1.親知らず
10代後半から20代前半にかけて親知らずが生えてきます。
まっすぐに生えた親知らずは抜かなくても良い場合がほとんどです。
しかし、現代人は顎がどんどん小さくなっている傾向にあり親知らずがまっすぐ生えるスペースがなく傾いて生えてくるケースが非常に多いのです。傾いた親知らずは健康な歯との隙間に細菌が貯まりやすく知歯周囲炎という炎症を引き起こします。他にも親知らずは虫歯や不正咬合など口腔内の疾患の原因となることも多く、その場合は抜歯が必要となります。一般的に、骨が軟らかく歯の根も完成していない若い年齢の間に治療する方が、歯を楽に抜くことができ、傷の回復も早いです。
【抜歯後の回復が早くなる為のポイント】
・麻酔が効いている間は頬、唇、舌を咬まないように十分に注意する。
・術後は安静にする。激しい運動はさける。
・軟らかいものを食べる。
・口を激しくゆすがない。抜歯窩の血が流れてしまい治癒が遅くなります
・口の中の清潔を保つ。歯磨きは抜歯を行った当日から始めてください。
・抜歯当日は喫煙、飲酒は避ける。ニコチンが治りを悪くします。
・舌や指で抜歯窩を触らない。
Q&A
◯親知らずがはえてきました。抜いた方がいいのでしょうか?
必ずしも親知らず抜く必要があるとは限りません。親知らずを抜いた方が良いと思われる主なケースとしては、痛みや腫れを繰り返したり、歯並び・矯正治療の障害になる場合などがあげられます。
◯親知らずの治療に不安があります。どのような治療をするのか、教えてください。
レントゲン写真で親知らずの状態を確認します。腫れや痛みが強ければ抗生剤、消炎鎮痛剤による消炎処置後、抜歯を行います。当院ではレントゲン写真の他にCTによる3D画像で診断することができ、より安全で確実な治療が行えます。
◯痛いのは苦手です。何かいい方法はありますか?
麻酔を効かせて抜歯を行い、痛みに配慮した治療を心がけています。歯科治療に恐怖感をお持ちの方や、痛みに敏感な方には笑気ガスを併用して抜歯を行うことも出来ますのでご相談ください。
◯親知らずが4本生えており一気に抜くことは可能ですか?
上下の親知らず2本ずつを二回に分けて抜歯することになります。
◯抜歯後はいつ来院すればいいですか?
抜歯後は翌日に口腔内の消毒を行います。傷口を縫った場合は一週間後に抜糸の為にご来院ください。
2.あごの病気
@顎関節症
顎関節症とは、あごの関節とその周囲の筋肉が痛みが出たり動きが悪くなる疾患です。あごの関節あたりに音がする(カックン、コッキン)、口が開かない、あごの関節が痛む、頭痛などの症状があります。
そのような症状が日常生活に支障をきたす場合治療の対象となります。
顎関節症は5つに分類されます。
1型 |
あごを動かす筋肉に障害がある場合 |
2型 |
顎関節を包む組織、靭帯に炎症を起こしている状態 |
3型 |
顎関節のクッションの役割をしている関節円板の位置異常。その関節円板をささえる靭帯が伸びてしまい、関節円板が前にずれた状態 |
4型 |
下顎の骨の変形を生じた変形性顎関節症 |
5型 |
1〜4に当てはまらないもの。精神的原因など |
【顎関節症の原因】
歯ぎしり、姿勢や癖、ストレスなど複数の要因が重なっておこると考えられています。
【顎関節症の治療法について】
当院では、レントゲン撮影、診査診断を行い、それぞれの症状に合った治療方法を行います。
