法は、金属で行った場合、もしくは中の構造だけが金属と言う場合もありまして、表面には一部プラスチックなどを貼り付けているのだが、中は金属の構造で強く補強すると言う作り方もあるからです。この金属は長い時間の間に、実は変形することが多いです。特に保険の金属の場合、金属の種類に制約があるので、その金属が変形せずに長くもつと言うのはなかなか難しいです。ですので、このブリッジを奥歯などにやった場合、5年10年すると、そのブリッジがたわんで曲がっている患者さんをしばしば見受けます。これは大変ですので注意が必要です。

ではこのブリッジの治療をする場合に、このような、たわんでしまうと何が問題かについて考えましょう。まず簡単に想像できることですが、たわんでしまい壊れてきて外れるということです。

ただそれだけではありません。そのたわんでいる時点でそのブリッジを作った両隣の歯のかける部分の支台となっている歯は、大抵の場合、中が悪くなっています。それはどうして悪くなるかというと、少しずつたわんで変形している間、細菌がその中に入り込んでいるからです。また変形している場合には、その相手となっている歯が、噛み合わせがずれている場合が多いです。たわんでしまう結果、相手の歯の位置が微妙にずれていくのです。そして、全体的な噛み合わせがほんの少しずつずれていきます。

ちょっとわかりにくい話なのですが、歯がどれだけ長持ちするか、安定しているか、快適であるかということを考える上で、噛み合わせがどのような状態で全体でどのようなバランスをとっていて、より良い状態であるかという事は極めて重要です。何も絶対に矯正治療をしなければいけないと言うことではありません。全体がなんとなくでもいいので、大体バランスが取れている人は非常に長持ちしますが、逆に奥歯の一部だけがないとか、前歯の噛み合わせが浅いとか、どこかがちょこっとでもバランスが崩れていて、それが使えば使うほどだんだんずれていくような状況の人がいます。このような場合は、経年的に使えば使うほど壊れていくという、どうしてもその道筋なのです。

そして、ブリッジを選択した場合、長持ちさせるには、現状、ジルコニアと言うタイプのセラミックを使うのが良い場合が多いです。どうしてか?

それはジルコニアと言うセラミックはとても強度が強く、ほぼ変形する事はありえない位だからです。そのジルコニアでできたブリッジを、もし踏んづけたとしても、100㌔の力がかかっても、全く変形する事はありません。そのような材料をフレーム構造に使うわけです。

たまに固すぎるのではないかと言うことを言われる患者様がいます。そのような患者様の意見が出てくる背景には、もともと歯に1番良い材料は金であると言うことを聞いたことがあると。確かに金もとても良い材料ですが、今回の話はブリッジですので、3本程度以上の大きさの歯を作った場合に、それが一体となって連続していますので、中の最も力のかかる構造部分は出来る限り変形しないものが良いわけです。

金の良さと言うのは、多少のことであれば伸びたりするという延性と言われるものです。この能力は、歯の噛む表面の一部だけであれば非常に意味がありますが、多くの深い補強構造の土台部分にはあまり意味をなさないですし、3本つながっている途中の部分では、むしろ弱点となる可能性が出てくるわけです。また、実はわかりにくいかもしれませんが、昔のブリッジと言うものは金色をしているようで、実はその中に白金加金などプラチナ等のような材料を使っていたり、強度を増すためにコバルトクロムなど、他の材料を一部混ぜて合金として使っていることが多いです。

以上のようなことから、現状ではブリッジを使う第一選択としては、材料としてジルコニアをフレームとしたタイプを選ぶのが良いでしょう。また、ジルコニアタイプであれば、色も自然な白であり、細菌を寄せ付けない能力があるので、歯周病にも安全です。これは見た目だけにこだわっていると言うことではなく、お口の中で余計な細菌が繁殖しないと言う長期的な長持ち度にも関係があることです。無論、精度も重要ですから、長持ちさせるためには、それがどのレベルの精度でできているかと言うことも重要ですから、それもクリアしています。

