Tag Archives: 歯列矯正

インビザライン、マウスピース矯正と一般歯科治療

2024年1月28日

こんにちは、お元気にお過ごしでしょうか。私はよく医院において矯正治療の相談を受けることがあります。

特に成人の方ではマウスピース矯正、例えばインビザラインの事ですが、このマウスピース矯正を受けたいと患者さんから相談を受け、そのための診断や計測をしていることがよくあります。このような患者さんと矯正について針金でやる場合や、それ以外の装置でやる場合、も一応説明をしています。そして、歯周病の問題点や既に治療の行われているかぶせ物を治すべきなのかとか、虫歯の治療などについてもアドバイスを行っています。

すなわち矯正治療とは言いますが、全体的な噛み合わせやお口の健康状態を総合的に判断する必要があります。親知らずを抜くのか抜かないのか、親知らずを抜くのがどの程度のものなのかなども含め。

そして成人の人の場合、特にインビザラインなどのマウスピース矯正を希望する人の場合は、針金までをつけてまで大掛かりなことをやるのはちょっとなんだか大変そう、だから、自分はちょっと不安だけども、マウスピースで治るんだったらやりたいなどと言う方も約半数います。

そして他の医院でも相談を受けた、もしくは自分が以前言ってた医院では、矯正についてあまりコメントをもらえなかったので相談に来た、などと言う人もちらほらいます。そして、このような質問をたまに受けることがあります、それは、矯正治療は矯正の専門の医院でやったほうが良いのでしょうか?

これに関して私は明確に1つ言えることがあります。それはインビザラインのようなマウスピース矯正の場合は、歯科治療を普通に行う一般歯科で矯正も行えるような医院でやることです。どうしてでしょうか?これには重要な理由があります。

インビザライン矯正マウスピース矯正で歯を動かす場合には、歯と歯の間を0.3ミリとか、0.5ミリほど角を丸めると言う作業があるのです。必ずしもすべての歯にやるわけではないのですが、成人の場合は多くの場合10本位の歯にはこれを行うことが結構多いです。

そうすると歯を歯科専用のタービンと言われる切削器具で0.3ミリほど削ると言うことになりますので、これはかなり微妙な量を正確に作業しなければいけません、普段歯の治療を行い、常に麻酔注射や歯を削る道具を使っている先生がやるべきです。

一方で、針金等のワイヤー矯正しかやっていない、もしくはインビザラインしかやっていないと言う矯正専門の医院では、歯を削る機会は極めて少ないです。ですから、正確に歯を削るのはかなり困難なことであると想像しています。例えば例を挙げると耳鼻科に行って目の検査をしてくれと言ってるようなものです。

耳鼻科の先生もドクターですから、目のことが全くわからないわけではないですが、それを専門にやってるわけでもないのでそこまで求められても困ってしまうと思います。できなくは無いでしょうが、それを正確にやれと言われるとちょっと困るのではないでしょうか。

またインビザラインではアタッチメントと言うプラスチックのような引っかかりをつける作業があります。これも一般歯科でよく行われるプラスチックを詰める治療の応用です。一般歯科では毎日何回もこのプラスチックを詰める作業は行われています。ですので、やはりその処置に慣れた先生がやるのが良いと私は思っています。

以上のようなことから総合的に言えることとしては、インビザラインのようなマウスピース矯正を行う場合は、一般歯科に行き、矯正治療をも行っている医院に行くべきであると言うことです。

一般歯科とは皆さんが普通に虫歯治療や歯周病の治療で行く歯科医院のことです。ここでは大抵の器具や材料があり、オールラウンドに治療が行われています。ただそこでさらに矯正治療も行っているかどうかはそれぞれの医院によって違います。ここでポイントとなってくるのが矯正治療も普通に行っているかどうかということです。

すなわち一般歯科で矯正治療は行っているのだが、それは月に1回だけ専門の先生が来てやっているとかではダメです。一般しかも矯正治療も両方常に行われていると言うような状態を意味しています。

子供のマウスピース矯正の場合には少ないですが、大人のマウスピース矯正の場合にはマウスピースで歯を動かした後に、歯の治療が必要になる場合が多々あります。それはもともと歯がいくつか治療してあるからです。そのもともと治療してある歯の形を新しく動かした場所で、もう一度形を変える必要があったり、かぶせものが古くなってきていて、かぶせ直す必要が起きたりするわけです。その状況の判断は一連の流れで行うべきですので、やはり虫歯の治療もインビザラインマウスピース矯正治療も両方できる医院に行くべきだと思います。

マウスピース矯正とワイヤー矯正

2024年1月21日

今現在、大人の矯正、すなわち永久歯を並べる矯正には主にマウスピース矯正とワイヤー矯正が主流となっています。

マウスピース矯正とは何でしょうか?簡単に述べるとインビザラインに代表されるような透明なプラスチックのマウスピースを口の中に入れて歯を動かしていく方法です。この方法の利点は、従来のワイヤー矯正と違い、針金を使わないため、目立ちにくい、遠目から見ると矯正をやっていることがわかりにくいということです。もう一つは透明のマウスピースは取り外し型ですので、固定の針金をつけなくて良いと言う点があります。

