「インプラント治療との出会い」
〜医療を通して笑顔を創る〜
私の学生時代、ようやく日本でも研究されるようになり、インプラント治療が大学病院内で、いろいろ噂になりました。これからの時代の最先端の治療法として注目度は高かったです。
一方、第一線で活躍する先輩の話を聞いてみると、現場では、これは夢ではなく本当はうまくいかないかもしれない。まだまだ臨床では使えない、と。今から20年前の大学病院では、うまくいかない症例も数多く出ていたのでした。(当時の成功率50%、現在90%程度) しかし、この失われた歯を復活させる治療法がうまくいけばどれだけの患者様に福音がもたらされることか、という強い使命感をもって数多くの研究が進められていました。私自身、心はずませ、第二次補綴科に入局しました。(このときの将来へ挑戦の思い、ときめきは今でも昨日のことのように覚えています。)
歯周病になれば、せっかくインプラントを入れてもまた失ってしまうのではないか、という研究が行われ、意外な結果が出たのでした。一旦、骨にインプラントが固定されれば、普通の歯のように骨が減っていく現象は必ずしも起こらないという結論でした。これは世界的に言われていた通念常識が、どんどんひっくり返っていく激動の時代の始まりでした。
世界レベルではインプラントの研究の遅れている日本でありましたが、インプラントにアパタイトという骨に近い成分を利用する研究では、まだどこも試みていない分野を先がけていました。そして今現在アパタイトのコーティングが世界的にも広まり、それの特許を利用するための争奪が起こるほどになっている次第です。その状況をみるに、昔、医局で「そんなアパタイトなんてダメだ」「いや、絶対に我々の方法が正しい」と喧々諤々やっていた日々が懐かしいです。しかれど、さらに医学は進歩していくので、決して予断は許されません。
あの懐かしい頃の思い、こんな夢のような治療法ができたら、という強い情熱を今も大切にインプラント治療をさらに研鑽し、実践していきたいです。
電子顕微鏡で確認した骨とインプラントのくっつきの界面、その時の驚き、興奮、感動があればこそ、現代社会の人々がより豊かな文化生活を享受できるよう貢献していきたいです。
〜地域社会活動が人を豊かにする〜
私は東海私立船島小学校のPTAを引き受けて、このPTA活動に参加して、様々なことが体験でき、わかってきました。地元船島コミュニティがどれだけ小学生のために運動会準備に努力しているか。老人会が、子どもの安全のため、下校時に船っ子マモリーズとして、家の玄関先まで見届けようと。
志高いボランティア活動は地域の豊かさを根底から支えてくれます。私の最もできることは歯科医療です。自分にできることボランティア活動と日々の仕事、これらを心を込めて頑張りたいです。私は自分の育った町、東海市が好きです。