最後になりますが、今回お伝えしたい事は、セラミックのジルコニアタイプが優れていると言うことも知っておいて欲しいのですが、何よりブリッジを作る場合には、金属を使うとなると変形するかもしれないということを充分考慮して選択してほしいということです。力が十分にかかることが予想される場合は、いずれそれが悪くなる、変形してくる。そして変形するためにその支台となっている歯が、いつの間にか自分が気づかないうちに悪くなっているかもしれない、そして、噛み合わせ全体が少しずつ変わっているために、様々なズレが所々起きている可能性があり、悪くなる原因となるということです。

小児矯正と装置の装着時間

2023年11月2日

小児矯正において、様々な装置がありますが、今回はマイオブレースという装置に関してどれくらい入れているべきなのかと言う話をしたいと思います。そもそも小児矯正の装置でも取り外し方であるにもかかわらず、24時間ほぼ入れていた方が良いという装置は結構あります。

例えば、上顎や下顎を単独で横方向にカーブを広げるような装置の場合は、24時間入れて1週間にいっぺんなどネジをまわして拡大していくという使い方が一般的です。この装置の使い方の問題点としては、小学校に行っても常につけていなければならない、そしてその管理を子供が十分に果たして行えるか、と言うことです。しかし取り外し型ですので、逆に口の外に出した状態で、親がそれを掃除したりちゃんと入っているかを確認したりなどもできると言う意味では利点ですし、また何かあった際に痛いからとりあえず外そうということもできるわけです。

さて今回私が特に医院で使っているお勧めの装置はマイオブレースです。この装置の装着時間は子供が学校から帰ってきてから寝るまでの間に1時間入れるのが基本です。そして夜間寝ているときに入れているという使い方なのです。すなわち学校へは入れないで行くのです。そう言うと、保護者の方の中には昼間ほとんど入れてないのに大丈夫なんですか?と聞いてくる方もいます、そうなんです。学校には入れて行かないのです。それはそれなりに意味があってそうなっています。

このマイオブレースは歯や口の周りの骨を直接的に動かすために作用しているわけではなく、口の周りの筋肉や筋肉の動き、特に舌の動きなど、そういった環境を形作っている要素を正しい位置に覚え込ませるための装置です、のでずっと入れていたのでは逆に意味がないのです。まず学校から帰ってからの1時間、これは本人が意識してきちっと入れて口も閉じます。鼻で息もします。そうすると自分でこうしなければいけないんだということを感じながら使うわけです。まさに自分で感じながら筋肉トレーニングしています。

次に夜寝るときに入れるのは、最初寝る前はちゃんと口を閉じなきゃいけないとか、舌の位置は上顎につけておくべきであるとかを意識していますが、だんだん眠っている間は無意識の状態になるわけで、その無意識の時に、正しい筋肉の使い方ができるかどうかの練習をしているわけです。

無意識の状態でも、正しい筋肉の動きが習慣化するかどうかのトレーニングを約8時間から10時間位の睡眠中に行うわけです。そして学校に行くときには外していますから、装置を入れない状態でも口を閉じる、鼻で息をする、舌は上顎につけるという正しい筋肉の動きができるのか、このような3つのパターンの繰り返すことによって、最終的には無意識の中で正しい筋肉の動きができるようにということを覚えて、体に覚え込ませるわけです。

ですから入れる、入れないというこの繰り返しには深い意味があります。意識しながら入れる、意識しないまま入れる、この起きている時と寝ている時、この2種類の使い分けも意味があります。単にぐいぐいと押して何とか歯を並べようというそういうような考え方では無いのです。

ですので、マイオブレースを患者さんに入れてもらうわけですが、毎日起きている時間、学校から帰ってきてから寝るまでの間1時間この装置をしっかり使うことが大事です。装置をしっかり使うことが大事でかつ、口を閉じる、鼻で息をする、など。

また、小学校1、2年生位であれば1時間で良いでしょう。しかし、状況に応じては4年生5年生6年生でもこの装置を使う場合があります。このような場合は2時間入れておく必要がある場合もあります。特にスタート時期が遅かった場合、成長の余地が減っていますので、起きている時間に多めに使っていただくということになる場合があるのです。これはどのような時期にどのような程度かによってだいぶこちらのアドバイスも変わってきます。患者さん一人ひとりによって違いますが、1つの目安としてご理解ください。