一方従来からあるワイヤー矯正と言うのは、お口の歯全体に針金をつけて、歯を動かしていく方法です。この方法は1個1個の歯に四角いブラケットをつけます。これは完全に接着剤でくっついていますので、途中で外すようなことはできないですし、自分で外すことも基本的にはないものです。そしてその周りに針金が付いていて歯を動かしていくものです。

マウスピース矯正は今後さらに流行っていくものであると考えられますが、様々な問題点もあります。それはマウスピースでは全て動かせると言うわけでもないと言うことです。マウスピースで動かせる限界限度というものがあります。もちろん針金だったら、何でも全てどこまででも動かせると言うものでもありませんが。人間の体ですので、当然限度というものがありますから。それを置いても、マウスピースと言うもので、動かすとなると、どこまでも自由度が高いわけではないのです。

そうなるとマウスピースに適しているものは何なのかと言うと、簡単に言ってしまえば軽度から、中程度の問題がある人が、マウスピースに向いていると言うことになります。そしてかつ本人が針金をつけたくないと言う場合です。当院においてもこの2つの矯正方法を成人の方には選択してもらっていますが、現状、半々位で選択をされています。すなわち半分の方はマウスピースが目立たないからいいし、なんとなく痛くなさそうだし。ということです。一方で、私は針金でやりたい、すなわち毎度マウスピースを自分で入れるのを毎日繰り返すのに自信がないと言います。あるいは針金の方がしっかり動きそうだからと言う方もいます。

あなたはどう思われますか?私の個人的な意見としては、歯の位置がどうであるかということもさることながら、本人の気持ちや性格と言う問題があると思います。すなわち、性格的にマウスピースを自分で取り外ししたりするのがとても億劫だと思う人にはやはりマウスピースはやめたほうがいいです。逆に人に見られるのが嫌だ。目立つのがとても気になると言う方であれば、やはりマウスピースにしたほうが良いでしょう

またマウスピースではどうしてもうまく動かないような状況の患者さんも多々います。例えば歯が半分ぐらい埋まってるようなものを引っ張り出して並べるような場合は、もうこれは針金で引っ張るしかないです。マウスピースで引っ張る事はとても難しいですし、うまくいくということは無いので。
そして今矯正の現状としては、マウスピースがものすごい勢いで流行っているために、ワイヤー矯正ができる先生が減っていると言う問題が起きていると私は思います。というのも私自身名古屋にて矯正のセミナーを手伝っていますが、このセミナーでは主にワイヤー矯正、そして時によってはマウスピース矯正もありと言う形で講義実習を進めています。今このセミナーでは、若い先生の受講者がやや減っているのです。この傾向が続くとどういうことが起きるか、ワイヤー矯正のできる先生がどんどん減っていくと言うことです。

ちなみにこのセミナーは1年間のコースで行われていますが、1年間このセミナーを受けただけで、ワイヤー矯正ができると言うわけでもありません。簡単な症例であれば1年受ければできるのですが、中程度以上の症例となると、やはり3年以上はこのコースを受け続けないとなかなかできないと、私は受講者の方を見て思っています。そういう中でマウスピースだけのセミナーと言うのも行われていて、これは1日コースや2日コースといった、極めて短時間でセミナーが行われていることが多いです。

無論それは初心者向けのものなので、とりあえずまず理解すると言うレベルからなのですが、このような短時間の研修を受けてしまえば治療をとりあえずはスタートできると言うものになっているのです。ですからまずはちょっとやってみようと言う先生は、このような二日間コースなどを受けて、マウスピース矯正を始めている方がちらほら見えます。そうなるといよいよワイヤー矯正をやられる先生方が減っていくと言う非常に心配なことが起きているわけです。

私は10年20年先の矯正歯科の世界を考えたとき、マウスピースも大切だが、ワイヤーも技術としてはとても大事であると思っていますので、ワイヤー矯正の技術は大学院や年間コースのセミナーのごく1部でしか教えてもらえないと言う教育飢餓状態をとても危惧しています。

小児矯正と装置の装着時間

2023年11月2日

小児矯正において、様々な装置がありますが、今回はマイオブレースという装置に関してどれくらい入れているべきなのかと言う話をしたいと思います。そもそも小児矯正の装置でも取り外し方であるにもかかわらず、24時間ほぼ入れていた方が良いという装置は結構あります。

例えば、上顎や下顎を単独で横方向にカーブを広げるような装置の場合は、24時間入れて1週間にいっぺんなどネジをまわして拡大していくという使い方が一般的です。この装置の使い方の問題点としては、小学校に行っても常につけていなければならない、そしてその管理を子供が十分に果たして行えるか、と言うことです。しかし取り外し型ですので、逆に口の外に出した状態で、親がそれを掃除したりちゃんと入っているかを確認したりなどもできると言う意味では利点ですし、また何かあった際に痛いからとりあえず外そうということもできるわけです。