早期に患者様の苦痛を和らげ、痛みや口が開けづらい症状がある場合は保存的な治療法(マウスピース、薬、理学療法)が選択されます。ほとんどの場合は1〜2ヶ月で回復に向かいます。
A顎関節脱臼
あくび、打撲によって、あごの脱臼がおこることあります。急に口を閉じることが出来なくなったり、頬のあたりが飛び出したように盛り上がる症状が出た場合にはあごが脱臼している可能性が考えられます。
3.舌の病気
症状に合わせた舌の病気についてご紹介します。
@痛みがある、ひりひりする
入れ歯、補綴物による刺激、口腔内の乾燥、悪性貧血、感染症、アフタ性口内炎、カンジダ、ヘルペス、天疱瘡、類天疱瘡、水痘帯状疱疹ウイルス、悪性腫瘍、神経痛(三叉神経痛、舌咽神経痛)など舌に痛みを伴う数多くの疾患があります。
Aただれがある
地図状舌
舌に赤く広がった模様が出来るものでその形が日によって変わります
溝状舌
舌の表面に溝に食渣がたまり炎症を起こしやすい
口腔カンジダ
カビによる感染症で健康な人にも見られる常在菌であるカンジダ菌が免疫力の低下によって異常増殖します。
口腔乾燥、清掃不良が原因の場合も多い
B舌が黒い
黒毛舌
薬の服用によって菌交代現象がおこり細菌が異常繁殖している状態
4.歯茎、粘膜の病気
アフタ性潰瘍
発赤に囲まれた円形の潰瘍
接触痛が強く再発を繰り返すことも多い。
粘液嚢胞
唾液が組織内に貯まったもの
下唇、頬粘膜、舌の裏に水ぶくれのようなものが出来る
薬物性歯肉増殖
内科で処方されている薬の副作用でおこる歯肉増殖。
骨隆起
上あごの正中や下あごの内側に出来る隆起。
入れ歯装着時の接触痛がある場合、骨隆起が原因で口腔清掃困難の場合切除します。
口腔乾燥症
様々な原因によって唾液の分泌量が下がったもの。
唾液が減少すると味覚異常、虫歯の増加、歯周病の悪化、口腔内の汚染、口臭、口腔内の炎症などがみられる。
腫瘍
悪性腫瘍、良性腫瘍は病理組織検査を行える大学病院、総合病院へ紹介致します
5.けが・事故
@歯がおれた、抜けた
清潔なガーゼを咬み血を止め、すぐに受診してください。抜けた歯は口の中に入れたまま来てもらうか、牛乳に入れてお持ちください。抜けてすぐで歯の根の周りを取り囲む歯根膜が傷ついていない場合は再植出来る可能性があります。
A口の中が切れた
血がとまらない場合はガーゼやハンカチで圧迫止血し近くの医院で止血、応急処置を受けてください。
6.有病者の歯科治療
抗血栓薬、骨粗鬆症で内服中の方,高血圧や糖尿病など基礎疾患をお持ちの方は内科医と連携して治療を行いますのでご相談ください。当院では、モニターを使って患者様の全身状態に配慮して安全な治療を行うことが出来ます。
7.CT
8.笑気
Q.笑気(しょうき)ガスとはなんですか?
A.亜酸化窒素(N2O)の別名です。
無色でわずかに甘い香りがする、無刺激な麻酔薬です。酸素と一緒に使用します。
小島歯科室では、20〜30%程度の低濃度の笑気と、
70〜80%の酸素を混ぜたガスを鼻から吸入する方法を使用しています。
笑気ガスは副作用がなく、安全な麻酔薬として、特に歯科治療で多く用いられています。
Q.吸入してどのくらいで効果が出ますか?
A.開始から2〜3分程度で効果が現れます。
吸入中は鎮静・鎮痛作用があり、フワフワと心地よい気分になります。
終了後は5分程度でガスの効果が切れますので、帰宅・仕事等に支障はありません。
Q.どんな方にオススメですか?