また何ヶ月もやっていまいち成果が出ない人もいます。これは研究の上ではっきりわかっていることなのですが、しっかりとやっていない、ただしく使っていない、ということです。よって結果が出ないという事はないです。何らかの変化が起きます。全く変化がないとなると、こちらのいった正しいやり方をしていない、もっと言えば、子供がサボって真面目に取り組んでいないと言うことです。

このような場合は別の装置を新たに用意して、別途費用がかかり、さらに治療を進めていくような場合もあります。

ですが、別の装置ではなく、まずは第一せんたくのマイオブレースをおすすめします。健康な体を作るためにもなるからです。

顎の位置と筋肉の調和

2023年10月29日

あなたは顎が小さいとか、顎が大きいなんてことを聞いたことがあるのではないでしょうか?あるいは前歯が出ている、上顎が大きくて出っ歯に見える。またその逆で下顎が出ていてかっこ悪いとか。

顎の位置とか大きさと言うのは生まれつき遺伝で大きかったり小さかったりするのでしょうか?実は遺伝の要素は昔は3分の1、30%ほどの影響があるのではないかと言われていましたが、現在では研究がさらに進み遺伝の要素が少なくて、むしろ生活習慣から、その顎が大きかったり、小さかったり様々なことが起きているのではないかと言われています。

さらに、顎の大きさや位置に関して、もう少し厳密に言うと、大きい小さいと言うのは、本当に大きい場合もあるかもしれませんが、むしろ相対的に大きく見えてしまう、相対的に小さく見えてしまうという位置の関係性が、実は要素としては大半を占めているかもしれません。すなわち例えば、下顎が別にそんなに大きいわけでは無いのだけれども、若干前のほうに出ていれば、下の顎が大きいと言う話にもなるでしょうし、逆に下顎が小さくて後ろに下がっているような位置にあれば、上顎が大きい出っ歯だと言われるかもしれません。ですので、単に大きい小さいとかと言うだけの問題で考えると、ちょっと話がおかしくなり、全体のバランスの位置関係で本当にそれが大きいのか小さいのかはたまた適正なのか位置がずれていないのかなどを総合的に見定めていく必要があるのです。

顎の位置といっても皆さんにはわかりにくいかもしれませんが、我々専門家からすると多くの場合、下顎が後ろに下がっている人がほとんどです。顎が前に出ている人もいると言う人もいるかもしれませんが、それは顎が前に出ていると言うよりは顎の骨の一部が前に突出しているだけで、顎の中心的な部分である歯の並んでいる部分は、極端に前に出ているというような人はかなり少ないです。1%もいないです。

話を元に戻しますが、大抵の場合は下顎が後ろに下がっていて、顎が小さいということがほとんどです。東洋人の場合は、この傾向がとても強いということがわかっています。

顎の位置のことを顎位と言いますが、この顎位がどのようにして決まっていくかの1つの大きな要素は、顎の周りの筋肉です、口の周りの筋肉です。このようなものを口腔周囲筋といいます。この筋肉の調和が取れていない人がとても多いです。この筋肉の調和を取るため、様々なことをわれわれはアドバイスしています。

例えば、タオル噛み、これは筋肉を鍛えるためです。現代人は噛むための筋肉が弱い人が多いのです。舌を上に挙げる運動、舌は筋肉でできていますので、動かして鍛えればよくなります。普段無意識のうちに、舌が上顎についていてほしいです。

これができれば、これをしっかりマスターしていただき、これが自然とできるようになれば、かなり幸せな人生であり、かなり健康度の高い安定した人生であると考えています。

マウスピースの素材は何か?歯科治療と素材

2023年10月26日

治療の成果結果を出すためには、その歯科治療が、どのような素材で治療をしているのかと言うことがとても重要です。

素材と言うのはもう少し違う言葉で言えば材料です。

例えば矯正治療をする上でマウスピース矯正と言うものがありますが、マウスピース矯正とは透明なプラスチックのものを歯にはめ込んでは動かしていくタイプの装置です。このマウスピースは、今、現在の時点では、海外で作られているものが最も素材としては優れていると思われます。一方で、日本国内なんかでこれに似たようなものが作られています。素材は違います。良い素材を使えば0.1ミリ単位で歯を動かす計画を立てられますが、現状日本で作られているものでは0.25ミリ位が限界で、この技術力は3年はまだ差は埋まらないといわれています。