さて今回私が特に医院で使っているお勧めの装置はマイオブレースです。この装置の装着時間は子供が学校から帰ってきてから寝るまでの間に1時間入れるのが基本です。そして夜間寝ているときに入れているという使い方なのです。すなわち学校へは入れないで行くのです。そう言うと、保護者の方の中には昼間ほとんど入れてないのに大丈夫なんですか?と聞いてくる方もいます、そうなんです。学校には入れて行かないのです。それはそれなりに意味があってそうなっています。

このマイオブレースは歯や口の周りの骨を直接的に動かすために作用しているわけではなく、口の周りの筋肉や筋肉の動き、特に舌の動きなど、そういった環境を形作っている要素を正しい位置に覚え込ませるための装置です、のでずっと入れていたのでは逆に意味がないのです。まず学校から帰ってからの1時間、これは本人が意識してきちっと入れて口も閉じます。鼻で息もします。そうすると自分でこうしなければいけないんだということを感じながら使うわけです。まさに自分で感じながら筋肉トレーニングしています。

次に夜寝るときに入れるのは、最初寝る前はちゃんと口を閉じなきゃいけないとか、舌の位置は上顎につけておくべきであるとかを意識していますが、だんだん眠っている間は無意識の状態になるわけで、その無意識の時に、正しい筋肉の使い方ができるかどうかの練習をしているわけです。

無意識の状態でも、正しい筋肉の動きが習慣化するかどうかのトレーニングを約8時間から10時間位の睡眠中に行うわけです。そして学校に行くときには外していますから、装置を入れない状態でも口を閉じる、鼻で息をする、舌は上顎につけるという正しい筋肉の動きができるのか、このような3つのパターンの繰り返すことによって、最終的には無意識の中で正しい筋肉の動きができるようにということを覚えて、体に覚え込ませるわけです。

ですから入れる、入れないというこの繰り返しには深い意味があります。意識しながら入れる、意識しないまま入れる、この起きている時と寝ている時、この2種類の使い分けも意味があります。単にぐいぐいと押して何とか歯を並べようというそういうような考え方では無いのです。

ですので、マイオブレースを患者さんに入れてもらうわけですが、毎日起きている時間、学校から帰ってきてから寝るまでの間1時間この装置をしっかり使うことが大事です。装置をしっかり使うことが大事でかつ、口を閉じる、鼻で息をする、など。

また、小学校1、2年生位であれば1時間で良いでしょう。しかし、状況に応じては4年生5年生6年生でもこの装置を使う場合があります。このような場合は2時間入れておく必要がある場合もあります。特にスタート時期が遅かった場合、成長の余地が減っていますので、起きている時間に多めに使っていただくということになる場合があるのです。これはどのような時期にどのような程度かによってだいぶこちらのアドバイスも変わってきます。患者さん一人ひとりによって違いますが、1つの目安としてご理解ください。

また何ヶ月もやっていまいち成果が出ない人もいます。これは研究の上ではっきりわかっていることなのですが、しっかりとやっていない、ただしく使っていない、ということです。よって結果が出ないという事はないです。何らかの変化が起きます。全く変化がないとなると、こちらのいった正しいやり方をしていない、もっと言えば、子供がサボって真面目に取り組んでいないと言うことです。

このような場合は別の装置を新たに用意して、別途費用がかかり、さらに治療を進めていくような場合もあります。

ですが、別の装置ではなく、まずは第一せんたくのマイオブレースをおすすめします。健康な体を作るためにもなるからです。

マウスピースの素材は何か?歯科治療と素材

2023年10月26日

治療の成果結果を出すためには、その歯科治療が、どのような素材で治療をしているのかと言うことがとても重要です。

素材と言うのはもう少し違う言葉で言えば材料です。

例えば矯正治療をする上でマウスピース矯正と言うものがありますが、マウスピース矯正とは透明なプラスチックのものを歯にはめ込んでは動かしていくタイプの装置です。このマウスピースは、今、現在の時点では、海外で作られているものが最も素材としては優れていると思われます。一方で、日本国内なんかでこれに似たようなものが作られています。素材は違います。良い素材を使えば0.1ミリ単位で歯を動かす計画を立てられますが、現状日本で作られているものでは0.25ミリ位が限界で、この技術力は3年はまだ差は埋まらないといわれています。

もし皆さんがそねマウスピースを見た際、ほぼ同じものに見えると思います。
もっと言えば、我々歯科医師がそれを見てもはっきりと判別がつかないほどわかりにくいです。
その素材が何で作られているのかを歯科技工所の方より情報を入手しなければわからないでしょう

今これはとても重要なことを言っています。歯を正確に動かす、それは歯科医師の診断も大切です、歯科医師の手がどのようにうまく上手に動くかなどの技術力も大切です、そしてもちろんその時に使っている素材が何か?その素材は、どのようにして工場で加工されているのか?このようなことが総合的に関係しています。