A.どなたでもご使用可能ですが、特に下記の方にオススメです。
・歯科治療に対して不安感・恐怖感・緊張感が強い方
・おう吐しやすい方
・高血圧症・不整脈・狭心症などの循環器疾患の方
・脳貧血の既往のある方
・インプラント治療をされる方
【笑気を使用しないほうがよい方】
・中耳炎の治療をされている方
・2か月以内に眼科手術を受けられた方
・妊娠初期の方
・過呼吸発作の既往のある方
・鼻閉のある方
【笑気の方法】
@椅子に座ってから横になってもらいます
A鼻に専用のマスクをつけます
B約2〜3分で、ふわふわとした気分になってきます
C処置後、専用のマスクを外すと、約5分ほどで通常の状態に戻ります。 |
当院スタッフも実際に笑気麻酔を体験しています。
その一部を掲載いたしますので、笑気麻酔を検討されている方は、是非ご参考になさってください。
歯科医師・畑周一郎 |
私は笑気ガスの効果を確認するために、30%の濃度の笑気ガスを吸入してみました。
吸入して約5分後に、少しぼーっとしてお酒に酔ったような心地よい気分になりました。
笑気ガス吸入後は一時的にフラフラしましたが、すぐに普通に歩くことができました。
他に体験したスタッフの中には、リラックスしすぎて椅子から立ち上がりたくなくなると言う人もいました。 |
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歯科衛生士・土井麻由子 |
笑気ガスを吸入してから2、3分経ったところで、ポワーッとした感じになりました。
お酒を飲んだ時と同じように酔っぱらった気分でした。
ですので、不安や痛みを感じずに治療ができると思いました。
それから吸入器を外したら、すぐに元の状態に戻りました。
ですので、車でお越しの方も安心してご使用いただけると思います。 |
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歯科助手・竪山歩 |
私は前歯の治療時に笑気を使ってもらいました。
歯医者が苦手でクリーニングでさえ、目を見開いてうける私ですが、
笑気を使ったときは、全身の余分な力が抜けるような感覚とふわーっとした思考状態で、治療中にもかかわらず、『このまま眠れる』と思うくらいリラックスできました。 |
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使用された患者様の感想
25歳女性 |
親知らずを抜くために笑気ガスを使用しました。
麻酔を何回うっても効かず、先生に提案されました。
使った感想は頭がぼーっとしてきて、体がだらーんとしました。
痛みはなくなり、リラックスして治療を受けられました。
また治療中に痛みがあるようなら、使用してもいいかなと思いました。
(25歳女性)
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9.オゾン滅菌
アレルギーの起きない新世代の洗浄法!
昨今、感染に対する患者様の関心も高まっており、より安全で環境に優しい院内感染予防対策が求められています。
現在医療機関の器具滅菌で行われている塩素系の薬剤が主流です。しかし、これらの薬剤はアレルギーや発がん性などの健康への影響が懸念されています。
当院で使用しているオゾン洗浄機は、オゾン水により多くの菌を無害化でき、耐性菌を作り出さない環境に優しいシステムです。また、薬品ではありませんので、アレルギー等健康への影響もありません。
スタッフの安全を確保することで、患者様にも安心して治療を受けて頂くことができます。
●除菌…強い酸化力により菌の細胞膜を酸化破壊することにより、菌を不活性化し、除去する。
●脱臭…悪臭物質がオゾンとの反応により、悪臭成分を常温で酸化して他の物質に変化させて臭いを消す。
●脱色…オゾンの強い酸化力により、色素が分解され脱色が可能になる。
●分解…オゾンの強い酸化力により、低分子化することが可能である。
オゾンにはこのような効果がありますが、生成され反応しなかったオゾンは短時間で酸素に分解されますので、人体に有害な影響は及ぼしません。
★この他、オゾン水は治療にも使われています★
日本歯科新聞社(2014年1月28日号)
『オゾンの水・ジェル 止血効果も確認』
院内感染治療や歯科治療時に応用されているオゾン水、オゾンジェルには殺菌作用だけでなく、エピネフリン(アドレナリン)と同等の止血効果もある―。大阪歯科大学の王宝禮教授らの研究グループが動物実験で明らかにした。
実験では、出血状態を作成し、オゾン水およびオゾンジェル、従来歯科治療に用いられる止血薬をそれぞれ塗布して止血時間を比較。
歯科局所麻酔薬「キシロカイン」に含まれるエピネフリンや、局所止血剤「TDゼット」(収斂(しゅうれん)作用)、止血剤「トロンビン液」(血液凝固因)と同等の止血作用をオゾン水およびオゾンジェルに認めた。
作用機序については、血小板の凝縮活性や粘着性に影響を与えていると推測している。
インプラント治療時や抜歯後、歯周外科の際にオゾン水、オゾンジェルの止血効果を感じているとの声は多いという王教授は、「抗菌作用のみならず、止血効果の面から外科的処置には有効。副作用のない有用性の高い治療薬の開発に発展する可能性がある」と今後の研究に期待を抱いている。