もし皆さんがそねマウスピースを見た際、ほぼ同じものに見えると思います。
もっと言えば、我々歯科医師がそれを見てもはっきりと判別がつかないほどわかりにくいです。
その素材が何で作られているのかを歯科技工所の方より情報を入手しなければわからないでしょう

今これはとても重要なことを言っています。歯を正確に動かす、それは歯科医師の診断も大切です、歯科医師の手がどのようにうまく上手に動くかなどの技術力も大切です、そしてもちろんその時に使っている素材が何か?その素材は、どのようにして工場で加工されているのか?このようなことが総合的に関係しています。

ですが、今回は特にその素材についてだけ深掘りしていきたいのです。それは先にも述べましたように素材を見ただけで、皆さんはもちろん、その違いは全くわからないですし、私たち歯科医師、専門家が見てもよくわかりにくいのですですから、信用のおける取引先である歯科技工所等と確実に確認ができるかと言うことになるわけです。私は矯正治療において、本格的に歯を動かす場合は、費用が高くても海外のマウスピースを使います。それはやはりそれが現状最も優れた材料であり、それが2番手、3番手の材料ではまだ不十分であると感じるからです。もっと言えば明らかに差があると言うことです。多分、けどこれ患者さんにはわからないです。

この原材料問題や加工問題ですが、特許の関係もあり、特許が切れると、日本や韓国、中国など様々な国でもそれを利用したものが出てくると思われます。そうすると同程度の成果のあるものが多少安く手に入ることも考えられます。

このような事はよく私はその業者に何度となく質問しています。どうしてこちらの方が高いのか、その技術的な差は一体何なのか、材料にはどのような差があるのか、どのような工程で加工をしているのか、そういうことをとことん聞くと、自信のあるメーカーはやはり何がどのように違うかと言うことを正確に答えてきます。そして2番手以降の業者もよくよく聞いてみると、どこに多少誤差があると言うことを正直に言ってきます。そしてそれが実際に臨床的に問題になるのか、治療の結果に差になるのかを、歯科医師は十分に吟味するわけです、そして、そこに患者様の臨床的成果に置いて差があると判断した場合は、どちらを選択すべきかを冷静に決めていくわけです。すなわち、費用で決めているわけではないと言うことです。もちろん、安価でも成果が出るのであれば、それを選択するのはアリだと思います。

別の例でいいますと、ジェネリックの薬がありますが特許が切れて後から作られる薬品が安いのであれば、同じものであれば、それでも同程度の効果が得られると言うことであれば良いかと思います。しかし、一部の医師によれば、ジェネリックではなく、本家本元を使わないと差があるということを言われる方も何人か出会いました。ほんの少しの工程作業の違いそれでも臨床的には差があるから信用しないと言うことでした。それもその先生、その先生のこだわりだと思います。

歯並び、開口について

2023年10月22日

歯並びで、開口と言う状態はどのような状態でしょうか?

それは簡単に言うと本人は口を閉じているつもりなんだけれども、上下の歯があまり当たらず、前歯のところに隙間があると言うような状態です。前歯のところに空間があります。うどんやそばを前歯でかみ切ろうとしてもちょっと難しいです。

このような状態の患者様を治療をする際に、歯並びをきれいに揃えるのは、実は難しいと言うふうに矯正学的には言われていることがあります。

この状態を治すには何が大事か?それは、単に歯の位置の問題だけではなく、舌の位置、動きや、口の周りの筋肉が関係しています。

もし、あなたが毎日ずっと舌を前歯の間に挟んでいたとします。そうするといくら矯正で針金や様々な装置を使って歯を動かそうとしても、常に舌がそこにあるためにうまく歯は動きませんよね。舌の位置がおかしい限り、歯並びはきれいにならないのです。あるいは舌をいつも癖で常に間に挟んだりする動きをしていればうまくいきません。