ですが、今回は特にその素材についてだけ深掘りしていきたいのです。それは先にも述べましたように素材を見ただけで、皆さんはもちろん、その違いは全くわからないですし、私たち歯科医師、専門家が見てもよくわかりにくいのですですから、信用のおける取引先である歯科技工所等と確実に確認ができるかと言うことになるわけです。私は矯正治療において、本格的に歯を動かす場合は、費用が高くても海外のマウスピースを使います。それはやはりそれが現状最も優れた材料であり、それが2番手、3番手の材料ではまだ不十分であると感じるからです。もっと言えば明らかに差があると言うことです。多分、けどこれ患者さんにはわからないです。

この原材料問題や加工問題ですが、特許の関係もあり、特許が切れると、日本や韓国、中国など様々な国でもそれを利用したものが出てくると思われます。そうすると同程度の成果のあるものが多少安く手に入ることも考えられます。

このような事はよく私はその業者に何度となく質問しています。どうしてこちらの方が高いのか、その技術的な差は一体何なのか、材料にはどのような差があるのか、どのような工程で加工をしているのか、そういうことをとことん聞くと、自信のあるメーカーはやはり何がどのように違うかと言うことを正確に答えてきます。そして2番手以降の業者もよくよく聞いてみると、どこに多少誤差があると言うことを正直に言ってきます。そしてそれが実際に臨床的に問題になるのか、治療の結果に差になるのかを、歯科医師は十分に吟味するわけです、そして、そこに患者様の臨床的成果に置いて差があると判断した場合は、どちらを選択すべきかを冷静に決めていくわけです。すなわち、費用で決めているわけではないと言うことです。もちろん、安価でも成果が出るのであれば、それを選択するのはアリだと思います。

別の例でいいますと、ジェネリックの薬がありますが特許が切れて後から作られる薬品が安いのであれば、同じものであれば、それでも同程度の効果が得られると言うことであれば良いかと思います。しかし、一部の医師によれば、ジェネリックではなく、本家本元を使わないと差があるということを言われる方も何人か出会いました。ほんの少しの工程作業の違いそれでも臨床的には差があるから信用しないと言うことでした。それもその先生、その先生のこだわりだと思います。

歯並び、開口について

2023年10月22日

歯並びで、開口と言う状態はどのような状態でしょうか?

それは簡単に言うと本人は口を閉じているつもりなんだけれども、上下の歯があまり当たらず、前歯のところに隙間があると言うような状態です。前歯のところに空間があります。うどんやそばを前歯でかみ切ろうとしてもちょっと難しいです。

このような状態の患者様を治療をする際に、歯並びをきれいに揃えるのは、実は難しいと言うふうに矯正学的には言われていることがあります。

この状態を治すには何が大事か?それは、単に歯の位置の問題だけではなく、舌の位置、動きや、口の周りの筋肉が関係しています。

もし、あなたが毎日ずっと舌を前歯の間に挟んでいたとします。そうするといくら矯正で針金や様々な装置を使って歯を動かそうとしても、常に舌がそこにあるためにうまく歯は動きませんよね。舌の位置がおかしい限り、歯並びはきれいにならないのです。あるいは舌をいつも癖で常に間に挟んだりする動きをしていればうまくいきません。

ではその動きとはどんな時か?それは実は飲み込む時です。嚥下といいます。人はご飯を食べたり、水を飲んだりするときに飲み込みをしています。嚥下運動をしていると言うことです。ですが、それ以外にも1日に2000回唾を飲み込んでいると言われています。この無意識のうちに何度も飲んでいる唾の飲み込み運動、この運動では舌の動きは欠かせません。舌が上顎について陰圧になって、ご飯を飲み込んだり、お水を飲み込んだり、唾を飲み込んだりしているのです。無意識のうちに1日2000回も舌が、前歯と前歯の間に挟まれていたらどうでしょうか?2000回も突き上げを食っているんです。そうしたら端の位置はおかしい位置になるし、隙間もできてしまいますよね。そして一生懸命直そうとしても、なかなか針金の力に逆らってベロが押してしまうために良い位置にいまいち揃わないわけです。正しい嚥下運動を行っている場合、舌は前歯と前歯の間には入っていません。ですが、間違った嚥下運動をしている人は、前歯と前歯の間や奥歯の間に舌が入り込んでいています。

ですので、矯正治療を行う上で、舌の運動や舌の位置のトレーニング指導をしっかりやっていくことが重要であり不可欠なのです。

特に子供の場合、マイオブレースのようなマウスピースをしっかりやることです。すなわちお口の周りの口腔周囲筋のトレーニングです。6歳くらいから2年しっかり指導を受ければ、針金などしないで終わっている子もたくさんいます。

ちなみにですが、その結果をだすためにはオトナはそれを相当やる必要があります。しっかりとです。相当やる必要があります。

患者さんやその保護者の方はよく歯医者に行けば歯が良くなるのではないか、矯正治療を受けているのだから、金具をつけているのだから、装置をつけているのだから良くなるのであろうと思っている人もいますが、例えば塾に入れば必ず成績が上がるのか、習い事をすれば必ず身に付くのか。どうでしょうかそうではなくてそこにいて、かつコーチ何かのアドバイス、先生のアドバイスをしっかり聞いた上で当然、普段からの努力があり、そして成果がでると言うことだと思います。

大人の場合は、マイオブレースの治療だけでは、必ずしもそんなに良くはならないです。やはりどうしても針金やマウスピース等の歯を直接動かす器具を装着してやっていく必要があり、なおかつ、舌や口の周りの筋肉の運動のトレーニングをしていくと言うことなのです。

このように開口の場合は、単に装置が治していると言うよりも、トレーニングをしっかり本当に理解して、その必要性を感じてもらい、行動したかどうかが最終的な結果に大きく影響与えているため、歯科医師の単なる技術だけで治っているわけではないと言うことなのです。ですから難しいのです。

Teeth brace in the white background, 3d rendering. Computer digital drawing.

ワイヤー矯正とマイオブレース併用

2023年10月19日

針金の矯正をする際に、+ αでマイオブレース・アクティビティーズを併用する方法があります。これは針金が付いているにもかかわらず、その針金がついた上から直接的にマウスピースが入るのです。

一般的に皆さんにはイメージがしにくいかと思います。そしてこの方法は、何もすべての患者さんに行う方法ではありません。どうしても問題がある場合にだけごく1部の患者さんに行われる方法だと思ってください。どのような人に行うのか?それは針金をつけているにもかかわらず、なかなか歯が動かず、成果が出ない人です。そしてその成果の出ない理由は大体わかっていて、舌が正しい位置にいない、顎の筋肉の使い方がおかしい、呼吸の方法が間違っている、腹式呼吸ができないなどです。

針金をつければ大抵の場合は、その針金の力によってある一定の位置までは動きます。しかし、より正しい位置に安定する、もしくは針金を外していてもより良い安定した位置でずっとキープできていると言うことが起きるかどうか?それはその人の口の周りの筋肉の使い方や呼吸の仕方、先ほど述べたような舌の位置などに実は大きく依存しています。これらの口の周りの筋肉や普段の呼吸の仕方がおかしい場合には、実はなかなか良い位置では安定せず、針金をつけていても結果が出ないのです。そのような特殊な場合としての対応策です。

小学校6年生以降で2期治療をしている場合に矯正で針金をつけていると言う事歯よくあります。これはインビザラインのような針金代替の治療を選択した場合も同様です。

この針金をつけている状態で、なかなか十分にはが並ばない成果が出ないと言う子供がいますが、実は大人でもそういう事はあります。むしろオトナの場合、特に厄介です、それは大抵の場合、お口の周りの口腔周囲、筋の動きが間違っているクセの期間が長い人が多いのです、特に舌の力、飲み込みが関係していることが多いです。舌が下の方を押している、舌が歯と歯の間に噛まれている、そのような状況で、舌は大きな筋肉であり、その筋肉が常に歯に対し、間違った方向に力を加えているためにどうしてもいまいち歯並びがきれいにならないのです。また、噛み合わせ、顎の位置も間違った位置になっていく原因です。

実際には多くの患者さんは針金をつけることによってある一定以上の、パーセンテージで言えば80%位それぐらいの、人がほぼほぼは正しい位置に歯が移動していきます。しかし何年たっても具体的には2年とかですが、歯がきちっと動かない、イマイチな場合を見受けます。そのような場合は、そこで針金をつけながらマイオブレースのマウスピースをつけながらの治療を行います。針金をつけてなおかつ、ボクシングのマウスピースのようなものを口の中に入れておうちでは過ごしていただき、夜寝るときにはそれを入れていると言うような状況になるわけです。なんだか装置だらけだと思いますが、それぐらいに2期治療、大人になってからの治療に関して、筋肉の力、動きが原因であり、様々なことが問題として起きてしまうと言うことなのです。

Teeth brace in the white background, 3d rendering. Computer digital drawing.

矯正治療と舌の位置について

2023年9月10日

お口の中には舌があります。この舌なんですが、正しい位置はどこか?わかりますでしょうか。舌の正しい位置は上顎についている状態です。笑?と思われる方も結構いるかもしれません。実は下に降りて下顎のほうにいるんじゃないか、と思っている人もいますよね。実際問題、その間違った下顎のほうにいる状態の人もいっぱいいるのです。その下のほうにいるような状態のことを低位舌といいます。

さて正しい舌の位置にあるとどのようなことが良いことなのかを少し話したいと思います。

1.上顎を大きくし、きれいなカーブにする。先ほど舌は上顎についていると言いました、上顎の骨の形が綺麗な円の状態になっているのか、歪んだ状態になっているのか、これは舌が上に上手くきれいについていると上顎のカーブが綺麗な球状になっていき歯がきれいに並びます。このような状況になるために、もし子供の場合、ついていなければいつもそこにつけておきなさいと言うことを指導しています。