ではその動きとはどんな時か?それは実は飲み込む時です。嚥下といいます。人はご飯を食べたり、水を飲んだりするときに飲み込みをしています。嚥下運動をしていると言うことです。ですが、それ以外にも1日に2000回唾を飲み込んでいると言われています。この無意識のうちに何度も飲んでいる唾の飲み込み運動、この運動では舌の動きは欠かせません。舌が上顎について陰圧になって、ご飯を飲み込んだり、お水を飲み込んだり、唾を飲み込んだりしているのです。無意識のうちに1日2000回も舌が、前歯と前歯の間に挟まれていたらどうでしょうか?2000回も突き上げを食っているんです。そうしたら端の位置はおかしい位置になるし、隙間もできてしまいますよね。そして一生懸命直そうとしても、なかなか針金の力に逆らってベロが押してしまうために良い位置にいまいち揃わないわけです。正しい嚥下運動を行っている場合、舌は前歯と前歯の間には入っていません。ですが、間違った嚥下運動をしている人は、前歯と前歯の間や奥歯の間に舌が入り込んでいています。

ですので、矯正治療を行う上で、舌の運動や舌の位置のトレーニング指導をしっかりやっていくことが重要であり不可欠なのです。

特に子供の場合、マイオブレースのようなマウスピースをしっかりやることです。すなわちお口の周りの口腔周囲筋のトレーニングです。6歳くらいから2年しっかり指導を受ければ、針金などしないで終わっている子もたくさんいます。

ちなみにですが、その結果をだすためにはオトナはそれを相当やる必要があります。しっかりとです。相当やる必要があります。

患者さんやその保護者の方はよく歯医者に行けば歯が良くなるのではないか、矯正治療を受けているのだから、金具をつけているのだから、装置をつけているのだから良くなるのであろうと思っている人もいますが、例えば塾に入れば必ず成績が上がるのか、習い事をすれば必ず身に付くのか。どうでしょうかそうではなくてそこにいて、かつコーチ何かのアドバイス、先生のアドバイスをしっかり聞いた上で当然、普段からの努力があり、そして成果がでると言うことだと思います。

大人の場合は、マイオブレースの治療だけでは、必ずしもそんなに良くはならないです。やはりどうしても針金やマウスピース等の歯を直接動かす器具を装着してやっていく必要があり、なおかつ、舌や口の周りの筋肉の運動のトレーニングをしていくと言うことなのです。

このように開口の場合は、単に装置が治していると言うよりも、トレーニングをしっかり本当に理解して、その必要性を感じてもらい、行動したかどうかが最終的な結果に大きく影響与えているため、歯科医師の単なる技術だけで治っているわけではないと言うことなのです。ですから難しいのです。

Teeth brace in the white background, 3d rendering. Computer digital drawing.

ワイヤー矯正とマイオブレース併用

2023年10月19日

針金の矯正をする際に、+ αでマイオブレース・アクティビティーズを併用する方法があります。これは針金が付いているにもかかわらず、その針金がついた上から直接的にマウスピースが入るのです。

一般的に皆さんにはイメージがしにくいかと思います。そしてこの方法は、何もすべての患者さんに行う方法ではありません。どうしても問題がある場合にだけごく1部の患者さんに行われる方法だと思ってください。どのような人に行うのか?それは針金をつけているにもかかわらず、なかなか歯が動かず、成果が出ない人です。そしてその成果の出ない理由は大体わかっていて、舌が正しい位置にいない、顎の筋肉の使い方がおかしい、呼吸の方法が間違っている、腹式呼吸ができないなどです。

針金をつければ大抵の場合は、その針金の力によってある一定の位置までは動きます。しかし、より正しい位置に安定する、もしくは針金を外していてもより良い安定した位置でずっとキープできていると言うことが起きるかどうか?それはその人の口の周りの筋肉の使い方や呼吸の仕方、先ほど述べたような舌の位置などに実は大きく依存しています。これらの口の周りの筋肉や普段の呼吸の仕方がおかしい場合には、実はなかなか良い位置では安定せず、針金をつけていても結果が出ないのです。そのような特殊な場合としての対応策です。