2.不正咬合を治す。舌が間違った位置にあり多くの場合は下顎にあり、歯と歯の間に挟まっていたり、特に奥歯に挟まれている場合が多いですが、このような場合は噛み合わせが凸凹になっていきます。奥歯も内側に倒れたりしている人が結構多いです。実は自分の歯が凸凹しているのは舌のおかしな位置にあるからだと言うことをぜひとも知っていて欲しいです

3.気道の広さを確保する。気道と言う言葉をどこかで聞いたことがあるのではないかと思います。首の中にある酸素の通り道ですね。この気道が狭くて夜寝るときに呼吸が止まってしまう人がいます。このような病気を睡眠時無呼吸症候群と言っています。この睡眠時無呼吸症候群は大変危険な病気であり、寝ているときに呼吸が何度も長く止まるとやがては死に至ることもあるのです。子供の頃から気道が狭ければこの病気になる確率はとても高いです。また近年の小児科の研究では子供の頃から無呼吸症が始まっているのではないかと言うことが疑われており、子供が睡眠時にどのような状態になっているか、どのような睡眠の質でしっかり眠れているのか、あるいは眠れていないのか、このような研究がだいぶ進んでいます。そして今、警笛が鳴らされていることとしては子供の睡眠の質をしっかり確保しないと脳が成長しない、また大人になったときに無呼吸症になりやすく危険である、と言うことです

さら舌が下に落ちていると言う状況についてもう少し説明していきたいと思います。多くの場合実は下顎のほうにいて間違った位置にいる人が多いです。

  1. 1.口がぽかんと開いている
  2. 2.舌を上顎の裏側に付けようとするとうまくつかない、そのようなことをした場合、舌が震えてくる
  3. 3.舌に歯の跡がついている
  4. 4.舌小帯が短い。舌小帯とは舌の裏側の付け根のところが下顎のほうにくっついているのですがそこのところがとても強くくっついているような状態の人のことです

あなたはどうでしょうか、多分多くの人が自分の舌に問題があるのかなどとあまり考えたことがないのではないかと思います。特に子供の舌に関しては気にしていないのかなと言う気がします。一方で大人の場合、高齢者になると舌にできものができて舌癌になるのではないかと心配している人が多いですが。

では最後にもう一度舌について話をまとめますが、舌は上顎についていて、舌全体がビタっと上顎についていると思ってください、そしてこの舌の位置は歯並びと重要な関係性があると言うことを知ってください。そして私たちは子供によく授業の1時間目2時間目3時間目と毎回舌がちゃんと上についているか自分で確認するんだよと言うことを指導しています。それぐらい重要です。

A smiling woman with beautiful teeth

子供の矯正治療と姿勢について

2023年9月7日

よく多くの保護者の方からこの子は姿勢が悪いと言うことを聞きます。歯並びも悪いしいつも顔を曲げているし、姿勢が悪いですと聞きます。

実は正しい呼吸ができていないと姿勢は悪いです。前回にも話しましたが、正しく腹式呼吸ができていれば姿勢は良いはずです。ですが腹式呼吸ではなく口を開けていたり胸や肩のあたりがよく動く胸式呼吸をしている子が多いのです。

正しい呼吸ができていないと十分な酸素が取れておらずそのために体は呼吸困難のような状態になり何とか無理して頑張るために、呼吸補助筋を使って呼吸しようとします。そのため体の骨を曲げて何とか気道のスペースを広げようとしたりするために、結果、肩の高さが左右で違ってきたり、頭が前に出たり、背骨の上が曲がったりと言うような不思議な姿勢にいつもなってしまうのです。

これが腹式呼吸ができていないと姿勢が悪くなっているよーと言うことなのです。しかし当院での筋機能療法の矯正治療を受けた子供たちは指導をしっかり守っていれば、顎や舌の位置が正しい位置になるために6ヶ月もすれば頸椎の湾曲は改善されていきます。

では腹式呼吸のポイントに関して少し話したいと思います。

  1. 1.立っていても座っていても姿勢はまっすぐ
  2. 2.3秒で吸って3秒で吐く
  3. 3.吸うときにお腹は前に出し、吐くときにへこませる
  4. 4.鼻息は聞こえず、静かな呼吸である

実際に私たちが患者さんを見ているときには、姿勢はどうか、まっすぐかどうか見ていますし、口を閉じて鼻で息をしているかを見ています、そして呼吸のスピードが早すぎると言う事は無いだろうか、呼吸が激しく強くなっていない、マイルドであるか、お腹の動きはどうか、リラックスした呼吸であり力んでいないか、呼吸とともに体が揺れていないか、などを何となくふわっと見ています。

このように腹式呼吸についてしつこく語っていますが、歯並び矯正をすると言う事は単に歯を治すと言うことではなく、そもそもの原因を多角的に治せる素晴らしい治療なのです。健康な体もっと言えば強い体を獲得できるし生理学的に美しい体に近づくと言う魅力的なものなのです。

ですのでただ単に姿勢が良いとか悪いとか、本を読むときに寝転がっているとか目が近いとかそういうことだけをアドバイスしているわけではありません。身体の健康発育に重要な腹式呼吸を改善することによって歯並びも良くなり姿勢も良くなる、一体となっていると言うことをお伝えしたいのです。そして保護者の方にとってはもしかしたら耳の痛い話ですが、保護者の方があまりにも腹式呼吸ができていない口呼吸をもろに子供の前で見せていると言うのはあまり良い影響ではないので、子供に渡しているプリントの中にそのようなことがしっかり書かれていますので、保護者の方もぜひ参考に自分の健康に留意してほしいと思っています。

ちなみに大人になってからこのようなことをトレーニングして改善していく事は実は極めて大変です。子供は、何となく想像つくと思いますが、柔軟です。一方大人は完成した体です。ですからすでについてしまった癖を大人になってから治すと言うのはとてもハードなリハビリなのです。ですがもし子供と一緒に頑張れるならそれは素晴らしいです、そして他の新たな楽しい親子関係ではないかと私は思います。

Side view picture of woman's smile with clear dental braces on teeth against blanked background

子供の矯正治療と腹式呼吸について

2023年9月3日

当院では矯正治療をする際に、そもそも歯並びが悪くなる原因を除去することを目指しています。歯並びを治すと言う事はある意味何らかの装置をつければいつかは治る可能性が高いです。ですがただ治しただけではまたいつかだんだん後戻りしていく可能性もあるわけです。では後戻りしないためにどうしたら良いかと言うと、ずっと何らかの押さえるような枠の装置を常に作り続けて費用をかけて経過を見ていくと言うことです。

ですがそのようなことをせず、原因が除去できればいいわけです。ややこしい話ですが装置をつけただけであれば、結果として曲がっているものをまっすぐにすることができるのですが、そもそもの原因は治していないので、装置を外せばまたずれてくるかもしれないのです。

この話を何度となく矯正のスタートの時点にすべての患者様にお伝えしていますが、矯正治療が終了に向かい2年ほどしてこれだけきれいになったんだ、良かったとなったときには、昔の事は忘れ油断してしまいます。私は何度も口酸っぱく、いつも口を閉じて言いなさい、鼻で呼吸してください、舌はスポットにつけていて下さい、親知らずが生えてくるときには抜いた方が良い場合があるから油断しないでね。と言っています。

さて、様々な処置、器具を使って歯並びを治していくのですが、その治療と並行して原因を除去するための指導を厳しく行っています。その一つが腹式呼吸です。現代人は残念ながら多くの人々は腹式呼吸ができていません。もしあなたが歌とかを専門にやっていたり、合唱部などでトレーニングを受けていれば、しつこいほど腹式呼吸の重要性を聞いているのではないでしょうか。人の体はそもそも鼻で呼吸するように設計図ができています。正しい体の使い方をせず口を開けて口を呼吸していると言う事はとても不健康であり、もっと言えば危険な状態と言うことです。そしてこの口呼吸をしているために歯並びが悪くなっていくのです。ここに大きな原因が存在しています。鼻呼吸の確立をまず1番に指導しています。この鼻呼吸がうまくいくためには腹式呼吸が普段できているかと言うことなのです。もしあなたが小学校1年生の教室に行って前の方から子供たちの顔を眺める機会があったらよく見てみてください。ほとんどの子供が口を開けて口で息をしています。これはとても恐ろしいことなのです。どうしてか、口で息をしていれば風邪もひきやすいしアレルギーにもなりやすいです。体が病気になりやすいです免疫力も上がらないです。いつもぽかんと口を開いていて、それでいてこの子たちに一生懸命勉強を教えても本当に成果が出るのでしょうか。このような口呼吸の状態で様々な運動がんばっても本当に強い選手になれるのでしょうか。それは皆さんもよくわかってくれると思います

ではさらに話を進め、鼻で息をすることが大事だと言うのはなんとなく気づいていたと思うのですが、正確に言うと腹式呼吸をしてくださいと私は言いました。鼻で息をしていても、腹式呼吸でない場合があります。そのような子も結構見受けます。簡単に言いますと口でいつも呼吸している子に、口を閉じて鼻で息をしなさいと言うと、胸式呼吸になります。胸のあたりや肩のあたりが上下に動いて一生懸命胸式呼吸を始めます。これでは腹式呼吸でないので長続きしないですね。そしていつしかまた口を開けると言うことになるわけです。そもそも胸式呼吸ではダメなのか?ダメなんです。それは胸式呼吸は肺の3分の1しか使っていないのです。ですので呼吸が浅いです。そうすると脳は酸素不足と判断し、呼吸が速くなりますそうすると鼻呼吸もうまくできず口呼吸になってしまいます。そして何より気道が狭くなってしまいます。そしてさらに呼吸が浅くなると言う悪循環を繰り返していきます。

ですので私たちは腹式呼吸を基礎中の基礎として子供たちに一生懸命練習させています。毎度腹式呼吸を自然体でしているのかをチェックしています。言われた時だけうまくやろうとしても普段から自然にできていなければすぐにおかしな呼吸になりばれてしまっています。

Closeup of a mouth with braces on teeth

子供の矯正治療と開始時期はいつがいい?