小学校6年生以降で2期治療をしている場合に矯正で針金をつけていると言う事歯よくあります。これはインビザラインのような針金代替の治療を選択した場合も同様です。

この針金をつけている状態で、なかなか十分にはが並ばない成果が出ないと言う子供がいますが、実は大人でもそういう事はあります。むしろオトナの場合、特に厄介です、それは大抵の場合、お口の周りの口腔周囲、筋の動きが間違っているクセの期間が長い人が多いのです、特に舌の力、飲み込みが関係していることが多いです。舌が下の方を押している、舌が歯と歯の間に噛まれている、そのような状況で、舌は大きな筋肉であり、その筋肉が常に歯に対し、間違った方向に力を加えているためにどうしてもいまいち歯並びがきれいにならないのです。また、噛み合わせ、顎の位置も間違った位置になっていく原因です。

実際には多くの患者さんは針金をつけることによってある一定以上の、パーセンテージで言えば80%位それぐらいの、人がほぼほぼは正しい位置に歯が移動していきます。しかし何年たっても具体的には2年とかですが、歯がきちっと動かない、イマイチな場合を見受けます。そのような場合は、そこで針金をつけながらマイオブレースのマウスピースをつけながらの治療を行います。針金をつけてなおかつ、ボクシングのマウスピースのようなものを口の中に入れておうちでは過ごしていただき、夜寝るときにはそれを入れていると言うような状況になるわけです。なんだか装置だらけだと思いますが、それぐらいに2期治療、大人になってからの治療に関して、筋肉の力、動きが原因であり、様々なことが問題として起きてしまうと言うことなのです。

Teeth brace in the white background, 3d rendering. Computer digital drawing.

矯正治療と舌の位置について

2023年9月10日

お口の中には舌があります。この舌なんですが、正しい位置はどこか?わかりますでしょうか。舌の正しい位置は上顎についている状態です。笑?と思われる方も結構いるかもしれません。実は下に降りて下顎のほうにいるんじゃないか、と思っている人もいますよね。実際問題、その間違った下顎のほうにいる状態の人もいっぱいいるのです。その下のほうにいるような状態のことを低位舌といいます。

さて正しい舌の位置にあるとどのようなことが良いことなのかを少し話したいと思います。

1.上顎を大きくし、きれいなカーブにする。先ほど舌は上顎についていると言いました、上顎の骨の形が綺麗な円の状態になっているのか、歪んだ状態になっているのか、これは舌が上に上手くきれいについていると上顎のカーブが綺麗な球状になっていき歯がきれいに並びます。このような状況になるために、もし子供の場合、ついていなければいつもそこにつけておきなさいと言うことを指導しています。

2.不正咬合を治す。舌が間違った位置にあり多くの場合は下顎にあり、歯と歯の間に挟まっていたり、特に奥歯に挟まれている場合が多いですが、このような場合は噛み合わせが凸凹になっていきます。奥歯も内側に倒れたりしている人が結構多いです。実は自分の歯が凸凹しているのは舌のおかしな位置にあるからだと言うことをぜひとも知っていて欲しいです

3.気道の広さを確保する。気道と言う言葉をどこかで聞いたことがあるのではないかと思います。首の中にある酸素の通り道ですね。この気道が狭くて夜寝るときに呼吸が止まってしまう人がいます。このような病気を睡眠時無呼吸症候群と言っています。この睡眠時無呼吸症候群は大変危険な病気であり、寝ているときに呼吸が何度も長く止まるとやがては死に至ることもあるのです。子供の頃から気道が狭ければこの病気になる確率はとても高いです。また近年の小児科の研究では子供の頃から無呼吸症が始まっているのではないかと言うことが疑われており、子供が睡眠時にどのような状態になっているか、どのような睡眠の質でしっかり眠れているのか、あるいは眠れていないのか、このような研究がだいぶ進んでいます。そして今、警笛が鳴らされていることとしては子供の睡眠の質をしっかり確保しないと脳が成長しない、また大人になったときに無呼吸症になりやすく危険である、と言うことです

さら舌が下に落ちていると言う状況についてもう少し説明していきたいと思います。多くの場合実は下顎のほうにいて間違った位置にいる人が多いです。

  1. 1.口がぽかんと開いている
  2. 2.舌を上顎の裏側に付けようとするとうまくつかない、そのようなことをした場合、舌が震えてくる
  3. 3.舌に歯の跡がついている
  4. 4.舌小帯が短い。舌小帯とは舌の裏側の付け根のところが下顎のほうにくっついているのですがそこのところがとても強くくっついているような状態の人のことです