2023年8月31日

先日あるお母様から5歳のお子さんに関して矯正のスタート時期はいつが良いのでしょうかと言う質問がありました。これに関しては今まで私がここに何度となく書いていますが、理想は小学校1年生の4月です。このお子さんはお姉さんが小学校2年生ですが、お姉さんと一緒にスタートすることとなり小学校1年生となるまでは練習でお姉さんと一緒にやろうと言うことになりました。すなわち本格的なスタートは小学校1年生で1年間はお姉さんの横にいてちょっとだけお姉さんと一緒に練習してみようと言うような状況です。

前回に話した小学校1年生4月がスタートとして理想であると言うのは、子供のモチベーションのコントロールにおいて理想的であるからだと言う理由を伝えました。今回は別の理由に関してお伝えしていきたいと思います。

それは何かといいますと、体の成長と関係があります。矯正治療をすると言う事は、悪い習慣により顎がずれたり、歯が曲がっている、筋肉のバランスが悪い、筋肉が弱い、呼吸が間違っている、口をいつも開けている、鼻で息ができない等を是正することではあるのですが、その是正を通じて骨の歪みも一緒にできれば治していきたいわけです。

それを考えた際に、実は顔の真ん中あたりのことを中顔面と言いますが、この中顔面が出来る限り球体の形に成長を促進することがとても成功のカギです。顔の真ん中辺、中顔面が一番成長を促進できるのは、小学校1年生から3年生位なのです。この時期が成長のピークで最も成果が出やすい時期なのです。それを過ぎるとあまり今度は成長の余地がなくなりあまり形を変えるのは難しくなります。すなわちはが並ぶ元となる土台の骨の形、顎の形を出来る限り理想的な球の形にしたいのですがそれがこの時期だと言うことなのです。速すぎても遅すぎてもだめなわけでは無いのですが、最も成果が上がりやすい時期と言うことです。特に東洋人の場合、中顔面の骨の成長が弱いと言うことが近年ではよく指摘されています。

以前映画で阿部寛主演のローマのお風呂の映画がありました。この映画の中では東洋人の顔を平たい族と表現していました。顔が平べったいと言うことです。そして西洋人は横顔から見たときに前後的に長い立体の顔をしています。一方、西洋人の顔は球に近い形なのです。この平たい顔では立体の球にはあまり近くないですよね、このような状態にはならず、横顔から見たときに立体感のある球の形の顔になってほしいのです。

実はこの形に究極的に近づけたい場合にはもう生まれてまもなくからできる努力があります。母乳が終わった頃にすぐに前歯噛みを始めることです。離乳食は食べないです。よく考えてみてください。離乳食と言う商品が世の中に出回っていない昔には誰も離乳食は食べていないのです。大人が食べているものにほぼ近いものを食べていたのです。子供だから柔らかいものを食べさせないと食べられない、歯がないから噛めないのではないか、と考えがちですが、実は昔は大人と同じものを必死に1歳児が前歯2本程度もしくはその周りの土手で噛んで食べていたのです。これをひたすら行うと立体の丘に近づいていきます。

話を元に戻しますが、体の成長を考えてどの時期にスタートすると良いかと言うことでした。もしあなたのお子さんがその時期を過ぎていた場合どうすべきかと言うことに関してお話ししますが、過ぎてしまったから全くダメと言うことではありません。その中で出来る限り良い状態になることを考えます。専門家ではない皆さんから見た場合、見た目で言えば十分に治っていると思う程度まで改善はできます。ただ我々専門家から考えると土台が十分に良い形になっているか、呼吸や舌の位置が正しい位置になっているか、などのこだわりを考えた際には、やはりどうしても差があると言う仕上がりになっています。遅いと言う事は無いのですが、もし正しい知識を持っていて理想の時期にできるのであればそれを行うべきです。もし時期を過ぎていれば可及的速やかに対策を打つべきです。そして足りない部分をどのように出来る限り補うかを考えます。

また時期が遅くどうしてもズレが大きい場合には歯を抜いての矯正治療になる可能性があります。歯を抜いてやることが悪いわけではありませんが、多くの方ができれば抜かないで治るならそうしてほしいと言う希望が多いことも事実です。すなわち、きれいにしたいと言う気持ちもあるししっかり治したいと言う気持ちもあるのだが、抜くのはちょっと心配かなと言う気持ちもあるのです。人間だからいろんな気持ちがあるのが普通だと思います。その中で最も自分らしい生き方はなんだろうと言うことを検討していくことになるかと思います。