あなたはどうでしょうか、多分多くの人が自分の舌に問題があるのかなどとあまり考えたことがないのではないかと思います。特に子供の舌に関しては気にしていないのかなと言う気がします。一方で大人の場合、高齢者になると舌にできものができて舌癌になるのではないかと心配している人が多いですが。

では最後にもう一度舌について話をまとめますが、舌は上顎についていて、舌全体がビタっと上顎についていると思ってください、そしてこの舌の位置は歯並びと重要な関係性があると言うことを知ってください。そして私たちは子供によく授業の1時間目2時間目3時間目と毎回舌がちゃんと上についているか自分で確認するんだよと言うことを指導しています。それぐらい重要です。

A smiling woman with beautiful teeth

子供の矯正治療と姿勢について

2023年9月7日

よく多くの保護者の方からこの子は姿勢が悪いと言うことを聞きます。歯並びも悪いしいつも顔を曲げているし、姿勢が悪いですと聞きます。

実は正しい呼吸ができていないと姿勢は悪いです。前回にも話しましたが、正しく腹式呼吸ができていれば姿勢は良いはずです。ですが腹式呼吸ではなく口を開けていたり胸や肩のあたりがよく動く胸式呼吸をしている子が多いのです。

正しい呼吸ができていないと十分な酸素が取れておらずそのために体は呼吸困難のような状態になり何とか無理して頑張るために、呼吸補助筋を使って呼吸しようとします。そのため体の骨を曲げて何とか気道のスペースを広げようとしたりするために、結果、肩の高さが左右で違ってきたり、頭が前に出たり、背骨の上が曲がったりと言うような不思議な姿勢にいつもなってしまうのです。

これが腹式呼吸ができていないと姿勢が悪くなっているよーと言うことなのです。しかし当院での筋機能療法の矯正治療を受けた子供たちは指導をしっかり守っていれば、顎や舌の位置が正しい位置になるために6ヶ月もすれば頸椎の湾曲は改善されていきます。

では腹式呼吸のポイントに関して少し話したいと思います。

  1. 1.立っていても座っていても姿勢はまっすぐ
  2. 2.3秒で吸って3秒で吐く
  3. 3.吸うときにお腹は前に出し、吐くときにへこませる
  4. 4.鼻息は聞こえず、静かな呼吸である

実際に私たちが患者さんを見ているときには、姿勢はどうか、まっすぐかどうか見ていますし、口を閉じて鼻で息をしているかを見ています、そして呼吸のスピードが早すぎると言う事は無いだろうか、呼吸が激しく強くなっていない、マイルドであるか、お腹の動きはどうか、リラックスした呼吸であり力んでいないか、呼吸とともに体が揺れていないか、などを何となくふわっと見ています。

このように腹式呼吸についてしつこく語っていますが、歯並び矯正をすると言う事は単に歯を治すと言うことではなく、そもそもの原因を多角的に治せる素晴らしい治療なのです。健康な体もっと言えば強い体を獲得できるし生理学的に美しい体に近づくと言う魅力的なものなのです。

ですのでただ単に姿勢が良いとか悪いとか、本を読むときに寝転がっているとか目が近いとかそういうことだけをアドバイスしているわけではありません。身体の健康発育に重要な腹式呼吸を改善することによって歯並びも良くなり姿勢も良くなる、一体となっていると言うことをお伝えしたいのです。そして保護者の方にとってはもしかしたら耳の痛い話ですが、保護者の方があまりにも腹式呼吸ができていない口呼吸をもろに子供の前で見せていると言うのはあまり良い影響ではないので、子供に渡しているプリントの中にそのようなことがしっかり書かれていますので、保護者の方もぜひ参考に自分の健康に留意してほしいと思っています。

ちなみに大人になってからこのようなことをトレーニングして改善していく事は実は極めて大変です。子供は、何となく想像つくと思いますが、柔軟です。一方大人は完成した体です。ですからすでについてしまった癖を大人になってから治すと言うのはとてもハードなリハビリなのです。ですがもし子供と一緒に頑張れるならそれは素晴らしいです、そして他の新たな楽しい親子関係ではないかと私は思います。

Side view picture of woman's smile with clear dental braces on teeth against blanked background

子供の矯正治療と腹式呼吸について

2023年9月3日

当院では矯正治療をする際に、そもそも歯並びが悪くなる原因を除去することを目指しています。歯並びを治すと言う事はある意味何らかの装置をつければいつかは治る可能性が高いです。ですがただ治しただけではまたいつかだんだん後戻りしていく可能性もあるわけです。では後戻りしないためにどうしたら良いかと言うと、ずっと何らかの押さえるような枠の装置を常に作り続けて費用をかけて経過を見ていくと言うことです。

ですがそのようなことをせず、原因が除去できればいいわけです。ややこしい話ですが装置をつけただけであれば、結果として曲がっているものをまっすぐにすることができるのですが、そもそもの原因は治していないので、装置を外せばまたずれてくるかもしれないのです。

この話を何度となく矯正のスタートの時点にすべての患者様にお伝えしていますが、矯正治療が終了に向かい2年ほどしてこれだけきれいになったんだ、良かったとなったときには、昔の事は忘れ油断してしまいます。私は何度も口酸っぱく、いつも口を閉じて言いなさい、鼻で呼吸してください、舌はスポットにつけていて下さい、親知らずが生えてくるときには抜いた方が良い場合があるから油断しないでね。と言っています。

さて、様々な処置、器具を使って歯並びを治していくのですが、その治療と並行して原因を除去するための指導を厳しく行っています。その一つが腹式呼吸です。現代人は残念ながら多くの人々は腹式呼吸ができていません。もしあなたが歌とかを専門にやっていたり、合唱部などでトレーニングを受けていれば、しつこいほど腹式呼吸の重要性を聞いているのではないでしょうか。人の体はそもそも鼻で呼吸するように設計図ができています。正しい体の使い方をせず口を開けて口を呼吸していると言う事はとても不健康であり、もっと言えば危険な状態と言うことです。そしてこの口呼吸をしているために歯並びが悪くなっていくのです。ここに大きな原因が存在しています。鼻呼吸の確立をまず1番に指導しています。この鼻呼吸がうまくいくためには腹式呼吸が普段できているかと言うことなのです。もしあなたが小学校1年生の教室に行って前の方から子供たちの顔を眺める機会があったらよく見てみてください。ほとんどの子供が口を開けて口で息をしています。これはとても恐ろしいことなのです。どうしてか、口で息をしていれば風邪もひきやすいしアレルギーにもなりやすいです。体が病気になりやすいです免疫力も上がらないです。いつもぽかんと口を開いていて、それでいてこの子たちに一生懸命勉強を教えても本当に成果が出るのでしょうか。このような口呼吸の状態で様々な運動がんばっても本当に強い選手になれるのでしょうか。それは皆さんもよくわかってくれると思います

ではさらに話を進め、鼻で息をすることが大事だと言うのはなんとなく気づいていたと思うのですが、正確に言うと腹式呼吸をしてくださいと私は言いました。鼻で息をしていても、腹式呼吸でない場合があります。そのような子も結構見受けます。簡単に言いますと口でいつも呼吸している子に、口を閉じて鼻で息をしなさいと言うと、胸式呼吸になります。胸のあたりや肩のあたりが上下に動いて一生懸命胸式呼吸を始めます。これでは腹式呼吸でないので長続きしないですね。そしていつしかまた口を開けると言うことになるわけです。そもそも胸式呼吸ではダメなのか?ダメなんです。それは胸式呼吸は肺の3分の1しか使っていないのです。ですので呼吸が浅いです。そうすると脳は酸素不足と判断し、呼吸が速くなりますそうすると鼻呼吸もうまくできず口呼吸になってしまいます。そして何より気道が狭くなってしまいます。そしてさらに呼吸が浅くなると言う悪循環を繰り返していきます。

ですので私たちは腹式呼吸を基礎中の基礎として子供たちに一生懸命練習させています。毎度腹式呼吸を自然体でしているのかをチェックしています。言われた時だけうまくやろうとしても普段から自然にできていなければすぐにおかしな呼吸になりばれてしまっています。